プライオリティ・パスとは、イギリスのプライオリティ・パス社が運営する空港ラウンジ利用システムとそのカードを指します。プライオリティ・パスのカードがあれば、世界中の提携ラウンジを使用することができます。
今回は、関西国際空港でプライオリティ・パスを使ってみます。ラウンジではなくぼてぢゅうというレストランで利用することができます。
私の国内空港・ラウンジ訪問記 一覧はこちら↓
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目次
プライオリティ・パスのシステムのをおさらい
プライオリティ・パスを持っていると、飛行機の搭乗券がある場合に限り、空港にある提携ラウンジを使用できます。そのパスは無条件に手に入るものではありません。正式に発行する場合は、年会費が発生します。
年間優待回数 | 年会費 | 本人利用料金 | 同伴者料金 | |
---|---|---|---|---|
プレステージ会員 | 制限なく無料 | 399USドル | 無料 | 27USドル |
スタンダードプラス会員 | 10回まで無料 | 249USドル | 27USドル | 27USドル |
スタンダード会員 | なし | 99USドル | 27USドル | 27USドル |
提携ラウンジはプライオリティ・パス社が運営しているわけではありません。ラウンジによってはプライオリティ・パスがなくても有料で入場できる場合があります。多くのラウンジでは27USドル以上必要なので、スタンダード会員でも損はしません。とはいえ、元を取ろうと思えば、海外旅行してかなりの回数ラウンジに入室しないとだめです。上のいずれの会員であっても、元をとるのは難しいかもしれません。
プライオリティ・パスで入室できるラウンジは、ほとんどがビジネスクラス用航空会社ラウンジと同等と考えられます。ファーストクラスラウンジ並みの上品さやサービスは期待できませんが、フードサービスやアルコールを含むドリンクサービス、シャワーサービス、WiFiサービスなどが期待できます(サービス内容はラウンジによります)。
プライオリティ・パスが利用できるラウンジは世界で1000カ所以上とされています。かならずしも国際線に乗る場合だけしか使えないわけではありません。国内線でも利用可能なラウンジがあります。2019年12月現在、日本の国内線でも利用可能なラウンジは以下の通りです。
成田空港第1ターミナル | TEIラウンジ、IASS Executive Lounge1 |
---|---|
成田空港第2ターミナル | TEIラウンジ、IASS Executive Lounge2 |
関西空港第1ターミナル | KALラウンジ、ぼてぢゅう |
いずれも、セキュリティエリア外に店舗があるという共通点があり、だからこそ国内線でも使用することができます。ただし、成田空港のラウンジはカードラウンジ相当なので、同伴者ありの場合はクレジットカード(ほとんどの会社のゴールドカード以上ならOK)提示でも無料で入れますし、入場料が発生する場合はプライオリティ・パスを使用せずに直接入場料を払った方が安くつきます。
KALラウンジは大韓航空のビジネスクラスラウンジです。スペースが広くないので混雑しやすく、国内線だと入場を断られるケースがあるとの口コミもあります。ぼてぢゅうはラウンジではなくレストランですが、プレステージ会員の場合、1人あたり3400円分(税込)まで無料扱いになります。プライオリティ・パスは最近このようなレストラン無料タイプの提携を増やしてきており、オーストラリアのシドニーを中心に提携店舗を増やしています。
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ぼてぢゅうでプライオリティ・パス利用の際のルール
すでに書きましたが、関西国際空港の第1ターミナル3階に「ぼてぢゅう」というお好み焼きがメインの和食レストランがあります。関西にチェーン店がいくつかあります。プライオリティ・パスを使用すると、3400円分(税込)までの注文を無料ですることができます。もし、3400円を超える場合は、超えた分だけ実費で必要です。
関西空港の店舗に向かいますと、ほぼ確実に店舗前に列ができています。列に並ぶと、店員さんがプライオリティ・パスを所持しているかをチェックします。プライオリティ・パスを使用する旨を伝えると、搭乗券の有無・人数・プライオリティ・パスを使用する数を確認されます。
プライオリティ・パスは飛行機に乗る方用の優待カードなので、搭乗券が必要なのはあたりまえです。問題は、プライオリティ・パスの使用する人数に関してですね。プライオリティ・パスは、名義の記載がある方のみを対象とするのが原則です。家族で使用する場合はややこしくなります。私は何度かお邪魔していますが、「ぼてぢゅう」でのプライオリティ・パスの扱いはいろいろと紆余曲折しています。結果、2019年12月現在下記のようになっています(公式ホームページにも掲載されています)。
当日に関西空港を出発する便に搭乗予定であること
2019年現在、搭乗券の提示が必要です。予約券(LCCのピーチやジェットスター、ANAのskipなどの用紙)では利用できません。eチケットの場合、スマートホンでチェックイン後であることを証明する画面の提示が必要です。あくまで想像ですが、キャンセル可能なチケットや偽造の予約確認書などによる利用を防止するためだと思われます。このルールは、同じ関西空港のプライオリティ・パス対象ラウンジ「KALラウンジ」でも採用されるようになりました。
ジェットスターは、公式には出発の3時間前からチェックイン可能なので利用できます(3時間以上前からでも搭乗券発行は可能です)。ピーチの場合は、チェックインをするためには第2ターミナルに向かう必要があり、チェックイン開始が出発の90分前からなので、第2ターミナルへの移動時間を含めると、実質的に利用できなくなっています。ということで、LCCならジェットスターがおすすめです。
国際線の場合、ANAやJAL以外の常設カウンターが無い場合、チェックインは2時間前からになることが多いです。以前、ユナイテッド航空の便を利用した時は、2時間前のカウンターオープンと同時にチェックインした後にぼてぢゅうを使いましたが、入店待ち時間と店内待ち時間(お好み焼きが焼けるまで30分くらいかかります)で1時間近くかかるので、保安検査や出国手続きなど、かなり時間が厳しかったです。対策としては3時間前には入店待ちに並ぶこと、チェックインと入店待ち部隊に分かれる、などでしょうか(そこまでするか?)。常設カウンターが無い会社(外資系など)の国際線を利用する際はお勧めしにくいです。
到着便に関しては、以前はOKだったようですが、2018年以降は不可になっています。
同じテーブルでは、全員プライオリティ・パス使用とすること
要は3400円分を複数人でシェアはできないということです。
プライオリティ・パスには同伴者料金が設定されているので、正規のプライオリティ・パスであれば、同伴者1人あたり27USドルが後日請求されます。クレジットカード会社を経由して発行されている場合は、そのカードの規定に従います。クレジットカードによっては利用料無料のものもあれば、1000円のもの、2000円のものと、さまざまです。同伴者料金はぼてぢゅう側ではわからないので、知りたい方はクレジットカード会社に問い合わせてください。
注文は、1つのカードで複数人分利用するなら、3400円×人数分をまとめてします。2人分なら6800円以内、3人分なら10200円以内で注文可能です。複数のプライオリティ・パスに分けて清算する場合(夫婦で別々のカードを持っている場合など)、それぞれ3,400円ずつの注文になるので少し面倒です。
テイクアウトは対象外
ただし、関西空港第1ターミナル2階のぼてぢゅう屋台「関空町家小路店」では、プライオリティ・パスで割引価格(10%オフ)でテイクアウトできるようです。プライオリティ・パスのサイトにログインすると表示されます(期間限定かもしれませんので、利用する前に確認してください)。
6歳未満は無料扱い
今まで幼児の扱いに関して、有料だったり無料扱いだったりとそのときどきで判断が分かれていたようですが、2018年8月現在では6歳未満が無料と明記されています。年齢の証明が必要なようですから、パスポートを持参したほうがよさそうです。無料といっても、大人1名分をシェアするかたちになります。
朝10時まではモーニングメニューのみの提供
朝7時からオープンしています。2019年11月ごろまで、朝10時まではモーニングセット以外のメニューはありませんでした。モーニングセットは1300円前後なので、モーニングセットを2つ注文するような猛者が多かったようです。ごはん2杯やみそ汁2杯になってしまうので、ごはん1杯キャンセルするようなかたちで注文しているようでした。
2019年12月現在、モーニングセットは全面的に廃止され、モーニングメニューになっています。ごはん2杯になることは避けられます(笑)。モーニングメニューにお好み焼きはありません。焼きそばやとんぺい焼きは時間がかかりがちです。牛ハラミ鉄板焼きは、通常メニューより少しお安いです。
写真は税抜表示なので、注文の合計金額は3090円までに抑えましょう。なかなか1人で枠を使い切るのは難しいですが、アルコールの注文が可能なので、ビールを何杯もお替りすれば枠を使い切ることが可能です。
朝7時の開店前から列をつくっていることが多いです。10組くらいまでは最初の案内でレストラン内に入れます。7時40分くらいまでには食べ終えられると思いますので、モーニング狙いなら8時以降の便を狙いましょう(LCCならもう少し後の便で)。
別名義の複数枚のプライオリティ・パスの使用可能
同じ名義のプライオリティ・パスを複数枚使用することはできませんが(プラチナカードを複数所有している方に生じる現象です)、別名義のプライオリティ・パスならば複数毎使用できます。例えば、夫婦でそれぞれの名義でプライオリティ・パスを所持している場合、それぞれ使用できます。夫が自分名義のプライオリティ・パスを複数枚所有していても、夫の分しか使用できません。
ただし、注文は3400円以内ずつ分割することになるので少し面倒です。
順番待ち列が長くなりがちなので、注意してください。1組で5分程度の待ち時間、6組並んでいれば30分程度は必要です。さらに、お好み焼きを焼くのに20-30分程度を要すると言われます。食事を食べるのにも30分程度は必要でしょう。セキュリティエリア外なので、国内線なら、飛行機出発の30分前には店舗を出る必要があります。これらを総合すると、店舗に並ぶ時点で、飛行機出発まで2時間を切っていると、乗り遅れのリスクが高くなります。
さて、店内に案内されて、食事を注文します。メニューは税抜き価格で表示されているため、消費税抜きで3100円程度まで注文できます。スマホで電卓機能を使うのがいいかもしれませんね。ぼてぢゅうのお好み焼きの値段は少し高めです。1人3100円だとすると、お好み焼き+つまみ1品+ソフトドリンクで、なんとか範囲内に収まります。アルコールを注文すると、お好み焼きの価格を下げる必要があります。時間を節約するためには、あらかじめ列に並んでいる間に注文を決めておく方がいいです。
店内の客層は、ビジネス6:観光客4でしょうか。プライオリティ・パス利用者が7割を超えていると思われます。
実際にプライオリティ・パスを利用してみた
今回、私は家族で利用しました。夫婦と子供2人ですが、1人は6歳未満なので3人がプライオリティ・パスの対象となります。私のお連れさんもプライオリティ・パスを持ってますので、子供の分だけ私のプライオリティ・パスで支払いとしました(幸い、私のプライオリティ・パスは1人だけ同伴者無料です)。
以前は入室してからサインしていましたが、2019年現在は入室前にサインします(ポータブルの機械にタッチペンでサインします)。私と私のお連れさんが別々にサインする必要があります。
支払いは2枚のカードに分かれるので、6800円以内の注文と3400円以内の注文をすることになります。「ミックスジュース3つ」なんて注文をしましたが、不自然なので別々の注文に分けてくださいとのことでした。うーむ、面倒ですなあ。
お好み焼き以外は、それほど時間がかからずに提供していただけます。十分お腹がいっぱいになる量をいただけました。お金がかかっていないので、たいへん満足です。
2018年3月までは、伊丹空港でアメリカンエキスプレスのクレジットカードを提示すると、食事券をいただけるサービスが実施されていました。伊丹空港のサービスが無くなり、関西空港でプライオリティ・パスが使用可能となったため、私は関西空港を使用する回数が増えてきています。早朝はぼてぢゅうの店舗が開いていないため、関西空港の早朝便を使用する際に利用できないのが難点ですね。せっかくの特典ですから、利用できるときは利用していきたいと思っています。プライオリティ・パスに関する解説記事も参考にして下さい。
この場合、2円だけ支払う必要があります(笑)
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