【国内鉄道旅】阪急電鉄 2024年7月導入の指定席車両「PRiVACE」と2019年運行開始の「京とれいん 雅洛」を紹介

はじめに

今回は2019年3月にサービスが開始された阪急電鉄の「京とれいん 雅洛」と、2024年7月に開始された指定席車両「PRiVACE」を紹介させていただきます。

阪急電鉄は大阪・神戸三宮・京都を結ぶアーバンネットワークを築く私鉄の雄で、営業キロでJRを除く私鉄で8位、輸送人員で9位と言われています。JR西日本や阪神、京阪路線とライバル関係にあります(阪神は同じグループになりましたが)。

近年、他の私鉄路線との差別化競争が熾烈化しています。特に、指定席サービスに各会社が注しするようになり、2010年代後半からJR新快速のAシートやらくラク特急、京阪のプレミアムカー、阪神電車のらくやんライナー(臨時のみ)などが導入されてきました。

今回、2024年になって導入されたのが、指定席車両「PRiVACE」です。

指定席車両「PRiVACE」

指定席車両「PRiVACE」は阪急9300系と2300系の4両に導入されています。PrivacyとPlaceをもじったらしいですが、なんとなくprivate spaceの方がしっくりきます(私だけ?)。

阪急京都線の梅田ー河原町間で運行されています(2019年に梅田駅→大阪梅田駅、河原町駅→京都河原駅に改称)。特急、通勤特急、準特急の一部に導入されています。料金は1律500円です(阪急電鉄では特急料金は存在しないので、自由席なら追加料金不要です)。

指定席券はネットでのみ予約購入可能です(Paypayとクレジットカードのみ)。駅の券売機やホームでは購入できません。空席があれば、車内でスタッフから購入できます(現金やICカードのみ)。

ライバル会社の京阪はWebだけでなく駅やホームで購入可能です。JRもe5489以外に券売機やみどりの窓口で購入できます。しかも、阪急のWeb購入サイトは少し不親切で、慣れていないと購入に5分以上かかります(カードとPayPayで入力画面を分けるべきですね)。

阪急電鉄の特急は本数が多いので、当日駅で購入を決める方も多いと思います。駅で購入できる方が親切ですよね。

とまあ、購入時に少しイライラしたのですが、よく考えると、おそらく阪急側はたくさん購入されたくないのではないかと考えます。

2024年現在、座席指定車両は特急の3~4割程度にしか導入されていません(日中は10分に1本程度特急が運行していますが、指定席車両は1時間2~3本程度です)。そして1編成に1両しかありません。席数も多くないためか、ざっくり7割以上の利用率があります。満席が続くと人気が落ちるので、予約方法に制限をかけているのではないかと推測されます。

2025年には編成数を増やすらしいので、そのタイミングで予約方法を広げると思われます。

PRiVACEはあらかじめ席を予約するというより、直近の列車を予約するというスタイルが多い印象です。先発列車の予約がほぼいっぱいになっていても、次発列車だとだいたい予約ががらがらです。でも先発列車が出発すると、次発列車の予約が埋まってきます。逆に言うと、平日の通勤時間帯以外は、30分前くらいに予約すれば十分間に合います。

大阪梅田駅の1号線あるいは2号線から出発します(阪急では1番線や1番ホームではなく1号線と言います)。

PRiVACEのマークが入った編成が座席指定車両つきです。

全部で40席くらいあります。

4両目の中央に、専用の入口があります。

大阪梅田駅では原則的に入線してきた車両の折り返しです。この車両以外はすぐに入れますが、この車両だけは車内整備後の乗車になります。スタッフさんが1名、常にいらっしゃいます。

席は1列2+1席です。標準軌なので、席幅はかなり広くなります。近鉄特急のデラックスシートと同じくらいになりますね。

荷物置き場も用意されています。

前の席の後ろには、ドリンクホルダー、衣類のフック、マガジンラック(収納)があります。

アームレストの下に、背もたれリクイニングの調節があります。

首元には手物のライトがあります。

アームレスト下からテーブルを引き出して利用できます。

車いす用のエリアもあります。

チケット購入済みなら車内改札はありません。チケットが無い場合、乗車時にチケットを乗務員の方から購入して席に案内となります。席が無いことも多いので、事前予約をお勧めします。

WiFiが利用可能ですが、会員登録やアプリ登録が必要です。車内販売はありません。

大阪梅田駅から乗車してみました。大阪梅田ー茨木市間は運行密度が高いのであまりスピードが出ません。淡路駅の立体交差工事が終了すると、もう少し速達性が良くなることが期待されます。

南茨木市駅をゆっくり通過中です。遠くにモノレールの高架が見えます(大阪モノレールの乗換駅です)。

桂駅を出ると、桂川が見えます。しばらくすると地下路線に入ります。

終着駅が近づいてきました。

特急だと大阪梅田駅から京都河原町駅まで約42分です

ライバル社だと、JRの新快速やサンダーバードは大阪ー京都間で27分~30分、新幹線で新大阪ー京都が14分です。京阪快速特急洛楽は京橋ー三条で38分です。単純比較はできませんが、停車駅が多いので所要時間は長くなりがちです。

京都河原町駅周辺はホテルが多く、百貨店もあり、観光拠点として抜群の立地です。道路が渋滞しやすいのが難点ですね。大阪から京都市内の北よりに直接入れるメリットは大きいです。

「京とれいん 雅洛」

「京とれいん 雅洛」は週末のみ運行される、全席自由席の快速特急です。

2011年に誕生した京とれいんのコンセプトを受け継ぎ、阪急7000系を改造して2019年に誕生しました。1編成しか無いようで、便数が限られます。

「乗車したときから京都気分」がコンセプトだそうで、その理屈でいくと大阪梅田駅から乗車するのが正当な乗車と考えられます。

阪急電鉄の紫色の車体と、京都らしい雰囲気をマッチさせた車両になっています。

6両編成で、全ての車両の内装が異なります。6つの季節をイメージしているそうです。

こちらは秋をイメージした先頭車両で、ボックス席になっています。

2丁目は冬をイメージした車両で、ロングシートの席になっています。

早春をイメージした6両目のボックスシートです。

京都河原町駅の京とれいん雅洛

乗車したいイメージの車両に乗る必要があるので、事前に情報収集が必須ですね。席の予約ができないので、早めに並ぶ必要があります。大阪梅田駅より京都河原町駅の方が競争率が低そうです。

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まとめ

2024年夏の阪急電鉄 指定席「PRiVACE」と「京とれいん 雅洛」を紹介しました。PRiVACEは静かでゆったりのんびり過ごせます。京とれいん 雅洛は華やかな京都気分を味わえますが、利用者が多く予約ができないのでせわしない印象があります。

阪急沿線(特に三宮方面)は高級住宅街のイメージがあります。その一方で、指定席が無いので特急列車でも座れないことが多く、住んでいる方々のイメージと乖離します。

今回の指定席も京都線だけです。本当のお金持ちは電車に乗らないのかもしれません。私鉄各社は客単価の向上に力を注いでいるので、徐々に導入路線が増えてくることを期待しましょう。

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