はじめに
旅行が大好きのタビズキです。今回はブルートレインの旅記録です。2009年に東海道・山陽本線のブルートレインが全廃されたのに続き、2010年3月には上野ー金沢を結んでいた寝台特急「北陸」ならびに、定期列車としての夜行急行「能登」が廃止されました。
今回の乗車記録は2010年2月のものです。寝台特急「北陸」が廃止される1月前の体験記になります。
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金沢駅で寝台特急「北陸」に乗車
今回のスタートはJR金沢駅です。私は関西在住なので、大阪からJR特急サンダーバードに乗車し、金沢に向かいました。
上野にも金沢にも用事があるわけでなく、観光の予定もありません。今回の旅は寝台特急「北陸」に乗るそのためだけです。2015年の北陸新幹線開業をひかえて、2010年3月をもって金沢ー上野間を結ぶ定期優等列車は廃止の予定が発表されていました。
実は、北陸に乗るために、今回以前にも2度予約したのですが、2度とも運休してしまい、初めての乗車です。廃止が決まっていたのでかなり激戦の予約をなんとか入手したチケットでしたし、運休するとサンダーバードの予約分は払い戻し手数料がかかってしまうので、当時の私にとってかなり痛かったと記憶しています。
サンダーバードは風雪の影響で遅延・迂回・運休が多いので、冬場の利用はドキドキします。無事に金沢駅に来れてほっとしました。
寝台特急「北陸」は22時18分の発車です。大阪から金沢までのサンダーバードの所要時間は2時間40分くらいなので、仕事終わりに飛び乗っても十分間に合います。上野発の便にしなかったのは、上野発の方が激戦だったからです。
金沢駅は北陸新幹線開通前なので駅舎の改装前でした。サンダーバードは大阪から富山と和倉温泉まで直行運行されていた時代です。
6番線ホームに向かうと、寝台特急「北陸」は既に入線していました。客車はEF81形電気機関車で牽引されます。
行先表示幕はもちろん上野行きです。北陸本線・信越本線・上越線から上野を目指します。
客車側のテールマークです。
5番線に夜行急行「能登」が入線してきました。能登の方が3分先発ですが、同じく上野に向かいます。2編成ならんでいるのがいいですね。489系の鼻の長いボンネットが特徴です。能登も定期運行終了が告知されていたので(489系での定期運用は2010年3月で終了し、485系で2012年2月まで運行後に廃止)、鉄分高めの方々がたくさんいらっしゃました。
急行「能登」と特急「北陸」の運行体系は比較すると面白いです。上りの場合、能登は金沢22時15分発上野6時5分着(所要時間7時間50分)。北陸は金沢22時18分発上野6時19分着(8時間1分)。
同じ路線を走りますし、ダイヤグラム上もほぼ同じすじを走行します。停車駅は急行能登の方が6~7駅多いのに、急行能登の方が所要時間が短くなっています。下りも同じ傾向がみられますが、下りの方が両便ともに所要時間が40~50分くらい短くなります。
すじがほぼ同じで、急行の方が所要時間が短く、なぜか下り便の方が1時間近く所要時間が短くなるという現象はとても興味深いですね(特急北陸は長岡駅で機関車の付け替え作業時間が必要な影響もあるのでしょう)。
サンダーバードも含めて、3種類の優等列車が並んでいます。左の7番線に入線しているのは富山行きのサンダーバードです。
急行能登は、富山・直江津方面の速達電車としての利用もあったと思われますが、晩年は利用率が低迷していたようです。定期運行時代は半分くらいは自由席でしたが、2010年3月以降の臨時列車化後は全席指定になっていたようです。
6号車B寝台の個室ソロを確保していました。さっそく乗車です。
寝台特急「北陸」は14系客車で運用されています。通路は山側で、客室は海側になります。窓の外には489系能登の車内が見えます。
通路から階段を昇ってお部屋の入口へ向かいます。カードキーで鍵をかけることができます。
B寝台ソロはベッド以外のスペースがほとんどないです。個室利用できるだけコンパートメントの寝台よりましでしょう。
扉の傍にはちょっとした収納、照明や換気のスイッチ、コート用のフックなどがあります。
窓の反対側にはテーブル、照明があります。建造されてずいぶんたつので、どうしても内装の年季は目立ってしまいます。
客室は廊下より高い位置にあるので、窓を開けるとホームを見下ろす形になります。
車掌さんが改札が回ってきたときには、シャワー室のカードは売り切れでした。プロ(?)は入線してきてすぐに車掌さんのところに向かうそうです。私はプロではないので、シャワーカードを入手できませんでした。
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金沢駅を出発して上野駅へ
22時18分になり、列車は発車します。北陸本線を東に向かいます(金沢より東の区間は、2015年IRいしかわ鉄道に譲渡されています)。
JR七尾線との乗換駅である津幡駅に停車。
えーと、どうやら私は、車内で酒盛りを開始した模様です。とんでもない写真が残っていました。
おかげで、その後は熟睡。気が付けば群馬県高崎駅付近まで来ていました。列車は新潟県内の長岡駅で機関車の付け替えが実施され、車両の進行方向が逆になっています。
幸いなことに(残念ながら?)、列車の運行は順調みたいです。せっかくですから長く乗車していたいので、遅延してくれてもいいのに。
定刻の6時19分に上野駅に到着。上野駅から多くの寝台特急が出発していた時代に利用されていた13-17番線の櫛形ホームです。
機関車はEF64形電気機関車に付け替えられています。特急北陸はこのあと車両基地に回送され、機関車を前後付け替えられて、上野発の編成となって夜に帰ってきます。
先に出発していた急行能登も、まだホームに残っていました。金沢駅を特急北陸の3分前に出発したのに、上野駅に到着時は差が広がって14分前に先着です。どっちが特急かわからないですね。
朝早く到着したのですが、さっそく大阪に向けて帰ります。朝6時には東海道新幹線の運行が開始されています。2010年当時、上野駅から東京駅に向かうのは山手線か京浜東北線です(上野東京ラインの開通は2015年)。面倒ですが、東京駅で乗り換えるとしましょう。
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まとめ
2010年廃止直前の寝台特急「北陸」の乗車記録でした。2015年に北陸新幹線が開通し、東京ー金沢間の所要時間が、8時間から2時間30分に短縮されています。これだけ差があると、寝台列車も無くなりますよね。ブルートレインファンとしては残念ですが。
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