【世界一周解説編2】世界一周航空券の種類ー中級編ー

世界一周航空券とは、地球を西方向あるいは東方向に一周して出発地に戻ってくることのできる航空券です。①アジアかオセアニア、②ヨーロッパかアフリカ、③南北アメリカの3地域に最低1回は降り立ち、太平洋と大西洋を1回ずつ横断すると世界一周したことになります。

そんな世界一周航空券に関して、さらに深く解説していきます。

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世界一周航空券の詳しいルール

前回は世界一周航空券はアライアンス連合が共同して発行しているものであり、マイル制あるいは大陸制で値段設定されており、全部で3アライアンスで4種類あることを説明しました。

そしてファーストクラス、ビジネスクラス、エコノミークラス(一部はプレミアムエコノミークラス)の設定があり、それぞれのクラスのフライトを16便まで予約して、世界一周するルートを決める必要があることも説明したと思います。

各アライアンスごとに細かいルールがありますから、すべてのルールを網羅するとたいへんなことになるので、ざっくり共通のルールを並べていきます。

1.必ず途中降機(ストップオーバー)が必要

途中降機とは空港で降り立った都市に24時間以上滞在するということ。ある意味当たり前ですが、飛行機ばかり乗っていないで、ちゃんと旅先で滞在する必要があるということです。全て乗り継ぎだけで世界一周してはいけないのです。

航空券ごとにルールが微妙に違いますが、最低2あるいは3回のストップオーバーを義務付けられています。そのため、どんなに急いでも世界一周に5日間程度は必要です。ストップオーバーの上限は15回ですが、16区間しか飛行機に乗れないので当たり前ですね。

2.クラスの設定がなければダウングレード

便によってはファーストクラスやプレミアムエコノミークラスの設定がないことも多いです。なければ、ファーストならビジネスに、プレミアムエコノミーならエコノミーにダウングレード予約が必要になります。空席がない場合も同様です。ちょっと損した気分になりますね。

ファーストクラスを設定していない便は非常に多いです。フィンエアーに至っては、すべての便にファーストクラスがありません。ですから、ファーストクラス世界一周航空券を購入しても、実質半分以上はビジネスクラスになります。

例外もあります。アメリカ国内線に関しては、アメリカン航空やユナイテッド航空でビジネスクラスがない場合、ファーストクラスの予約が可能です。ただし、アメリカの国内線におけるファーストクラスは、ほとんどビジネスクラス相当の設備といっていいです(それ以下のこともあります)。

3.航空券購入時には税金や施設使用料が必要

世界一周航空券は16区間までの飛行機を予約して搭乗できる権利ですが、税金や施設使用料が別途必要になります。これは、航空券購入時に必要です。最初に想定していた以上に費用がかかることがあります。

施設使用料が高くて有名なのは、ロンドンのヒースロー空港です。さらに、この空港は搭乗クラスに応じて施設使用料を上乗せするので、ファーストクラスやビジネスクラスを多用する予定の場合、ロンドンに近寄るとコストが跳ね上がります。乗り継ぎだけなら、ヨーロッパではパリやフランクフルトなどのハブ空港を利用するほうがお得です。

燃料サーチャージも原則必要です。燃料サーチャージは飛行距離に応じて負荷されます。便数や搭乗距離を短くするほど安くすみます。スカイチームの航空券のみ燃料サーチャージが含まれています。石油が高騰すると、スカイチームがお得になります。

4.一度立ち寄った大陸は、別の大陸に移動すると戻れない

世界一周航空券は、西あるいは東の一方向に進み続けるのが原則です。そのため、一度立ち寄った大陸には戻ることはできません(最終的には、出発した大陸に戻ってきますが)。

これも例外があります。ワンワールドの大陸制航空券(ワンワールドエクスプローラー)における北米と南米間、欧州とアフリカ間です。北米や欧州を乗り換えのために使用する限りにおいて、戻ることが可能です(南米やアフリカに入る際と出る際のどちらか一方で、乗り換えのために使用することが条件なので、入る際に乗り換えのみで使用したのなら、出たときはストップオーバーも欧州周遊も可能です。ああややこしい)。

5.ルート変更には手数料が必要

世界一周航空券は購入時にルートが決定されています。出発後にルート変更が必要な場合、手数料が発生します。スターアライアンスでは1回につき125USドルと高額設定です。なにより、変更するには空港あるいは現地航空会社に電話する必要があり、母国語以外で交渉するのはかなりハードルが上がりますし、ミスの原因になります。フライトの遅延でやむをえない場合を除き、ルート変更はしない方が無難です。

6.共同運航便は使用できない

共同運航便とは、他社運行便に自社のフライト名をつけている便のことです。運行会社側には座席が多く売れるメリットがありますし、もう一方の会社も自社の苦手な地域にリスク少なく顧客を運送できるメリットがあります。

航空会社によっては、アライアンス以外の会社の便で共同運航便を設定していることがあります。たとえば、JALの場合、羽田ードバイ間にエミレーツ航空運行便に共同運航便を設定しています。世界一周航空券では、このような共同運航便を選択することはできません。JALはワンワールドに所属していますが、ワンワールドの世界一周航空券ではJALの羽田ードバイ便を使用することができないということです。

7.最低有効期間を超える日数が必要

世界一周航空券は最長で出発から1年間有効ですが、最低有効期間が設定されています(ワンワールドの世界一周航空券は設定されていません)。スターアライアンスのエコノミークラス以外とスカイチームの世界一周航空券の場合、最低10日間は必要になります。この10日間の計算の仕方が、いまいちよくわからない理由で特殊なので、とりあえず出発日を含めて11日間必要と認識していただければ結構です。スターアライアンスのエコノミークラスでは3日間(なので出発日を含めて4日間の旅行期間)ですが、普通に旅行すればそのくらいは必要ですよね。

旅行期間が11日となると、平日5日しか休みを取れない場合、3連休をうまく使っても平日5日+土日祝5日で10日となりうまくいきません。どうしても休みが取れない場合、世界一周航空券を2回に分けて使うことをお勧めします(詳しくは上級編で)。

8.オープンジョーは1区間扱い

オープンジョーとは、飛行機に乗らずに別途自分で手配した移動区間のことです。たとえば、日本からロンドンに飛行機で向かい、次にパリまで自分で購入した切符で電車移動し、次にパリからフランクフルトに飛行機で飛んだとします。このときロンドンとパリの間の区間を各自手配区間(オープンジョー)と言います。チケットに書かれていない区間なので、サーフェイス区間とも呼ばれるようです。オープンジョーの語源を知りたい方は、Wikipediaで調べてください。

オープンジョーは自分で移動手段を手配するにもかかわらず1区間扱いとなります。正直もったいないです。さらに、スターアライアンスやスカイチームでは、総マイル数に組み込まれますので、搭乗可能距離が減ってしまいます。逆に考えると、各自移動区間を設定することは可能と言うことなので、効率よく旅行するために、ここぞという時に利用しましょう。

ここまで、全体的な詳しいルールを説明してきました。次回は世界一周航空券をどう有効利用するかを解説したいと思います。

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