【世界一周解説編58】ANAとIHGのステータスマッチ開始 せっかくの試みですがIHGステータスに旨味が少ないかな

2026年11月6日、ANAとIHGが包括的提携を発表しました。ステータスマッチも含まれます。原則として2027年1月から利用可能です。

ANAは言わずとしれた国内航空会社の雄で、IHGはインターコンチネンタルをはじめとした外資系ホテルのトップブランドです。以前から強い提携のあった両グループですが、2026年7月に発表されたJALとマリオットの提携に対抗してさらに強い提携に踏み込みました。

今回はその提携内容の解説したいと思うのですが、今回のANAとIHGの提携はメリットに乏しく、総合的にみると改悪とも受け取れます。

ANAとIHGの包括提携のまとめ

主な内容は以下の通り

①ANA→IHGステータスマッチ
②ANAマイルとIHGポイントの相互交換
③(海外在住者限定)ANAフライトでANAマイルとIHGポイントダブルディップ
④IHG宿泊時のAMC会員用プラン(SFCやダイヤモンド会員用など)の廃止
※ANAやIHGのHP上では、ステータスマッチを「ステイタスマッチ」と表現されます。

③は私たち日本在住日本人には関係ないので、改定ポイントは実質3点です。

ANAマイレージクラブ(AMC)会員からIHG One Rewards会員へのステータスマッチ
AMC マッチされる
IHG会員
付与宿泊実績 備考
一般会員 クラブ 5泊
AMCブロンズ シルバーエリート 10泊
AMCプラチナ ゴールドエリート 20泊 マイルストーン特典あり
AMCダイヤモンド ゴールドエリート 38泊 2泊するとIHGプラチナ
AMCダイヤモンド+More プラチナエリート 68泊 2泊するとIHGダイヤモンド
(参考)IHGアンバサダー会員(要年間225USD or IHG45,000pts) プラチナエリート 0泊 インターコンチネンタルホテル週末2泊目無料

AMC会員にとって、IHGのステータスを獲得できるだけでなく、宿泊実績も獲得できるためさらに上位のステータスを狙えます。また、20泊以上の宿泊実績ではマイルストーン特典が得られるのもメリットです(20泊以上10泊毎に1つ選択獲得可)。20泊だとスイートルームアップグレード(1泊分のみ)がおすすめです。

陸マイラーに多い「SFC&アンバサダー会員」には、宿泊実績20泊獲得はメリットですが、SFCプラン剥奪(後述)はデメリット、総合して改悪と考えられます。なお、IHG→ANAのステータスマッチはありません。

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ANAマイルとIHGポイントの相互交換

以前からIHG One RewardsポイントをANAマイルに交換することができましたが、2027年2月からANAマイルをIHG One Rewardsに交換できます。

ANAマイル→IHG One Rewards 5,000マイル→10,000pts (2pts/1マイル)
※2027年2月から
IHG One Rewards 10,000pts→ANAマイル 2,000マイル (0.2マイル/1ポイント)
※従来から交換可能

一般的にIHG One Rewardsは1pts=0.5~0.6円、ANAマイルは1マイル=2円くらいで評価されます。どちらの交換も目減りしている印象なので交換するケースは限定されます。

(海外在住者限定)ANAフライトでANAマイルとIHGポイントの二重取り

う~ん、すごいことのように発表されていますが、条件が厳しすぎて私たちには関係ないプログラムです。

ANAマイルとIHGポイント 二重取り要件
・日本国外在住であること
・ANA運航便でANA便名であること
・海外発券であること
・2027年1月以降のフライト
・AMCとIHG One Rewardsの連携済み

海外駐在の方や海外留学生のみクリアできるプログラムです。ユナイテッド便などの共同運航便もダメなので使いづらいですね。

IHG宿泊時のAMC会員用プラン廃止

AMC会員に提供されている下記プランが廃止されます。

国内IHGホテル宿泊代割引(5~10%) :ANAマイレージクラブ会員
国内IHGホテルでの飲食代割引(5~10%) :ANAダイヤモンド、プラチナ、SFC会員
朝食無料・ウェルカムドリンク付きプラン
:ANAカード(一般カードを除く)会員 SFC会員

※予約2027年2月28日まで、利用2027年10月31日まで

私はIHG飲食代割引やSFCプランを愛用していました。ANA会員(特にSFC会員)がIHGグループ宿泊メリットがほぼ無くなってしまいましたね。

ANAステータス別 メリット・デメリット

ANA会員別に、今回の提携メリット、デメリットを評価してみました。

AMC 非アンバサダー会員 アンバサダー会員
(IHGプラチナ会員)
一般会員 クラブ
5泊付与
〇
宿泊実績分お得
×
宿泊割引プラン剥奪
ANAカード会員 クラブ
5泊付与
△
割引プラン剥奪
×
宿泊割引プラン剥奪
AMCブロンズ シルバー
10泊付与
△
宿泊実績10泊は大きい
×
宿泊割引プラン剥奪
AMCプラチナ ゴールド
20泊付与
〇
マイルストーン特典
△
マイルストーン特典
平SFC会員 クラブ
5泊付与
×
SFCプラン剥奪
×
SFCプラン剥奪
AMCダイヤモンド ゴールド
38泊付与
〇
マイルストーン特典
△
マイルスト―ン特典
AMCダイヤモンド+More プラチナ
68泊付与
◎
ダイヤモンド目前
〇
ダイヤモンド目前

IHGプラチナの特典は宿泊時のポイント増量とアップグレード(空室状況次第)ぐらいです。IHGダイヤモンドになるとようやく朝食無料特典が付きます。ラウンジ利用は宿泊実績40泊のマイルストーン特典で選択可能です。

今回の改定におけるキーポイントは①SFCプランを重視しているか、②アンバサダー会員(IHGプラチナ会員)であるか、の2点です。

SFC会員への影響

従来のSFC会員はAMCプラチナと同等の価値がありました。今回のステータスマッチではSFC会員のメリットを極力削ぎ落して特典付与がありません。AMCの一般会員と同等の立ち位置になっていますね。SFC会員にとってメリットは全くありません。

IHGアンバサダー会員への影響

IHGアンバサダー会員にはIHGプラチナ会員が付いています。AMC会員用の宿泊プランが剥奪されて宿泊実績が付与された形です。AMCブロンズ会員以下の方にとってメリットはありません。プラチナ会員にとってはマイレージストーン特典が1つ付与されますが、宿泊プラン剥奪で総合的には改悪の印象です。

逆にAMCダイヤモンド会員には2泊するとプラチナ会員(年間ラウンジメンバーシップを選択可)が付与されるので、アンバサダー会員であるメリットがほとんど無くなってしまいました(特にインターコンチネンタルホテルに宿泊しないなら不要な資格です)。

AMCダイヤモンド会員への影響

AMCダイヤモンド会員は2泊すれば40泊のマイレージストーン特典(年間ラウンジメンバーシップを選択可)をゲットできますし、+Moreだと2泊でIHGダイヤモンド会員に到達します。先述しましたが、アンバサダー会員がほぼ不要になります。

今回の改定の対策

今回の改定におけるデメリットは宿泊割引プラン剥奪ですね。これを他の割引プランで代替する必要があります。

一番手っ取り早いのはANAの株主優待ですね。ANA・IHGホテルグループ(ANAが冠されているIHGグループホテル)では宿泊20%オフ、飲食10%オフの特典が付きます。AMC会員用のプランより割引率が高いのでおすすめになります。

まとめ

2027年1月からANAとIHGの大型包括提携が開始されます。AMCダイヤモンド会員にとってはメリットが大きく、非アンバサダー会員には悪くないと思います。

ただし、SFC会員、IHGアンバサダー会員にとって改悪の印象です。陸マイラーに多い両方のホルダーにとっては「なんじゃこりゃ」のレベルで、SFC会員の価値がさらに下がってしまった印象です。ANAとしては、売上に貢献しないSFC陸マイラーより実際に収益をもたらしてくれているAMCダイヤモンド会員を優遇する方針を明確にするメッセージでしょう。

ライバルとなるJAL・マリオット陣営の提携との差は明白です。2026年に発表されたJAL・マリオット間の提携では「相互ステータスマッチ」で改悪ポイントはありません。既存のIHGステータス会員に対するメリットはありません。JGCの価値は下がらず、SFCの価値が下がりました。この差は大きいと思います。

ちなみに、2026年現在、フライング・ブルー(スカイチーム エールフランス・KLMのマイレージプログラム)ではJALやANAからの有料ステータスマッチが実施されています。こちらも注目ですね。

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