2025年スターアライアンス世界一周運賃(世界一周航空券)ビジネスクラスの旅、第12回です。
これまでの記事で、南半球の観光を終えていったん日本に戻り、冬に入ってから日本を再出発しました。前回の記事で関西空港からターキッシュエアラインズでトルコ・イスタンブール空港で乗継、オーストリア・ウィーン空港にやってきました。
これからオーストリア・ウィーン空港からザルツブルクに向かう予定ですが、これが非常にややこしいくて大変でした。特急列車をフライト扱いとする現行制度は無理がある気がします。今回の記事は、AIRailの利用にまつわる悲喜劇と、その愚痴です。
世界一周2025(スターアライアンス世界一周運賃)の最初の記事はこちら↓
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AIRailのチケット発券は大変だった
今回、ウィーン空港駅からオーストリア国鉄レイルジェットでザルツブルクに向かいました。単純に鉄道チケットを購入して乗ったのではなく、世界一周航空券に組み込まれた「鉄道をフライト扱いとして乗車する制度」を利用しました。これが、異常に大変で、「二度と航空会社経由で鉄道チケットを購入しない」と固く誓った旅になりました。
今回利用したのはAIRailです。AIRailとはオーストリア国鉄の列車(主にRailjet)をフライト扱い(オーストラリア航空の共同運航便)として販売するシステムです。ルフトハンザ航空とドイツ国鉄もルフトハンザ・エクスプレス・レールとして列車の席を販売していますが、ほぼ同じです(そもそも同じ予約システムを利用しているみたいです)。
2026年1月28日、日本でもJR東日本とJALがタイアップしてJR列車をコードシェアフライトとする計画が発表されました。AIRailのような運用実態にならないことを期待しましょう。
AIRailを利用する場合、航空会社でオンラインチェックインをするとチケットが発券され、自動的に席が予約されるシステムになっています。オンラインチェックインができることが前提であり、オンラインチェックインさえできれば非常に利用しやすくて問題も生じないと思われます。
AIRailは「予約時の便名に記載された航空会社の運航するフライト」扱いになります。そのため、マイルもスターアライアンスのマイレージポイント(ANAの場合はプレミアムポイント)も加算されます。どうせ列車に乗るなら加算される方がうれしいので、利用を検討したくなります。
今回はAIRailを利用することになっていました。すでに書いたように、オンラインチェックインすることが前提のシステムです。システムの不具合でオンラインチェックインができなかった場合、どうしようもなくなってしまいます。
そもそも、世界一周航空券の発券時に事前オンラインチェックインが必要という情報提供がなされていないし列車のチェックインカウンターがどこになるかも明示されていません。ルフトハンザ航空やスターアライアンスのシステムがポンコツなので生じた悲喜劇です。
AIRailを巡るツッコミどころ満載の悲喜劇
今回のスターアライアンス世界一周航空券で購入していました。予約していたルートは、ターキッシュエアラインで大阪関西→イスタンブール→ウィーン→ザルツブルク(ウィーン→ザルツブルク間がAIRail)です。いずでも乗り継ぎ時間は3時間以内のフライトです。

いずれも座席指定済みのフライトです。AIRail便も書類上は世界一周航空券を購入時に座席指定できていました。不思議なことに、オーストリア国鉄のビジネスクラスに相当する一等車は1列1-2の3席で設定されていますが、座席指定時の「機内マップ」は2-2の4席でした。システムの設定が最初から間違っていますし、後で説明しますがこの座席指定は意味がありません(画像では1Aの席が指定されていますが、そんな席は存在しません)。この旅程表記だと「ターミナル3から出発する通常のフライト」のように思っちゃいますよね(私は鉄道好きなのでいろいろ知ってたからわかったけど)。
さて、一般的に搭乗するフライトに24時間以内の乗り継ぎフライトが連続してある場合、乗り継ぎ先のチケットも同時に発券されます。チケットが発券されれば、乗り継ぎ空港でそのまま乗継便に乗れます。
日本から出発するにあたり、関西空港で自動発券機で搭乗券発券を試みさっそくダメでした。乗継3便目(つまりウィーン→ザルツブルク間のチケット)の座席確認に入った時点でエラーが出て進めなくなりました(何度か試したけどダメ)。出国便すら搭乗券を発券できなかったので、有人チェックインカウンターに並びます。列に並んでいる間にターキッシュエアライン公式HPでオンラインチェックインを試みましたが、「予約番号が違います」と受け付けてもらえませんでした。

関西空港の有人チェックインカウンターでチェックインして搭乗券を発券してもらいました。搭乗券は最初の2便(ウィーンまでのフライト)のみ発券されました。違和感があったので、「ウィーンから先のチケットはここでは発券されないのですが」と尋ねたところ、「ウィーンで発券になります」と言われました。
おそらく間違っていると思いましたが(関西空港の地上係員は関西空港のスタッフが代行しているので、詳しくわからない&システム上うまく発券できなかったのでしょう)、とりあえず引き下がりました。ウィーンまでは行けそうですが、その先が不安な状況です。AIRail便のチェックインが完了していない可能性が高そうです。
もう一度、ターキッシュエアラインズの公式HPでオンライン発券を試みましたがダメでした。相変わらず「予約番号が違います」と受け付けてもらえませんでした。すでに2便目までチケットを発券済みなので航空券番号がわかります。航空券番号でチェックインを試みると「必要な情報が不足していて発券できません」と出ました。これ以上は無理みたいです。
AIRailはオーストリア航空便扱いです。オーストリア航空の公式HPでオンライン発券を試みたところ、なぜか予約番号入力後にターキッシュエアラインズの公式HPに強制的に遷移します。何度試みてもターキッシュエアラインのHPに遷移してしまいます。ターキッシュエアラインズHPではオンラインチェックインができないのでどうしようもありません。
ただ、最悪の場合でも列車のチケットを別に購入すれば(そんなに長い距離でもないし)、旅自体は問題なく継続できます。ノーショー(無断キャンセル)扱いになってその後の旅を継続できないリスクは残りますが、あまり焦ってばかりでも旅は面白くありません。ここは開き直ってやれることをやっていくだけです。
オーストリア国鉄の公式HPを確認してみましたが、AIRailチェックインのサイトは無く、どうやっても無理そうでした。オーストリア国鉄にはチェックインカウンターは無いですし(国鉄の有人チケット売り場はありますがたいてい長蛇の列です)、なんとかオンラインで決着をつけたいところです。
次にスターアライアンス世界一周航空券を販売しているルフトハンザ航空の公式HPで挑戦してみましたがダメでした。結果はオーストリア航空のHPと同じで、ターキッシュエアラインのHPに遷移します。ターキッシュエアラインズの公式HPでチェックインできない以上、オンラインチェックインができるすべはなさそうです。
やれることはいろいろ試しておこうと、あまり関係ないのですがエアカナダの公式HPで予約確認してみると、「運航航空会社で発券するように」と表記が出て、今回のチケットの予約番号が会社別に表記されました。それによると、なぜかターキッシュエアラインズのみ世界一周航空券に記載された予約番号が違っていることがわかりました。なぜ1社だけ予約番号が違うのかという疑問もありますが、その予約番号があればターキッシュエアラインズHPで予約確認できそうです。
ターキッシュエアラインズHP上でエアカナダから入手した予約番号を入力すると、とりあえず予約の確認まで進むことができました。関西空港からザルツブルクまでの3フライトのみが表示されました。ただし、オンラインチケットを表示するボタンを押すと、「必要な情報が不足しています」が出てアウトです。
やはり、ターキッシュエアラインズでチェックイン&発券しないとどうにもならない雰囲気です。関西空港のチェックインカウンターはあてになりません。乗継先のイスタンブールでターキッシュエアライン乗り継ぎカウンターに立ち寄ると、あっさりAIRailの搭乗券が発券されました。

これで、少なくともこれでチェックインができたことになります。ただし、席は指定されていない状態です。
さあ、今度は席の確認です。世界一周航空券の旅程表でもANAのアプリでもAIRailの席は1Aと表記されていますが、そんなはずはありません(オーストリア国鉄列車の席番号にアルファベットは用いられていません)。オーストリア国鉄のレイルジェットのファースト(一等席)は1-2の1列3席です。そもそもが間違っています。
再度ターキッシュエアラインHPにアクセスすると、やはり「必要な情報が不足しています」の表示で席の指定はできません。どうしてもダメなのでしょうか・・・。
次にオーストリア航空のHPにアクセスしたところ、今までと違いました。予約確認画面に入ると、「このチケットはルフトハンザ航空によるものなのでルフトハンザ航空へ」と表示されました。ちょっと反応が変わってきましたね。
さてルフトハンザ航空のHPで予約確認を試みたところ、ようやく席が確定し、メールで送られていきました。なんか、ムリゲーに近いですね。オーストリア航空便だったらオーストリア航空のHPでサクッとチェックインできるようにするのが筋でしょう。運航会社が責任をもって搭乗手続き~運航までのサービスを提供するのが航空会社の世界的ルールです(鉄道だろうがなんだろうが、運行会社がオーストリア航空になっているのならもちろんオーストリア航空が終始実施すべき)。

ちなみに運航便名のオーストリア航空便名は表記されていますが、肝心のオーストリア国鉄の列車名はどこにも書かれていないので、出発時間から列車を探さないといけないという面倒な作業が残ります。まあ、なんとかわかりますけどね。これでなんとか列車に乗れそうかな。
当然ですが、列車の席番号にはAとかBとかありません。(上記画像では隠していますが)「26号車の82」みたいな表記になります。
ただ、これで終わりませんでした。最後にめちゃくちゃなトラップが待っていました。

ウィーン空港駅で便を待っていると、定刻に列車がやってきました。見ての通り7両編成です。さて乗車する号車は・・・無い! 列車に全て30番台の号車番号が振られていましたが、私の乗車するのは20番台です。なんと乗車する車両が無いという無茶苦茶な状況になりました。
オーストリア国鉄の駅員さんに席を聞いても「知らん」と。知らんじゃないやろ!
オーストリア国鉄は(ドイツ国鉄もそうですが)、指定席予約が無くても乗車可能なので、とりあえず乗ってやろうと乗り込みました。予約の無い空席があれば、予約した席が無くても乗車券があれば利用可能です。

乗車した車両は全席予約が入っていたのですが、とりあえず「LAST MINUTE RES」の表記の席に座りました。LAST MINUTE RESは鉄道にデータが送られる際に席が簡易的に抑えられていることの表記です(予約の最中など)。その後、予約されたかもしれないし、予約に至らなかったかもしれないので、実際に席に人が来るかどうかはわかりません。
でも、来ちゃいましたね。残念。とりあえず、途中駅から予約されている別の席に移りました。
余談ですが、後ろの方が4人くらい「オーバーブッキングだ」と嘆いていました。席が他のグループと2重に予約されていたようです。これはオーストリア国鉄の(ドイツ国鉄も)あるあるです。日本の鉄道ではまず見かけない現象ですね。航空会社でも同じ席を二重に発券することはさすがにしません。
ウィーン空港駅を出てウィーン中央駅を出発した後くらいに検札が回ってきました。「この号車どこ?」って聞いたら、「あー、後ろの編成の列車だねえ」と。どうやらウィーン中央駅から20番台の号車が連結されたようです。だから、ウィーン空港駅―ウィーン中央駅間は席が無いことになります。席が無いチケットを販売するなよオーストリア国鉄!(いや、ルフトハンザ航空かオーストリア航空かどの会社が悪いのか知らんけど)。下車時に列車を見てみると、乗車時に無かった編成が後ろに付いていました。
念のために、VIE→ZSBのチケットを確認しましたが、ウィーン中央駅ではなくウィーン空港駅の出発時刻が書かれていたので、航空会社が存在しない席を空売りしたことは間違いないですね。ひどい話です。
AIRail運用の問題点
AIRailはオンラインチェックインすることが前提で運用されています。世界一周航空券によるAIRail利用では、その前提情報すら提供されない非情な運用です。発券時に座席指定しているのに意味が無いというわけのわからない設定です。
さらに、オンラインチェックインができない場合(できなかったのもシステム側の問題ですが)の救済ルートが全く確立されていないのが問題です。そして、どこが責任をもって管理しているかブラックボックスなのも困ります。
まず何らかの形でチェックインしないと席の確定に進めないようです。チェックインさえできれば、(なぜかルフトハンザ航空が)席の確定をしてくれました。おそらく最終責任はルフトハンザ航空にあったものだと思われます。オーストリア国鉄が運行するオーストリア航空便の責任がルフトハンザ航空にあるということを誰が想定できるでしょうか。
今回私は席の確定に至るまで、スターアライアンス系航空会社を総当たりでチェックしましたが、普通はしないでしょうね。私以外だと泣き寝入りになったケースかもしれません。チケットがもらえないのにチェックインしていないからノーショー(予約の無断キャンセル)扱いになるという散々な結果が生じた可能性もあります(フライトのノーショーではペナルティが課されることがあります)。
昨今の航空会社は電話オペレーターがほとんど用意されていないので、オンラインでダメだとどうにもならないケースが多いです。4半世紀前にはリコンファーム(出発前の搭乗再確認の電話)が必要という面倒な時代がありましたが、当時は電話がつながりやすかったので不具合の相談もできました(外資の場合、英語で電話する必要があり、これはこれで大変でしたが)。2026年現在、ステータス会員でも電話相談はスムーズにできません。
今回の悲喜劇で、適切に対処できなかった人(システム)を順に挙げていくと、
●ターキッシュエアラインのシステム
→関西空港でオンラインチェックイン機のシステムエラー、予約番号が当該社だけ別、航空券番号や予約番号が適切でもオンラインチェックイン(発券)できない。
●関西空港の地上チェックインスタッフ
→AIRailが発券されないのにそれをスルーした
●オーストリア航空のシステム
→自社便名のチケットを発券できない オンライン以外の救済措置がない
●ルフトハンザ航空のシステム
→世界一周航空券購入時の座席指定に意味がない(というか虚偽記載だよね)。予約した便のチケットをオンラインチェックインできない(オーストリア航空便名なので情状酌量の余地あり)、席のないチケットの空売り(これはダメ)。
●オーストリア国鉄のシステム
→いつも変わらずオーバーブッキングなどのシステムエラーだらけ
●オーストリア国鉄の駅係員
→予約席が無いのに知らんは無いだろう
とまあ、登場人物(システム)がすべてポンコツでどうにもならない状況でした。ただ、グッドジョブな人(システム)もありますよ。
〇ターキッシュエアラインのイスタンブール乗継カウンター係員
→拙い英語の渡りの言葉をちゃんと聞いて理解してくれてAIRailのチケットを発券してくれた。
〇エアカナダのシステム
→ターキッシュエアラインの予約番号を教えてくれた。世界一周航空券のフライトのは同じ予約番号と思っていた(ルフトハンザ航空から送られた旅程表にも予約番号は1つしか記載されていなかった)ので、一つの突破口になった。
不幸中の幸いですが、時間を持て余した機内で無料WiFiが利用できる環境にあったので、いろんなサイトにアクセスして調べることができました。海外旅行では時間もネット環境が無い状況の方が多いので、今回のように解決できることは少ないと思います。結局、どうするのが正解だったのかすらわかりません。
以上を踏まえて、私の言えることは1つ。
AIRailは使ったらあかん。
以上です。ほんと、大変。リスクが高すぎるので、もう二度と使いません(普通に列車予約する方が無難です)。

