はじめに
今回はJR東海名松線の終着駅、伊勢奥津駅を訪問しました。
名松線は、三重県の名張-松阪間を結ぶ予定だった路線のようですが、伊勢奥津駅までしか開通せずに現在に至っているようです。そもそも伊勢奥津駅はかなり南に位置しているので、本気で名張を目指していたのか疑わしいです。
2009年に発生した水害の影響で、名松線の家城駅ー伊勢奥津駅間が長期運休となっていたのですが、2016年3月にようやく運行を再開しています。災害運休路線は日本全国的に廃線になるケースが多いのですが(JR東日本の岩泉線など)、名松線は周辺自治体の援助もあり、なんとか復旧を果たしました(さすがJR東海、お金持ちです)。
今回は伊勢奥津駅を訪問してきました。いつもは列車の旅なのですが、ドライブ中に訪問しただけです(フェアフィールド三重おおだいに宿泊した帰り道です)。鉄道に乗らずに駅を訪問するのは、私の哲学としては無しなので(乗り鉄的プライド&鉄道会社さんに申し訳ない)、今度の旅行では飛行機ではなく東海道新幹線を使うようにします_(._.)_。
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伊勢の山の中へ 伊勢本街道をゆく
伊勢奥津駅は、三重県の県庁所在地である津市にあります。という風に書くと、ある程度街中のように感じますが、実態は完全に山の中です。平成の合併ブームで津市になりましたが、もともとの所属は美杉村です。
JR東海の名松線の起点である松阪駅から見て、伊勢奥津駅は真西に位置します。鉄道路線は、なぜかかなり北に迂回し、途中で南下する半円を描いています。
松阪から車で行くなら、国道368号線になります(伊勢本街道)。大阪から伊勢に向かう参宮街道なのですが、車で行くとなるとかなり厳しい道のりです。特に、仁柿峠と呼ばれる区間は俗に「酷道」と呼ばれるにふさわしいひどさです。
急カーブの連続、道幅は狭い、高低差が激しい(だから燃費が最悪)。こんな道を好きな人はいないと思うのですが、ツーリングバイクの方を多数見かけました。車で走っていると、猛スピードでやってくるバイクは怖いですね(向こうもこちらが怖いと思いますが)。
この道の代替交通機関として名松線があるのなら、廃線という話は出ないのでしょう。ただ、津市市役所方面からの道(県道)は名松線と並行してかなり整備されています。最初から、津市方面まで北上すればよかったのですが・・・カーナビに騙された感じです。やはり3桁国道は信用できません。
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伊勢奥津駅
国道368号線も、松坂市内から津市内に入ると、ある程度道が整備されています。道の駅美杉あたりは、かなり走りやすいです。
伊勢奥津駅は国道から1本南側に入った県道沿いです。隣に観光案内交流施設(兼土産物屋)があります。
駅舎は2005年に建てられたらしいのですが、ずいぶんきれいですね。駅舎と地域住民センターが一体になっています。
駅に入ってみましょう。
駅は無人駅です。平成に建てられた駅舎ですが、木造です。
木製の駅舎ホームは1面1線。終着駅なので、車両止めがあって、線路はそこまでです。
ちょうど列車が入線してきました(時刻表をチェックしていなかったので、ほんとうにたまたまです)。
名松線は全線単線非電化です。キハ11形気動車300番台が使用されています。1両編成のワンマン運行です。
線路の終端側からみたらこんな感じです。
駅舎に戻ってみましょう。
時刻表です。2時間に1本程度運行。最終便は19時前です。
20時26分に到着する列車があるのですが、乗客扱いをせずに松坂まで回送されてしまい、そして朝一番の5時56分発が回送されてくるらしいです。片道1時間30分はかかるので大変だと思うのですが、せっかくなら営業運転すればいいのにね。
ちなみに、松阪駅まで回送する理由は、名松線で2000年代に2度にわたって列車が逸走(運転手がいないのに手違いで勝手に走り始める)事故を起こしたことらしいです。
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伊勢奥津駅前
駅前を見てみます。駅前には無料駐車場が10台分ぐらいあります。
観光案内板があります。伊勢奥津駅は、旧美杉村の中心地です。問題は観光地へのアクセスなのですが・・・
レンタカーショップは見当たりません。観光案内交流施設でレンタサイクルはありますが、アップダウンの多い山道は大変かも。頼みの綱のバス路線ですが・・・
津市コミュニティバスしかないので、旧美杉村近辺しかルートがありません。しかも曜日別運行なので、運行しない日も多いです。極めつけは、土日祝にバスの運行が無いこと。どうしようもないですね。
以前、テレビ東京系番組「ローカル路線バス乗り継ぎの旅 第11弾」を見たとき、名張から伊勢奥津駅にバス路線があったんですよね(2012年当時は伊勢奥津~家城駅間の鉄道運休中)。バス停を何度も見ても名張行きの時刻表が無いので調べてみたら、三重交通さんのバス路線が2021年3月に廃路線になったそうです。
2021年に「ローカル路線バス乗り継ぎ対決旅 陣取り合戦⑥in近畿」が放送されたのですが、その時は伊勢奥津駅近辺で津市コミュニティバスを利用していました。水・木にロケしていたそうですが、土日だったら完全に詰んでいたでしょう。よかったね、河合くん。
鉄道大好きのタビズキですが、ローカル路線バス乗り継ぎ対決旅は欠かさず見てます(笑)。
2022年現在、列車で伊勢奥津駅まできても、そこから移動できない、完全に行き止まり駅になってしまっていますね。
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まとめ
2022年春のドライブ中にふらっと立ち寄ったJR東海の伊勢奥津駅の紹介でした。ローカル駅にしてはきれいな駅舎と整備された駅前で好感の持てる印象ですが、なにぶん交通の便はかなり厳しそうです。
近くにはキャンプ場や道の駅などがあり、車で来ると楽しむことはできそう。公共交通機関がほぼ無いので、列車で来ると詰んでしまいますから気をつけましょう。
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