はじめに
日本最大のターミナルを抱える羽田空港。海外旅行や東京訪問の訪問客を多数抱えていますが、コロナ禍前と比べていろいろ改悪されている印象です。日本の玄関口としてこれでいいのか、以前と比べて2024年の「ちょっとこれは・・・」といった点を列挙してみました。ちょっと辛口です(個人的な愚痴みたいなものですが)。
※関西人ならではのひがみもあるのはご容赦ください。
遅延相次ぐフライトスケジュール
コロナ禍も終わり、海外便も多数復帰し、利用客数が増えています。
2019年は8,550万人だった利用実績ですが、2023年は7,870万人です。2024年は前年比104%ペースなので約8,200万人が見込まれます。2019年実績にはまだ及びません。
2022年の定時率(15分以上遅延しない率)は約88%で世界一位です。これは素晴らしい実績だといえます。2010年代も高水準の定時率でした。2023年は10位に転落しています。2024年はさらに悪化傾向で、フライト遅延が定常化しています。
遅延の原因は運航便数の増加でしょうか。実際、羽田便は「出発の順番待ち」「管制の指示待ち」「(羽田に向かう便の)羽田管制指示による出発待ち」などが多発しています。2010年代に旅客利用実績が追い付いていないのに、2010年代より遅延が増えています。マンパワー不足など、他にも要因がありそうですが、私は専門家ではないので細かいことはわかりません。
コロナ禍前に比べて、羽田便の所要時間が増え、定時率が悪化し、混雑度が上昇しています。羽田でスケジュールが乱れると、他の空港に波及して遅延が拡大、増幅します。
こんな状態なのに、就航便をさらに増やす方向みたいです。さらに遅延や混雑度がアップして、不安定になりそう。成田への振り分けは対策になるのでしょうが、航空会社はむしろ便利な羽田への就航を希望しています。そもそも成田の方が定時率は良くないですしね。
就航便は国がコントロールしているので、羽田の現状は国の責任が大きいと思います。でも、各航空会社もできることがあるよね、と言いたいです。これだけ恒常的に遅延してるんですよ。
・到着便と出発便間に時間的余裕を持たせる。
・遅延見込みがわかればもう少し早めに通知する。
・ターミナル間の移動をもう少し円滑にする。
経営上負担が増えてしまいますが、顧客に影響を与えて対策が無いのはどうかなと思います。コロナ禍前に比べて運賃を上げているので、そのくらいはしてほしいです(国際線はサーチャージが別途必要なので、運賃に関しては為替や原油価格上昇だけでは納得できませんよね)。
遅延はいろいろ理由があるでしょうし、天候が原因だと航空会社に非はないので許容せざるを得ません。やむを得ずフライトが遅延するとして、遅延の告知が遅いのは何とならないんでしょうかね。
フライトの遅延は、羽田のグランドスタッフはかなり前にわかっているはずです。大阪からの便のように近距離便からの折り返しでも、航空会社側は出発時刻の2時間以上前には遅延状況がわかるはずです(さらに遅延する可能性はあるでしょうが)。よく利用する路線なら、機材がどこから来るのか知っているので運行状況を確認するだけでわかります。
遅延はいろいろ理由があるでしょうし、天候などの要素だと航空会社に非はないのである程度許容せざるを得ないですが、それなのに、遅延の告知はだいたい1時間前以降で、ひどいときは30分前になってやっと遅延が通知されます。
大手航空会社は出発30分前にゲートに向かえとインフォメーションしていますが、30分前にゲートに来たら機材が到着していないのにまだ遅延の告知無しなんてこともあります。告知が無くても30分以内に出発できないのは一目瞭然。しかも、突発的な理由ではなく、「機材の到着遅れ」が原因のケースですよ。
遅延すれば乗継に問題が生じます。羽田は日本の玄関口なので、国際線ー国内線の乗継がある乗客が多いです。ターミナル間移動も時間がかかるので、乗継に失敗する可能性も出てくるでしょう。
羽田空港の国内線・国際線間MCT(最低乗継時間)は70~80分に設定されていますが、2024年現在の羽田空港ではMCTぎりぎりでは乗り継げないリスクが高そうです。私たちにできる対策は、できるだけ時間に余裕をもって利用すること。乗継に120分以上確保したほうがよさそうです。2024年現在の羽田空港にヘルシンキ空港やチャンギ空港並の乗継サービスを期待できません。
こうなってくると、日本の地方空港から羽田空港経由で海外に向かうこと自体がリスクになってきます。仁川、桃園、香港などの空港で乗り継いだ方が便利で安全かもしれません。地方空港の国際線就航便は原則的に海外航空会社ばかりなので、日本の航空会社のお客さんは減るかも。
厳しい言い方ですが、日本の航空業界全体が真面目に考えてほしいと思います。
自動手荷物預け「できない」機
ANAは2015年から、JALも2020年から、自動手荷物預け機を導入しています。羽田空港だけでなく、徐々に国内主要空港にも配備されています。
私はできるだけ預け入れしないようにしていますが、荷物が多い場合は預け入れします。わたしの飛行機搭乗回数はあまり多くありませんが、自動手荷物預け入れ機を使って手荷物を1回で預け入れできたことがありません(1度くらいできそうなものですが)。
・手荷物につけたバーコードがよみとれない。
・荷物が不安定である。
・サイズが大きすぎる。
全部、機械の問題です。バーコードが読み取れないなら、最初から手動で読み込ませてほしい(悪さをする人がいるのかもしれませんが)。荷物が不安定は意味が分からない(カウンターに持って行くとそのまま預かってもらえます)。サイズが大きすぎるって、ちゃんと制限内の大きさにしてるのに(機械のセンサーがダメダメ)。
JALでもANAでも、どっちの機械もいまいち。他の方の体験を聞いているとすごくスムーズなのですが、私は100%スムーズに終わりません(かなりの回数利用していますが、リアルにダメです)。
原因がよくわからないけど何回かやり直してOKのこともありますし、スタッフさんにやってもらってなぜかOKのケース、そもそも諦めてカウンターに持って行くことも。いつも預け入れだけで20分以上かかります。
最近は開き直って、とりあえず1回やってみてダメというルーティーンをこなしてから、「うん、今回もいつもどおりダメ」とカウンターに持って行くのが常態化しています。機械の使い方は手慣れているのに、機械が受け入れてくれません(笑)。
JALもANAもステータスを持っているので、最初からカウンターの方が圧倒的に早いんです(数分で終わる)。私はステータスがあるからいいですが、持っていなかったら大変だなと思います。通常のチェックインカウンターは減らされているので(ステータス会員用のカウンターも減らされている)、預け入れの待ち時間が長くなってるでしょうね。
手荷物預けが嫌なので、(特に手荷物預けの機械がある空港では)できるだけ機内持ち込みにするようにしています(ちゃんとルール内で)。航空会社側は「できるだけ預け入れして」とインフォメーションしていますが、こちらは預け入れしたくてもできないんです。
技術的問題が改善されるまで、こんな状態がつづくのでしょう。
優先搭乗と優先保安検査場のルールが守られてない
これは、ステータス会員の問題でもありますが、目をつぶっている航空会社にも問題があると思います。羽田だけではありませんが、ステータス会員が多いのが羽田空港なので特に目立ちます。
一部のステータス会員は優先搭乗や優先保安検査場が使えます。優先搭乗は本人のみです。優先保安検査場の利用は、JALだと同伴者もOKですが、ANAは本人のみです(ANAダイヤモンドならOK)。
JAL サファイア以上 優先保安検査場同伴者1名可 優先搭乗本人のみ
ANA プラチナ 優先保安検査場本人のみ 優先搭乗本人のみ
ダイヤモンド 優先保安検査場同伴者1名可 優先搭乗本人のみ
ファーストクラス用レーンがあるのはJALで国内線主要空港と国際線羽田・成田のみ、ANAは羽田(国内線・国際線)と成田(国際線)のみです。ステータス会員用のレーンも主要空港しか設置されていません。
JALは保安検査場の同伴者ルールが緩いので違反が少ないですが、羽田のANA SUITE CHECK-INやPREMIUM CHECK-INでは、明らかに対象外の方が利用しています(どう考えても同行者条件を満たしていない人数の家族など)。PREMIUM CHECK-INでSFC会員の方が、同伴者を引き連れているのもよくあります。
保安検査場のスタッフは保安検査を委託された業者さんなので、チェックしないみたいですね。
優先搭乗でもチェックしていないですね(ステータス会員本人のみとアナウンスしていますが、グランドスタッフさんは同伴者の優先搭乗を拒否していないのが実態です)。JALもANAも状況は同じ。小中学生がGROUP1に並んでいても何も言われていませんし、事前改札サービスも、小学校低学年くらいまでなら見逃しています。
私はきちんとルールを守るので、子供が3歳以上になってから、原則として家族旅行で優先搭乗していません。荷物が多めで早く搭乗したいときは、やむを得ず私だけ先に搭乗することもあります。
ステータスって改札時の音でわかるんですよね。もちろん、子供たちがGROUP1や2のステータスを持っているわけが無いし。
以前からあった光景ですが、年々悪化している印象です。なんかね、やったもん勝ちみたいなところがあるんですよ。注意もされないので、ちゃんとルールを守るのがばからしくなるくらい。公式に枠を広げるか厳格にするか、どっちかにしてもらわないと「もやもや」しますね。
スポンサーリンク
まとめ
羽田空港に関する「愚痴」をだらだらと書いてしまいましたが、コロナ禍以前よりいろいろと悪くなっているのは否めませんね。まずは、羽田空港が原因で多発するフライト遅延を何とかしてほしいです。遅延情報の遅さも改善の余地ありですね。
他にも、2022年頃から第1、第2ターミナル内で写真撮影が禁止になったり(なぜか日本人のみ対象)、2020年からスターフライヤーの関西便が第1ターミナルに移動したり(ANA国際線との乗継が面倒)、羽田空港には改悪しかないです。ここ数年、何か良くなったことはあったかな?
羽田空港は、国交省、航空会社、日本空港ビルデング、東京国際空港ターミナル、空港施設など、多数の組織が入り組んで運営されているので、改善も容易ではないでしょう。当面は、こんな状態が続いて行くのだと思います。