【空港情報】2023年12月 関西空港第1ターミナル 国際線エリア大幅リニューアル 広いショッピングエリアが魅力的、でも動線は改悪です

はじめに

2023年12月5日に関西空港第1ターミナルの国際線出発エリアがリニューアルオープンしました。2022年の国内線エリアに引き続き、順次改装されています。2025年、26年とさらに改修し、完成形に近づく予定のようです。

元の国際線出発エリアは、「シンプルで機能的」でした。出国後すぐの3階中央エリアから徒歩すぐの場所にウイングシャトル乗り場があり、南北の出発ウイングに素早くアクセスできました。

早く楽にゲートアクセス。羽田空港ほどコンパクトではありませんが、成田空港(特に第2ターミナル)より動線が優れていたと思います。

2022年の関西空港国内線エリアの改修で、国内線はターミナル南側~南ウイングゲートに集約されました。以前は保安検査後すぐ目の前に出発エリアがあったのに、ゲートへの移動時間が延びました。特にJAL系のゲート38~41までアクセスするのに10~15分くらいかかるように。

さて、国際線の改修ではどうなったのでしょうか(いやまあ、表題の通り悪くなったんですけどね)。

スポンサーリンク


リニューアル後の第1ターミナル 国際線出国後エリア

2023年12月リニューアル後、ゲートに向かう動線がかなり悪くなっています。

出国後エリアは3階の中央エリアに出るのですが、高級ブティックが並んでいた3階中央エリアはリニュアルに伴い閉鎖されています。直接ウイングシャトル乗り場に向かうことができなくなっているんですね。

出国審査を終えて、右に進みます。エスカレータがあります。

2階に降ります。

うねうねとした免税店街を通り抜けていきます。

もともと2階にあった一般エリア商店街のフロアが転用され、かなり、広いスペースが用意されています。

以前の出国後中央エリアに休息スペースは無かったので、これは改善と言えます。一方で、広いスペースが用意されているということは、それだけ歩く必要があります。国際線搭乗客が多くの荷物を持って歩くのは、苦行ともいえるでしょう。

蛇行する通路を歩き続けると、2階の駐機場サイドに出てきました。2022年以前は国内線の出発ゲートとして運用されていた、中央部のゲートの場所です。

南北のウイングに向かうには、ウイングシャトルに乗る必要があります。ここからエスカレータで3階のウイングシャトル乗り場に昇ります。

3階に戻り、細い通路を進んでいく必要があります。

以前は徒歩2分程度で進んだ行程を、15分くらい歩く必要があります。これは改悪と言わざるをえません。

ウイングシャトルに乗車してウイングに向かうと、ゲート周辺は以前と変わりません。改装されたのは中央エリアだけです。

スポンサーリンク


まとめ

2023年12月5日に関西空港第1ターミナルの国際線出発エリアがリニューアルオープンしたので報告されていただきました。出国後2階中央エリアには新規店舗が多数設置され、休憩エリアも広く設定されています。きれいで広々とした出発ゲートになったと思います。

一方で、出国後ゲートまでの動線が非常に長くなり、利用回数が多い方ほど面倒に感じるようになっていると思います。今まで2分で動けたところが10分以上、出国後ゲートまで30分は見ておく必要がありますから、かなり余裕をもって行動する必要があります。

以前から関西空港をよく利用していた方は、以前と同じ調子で利用すると乗り遅れるリスクもあります。注意しましょう。

出発ゲートまでのエリアを長くして店舗を詰め込み、強制的に商店街の中を歩かせる方法は、海外空港でよく見かけます。デンパサール空港(インドネシア・バリ)、アーランド空港(スウェーデン・ストックホルム)などです。

ある程度以上の規模の空港ではこのような設計はしません。多くの利用客が利用するため、通路に人がスタックしてしまい、人の流れが悪くなってしまいます。大規模空港になればなるほど、店舗とゲートは平均化して配置されます。ビジネス客の多い空港では敬遠されます。

海外客に買い物していただくことを主眼に置いた設計といえますし、それはビジネス利用が多い世界の主要空港の運用とは性質が違います。実際、利用旅客数が世界50位にも満たない地方国際線空港の現状が続いているので、国際線ハブ空港としての道を諦めたのかもしれません。

辛口の意見ですが、今回の改装は海外観光客には問題なさそうですが、日本人利用客(特に空港を頻回に利用するビジネス客)にとってデメリットの方が多い印象です。元はシンメトレル構造で人流のバランスが取れていたはずですが、今回の改装で不安定化要因が増えました。

関西空港は3階国際線中央エリアも改装中で、動線が変更される可能性もあり、現時点で判断するのは時期尚早かもしれません。全ての改装が終了した時に、空港構造の真価が問われると思います。

スポンサーリンク



シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする