【空港情報】能登空港を訪問 能登半島の災害復興拠点・観光アクセス拠点として活躍する地方管理空港

はじめに

2025年夏に石川県の能登空港(愛称:のと里山空港)を訪れました。2003年に開港したばかりの比較的新しい空港です。

2024年初頭から始まる震災や大雨災害で復興活動中の能登半島ですが、2024年後半になって石川県は観光客受け入れに舵を切りました。2025年現在、「今行ける能登」キャンペーンを開始しています。

石川県の管理する地方管理空港で、滑走路は2,000mあって、ジェット機も十分に離発着できます。ただし、地震による滑走路のダメージは残っていて、離発着時の機体の揺れはかなり大きくなっています。

2025年現在、能登空港はANAの羽田便が1日2便運航されています。民間利用以外にも、海上保安庁や航空自衛隊の利用があるようです(2025年8月には海上保安庁機の重大インシデントが発生していますが、滑走路のダメージが原因かどうかは不明です)。

能登空港は輪島市の山間部に設置されています。拠点都市は輪島市あるいは穴水町になるようです。

能登半島北部のアクセス拠点になります。穴水町以北は能登空港に向かうバスが運行していますが、七尾市以南になると能登空港に向かう手段がほとんどないため、JRによる金沢方面からのアクセスがメインになります。

羽田便しか無いので首都圏以外の方には縁のない空港です。コロナ禍以前には関西ー能登便の計画があったようですが(ジェイキャスエアウェイズ)、コロナ禍や震災により計画が頓挫しているようです。

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能登空港へのアクセス

能登空港の最寄り駅はのと鉄道七尾線の穴水駅です。能登半島最北端の駅になります。路線バスと特急バスが穴水駅と能登空港を結んでいます。

特急バスはJR金沢駅西口から穴水駅、能登空港を経由して輪島駅(のと鉄道輪島駅跡が道の駅輪島と名を変えてバスターミナルになっています)まで結んでいます。

能登空港から珠洲・宇出津方面に向かう路線バスが運行されています。能登空港は金沢から特急バスで乗り継ぐ路線バスのバスターミナルとしての役割も果たしています。また、能登空港は道の駅のと里山空港として車交通のターミナルにもなっています(大館能代空港と能登空港は空港ターミナルと道の駅が併存しています)。

特急バスはSuicaなどの交通系ICカードは使えません(北鉄バス独自のICカードが利用可能ですが)。現金あるいはクレジットカードのタッチ決済(VISA、JCB、マスターカード、AMEX、Dinersなど)が利用可能ですが、のと里山空港から路線バスを乗り継ぐ場合は現金支払いのみとなります。

空港を散策

空港前・空港周辺

空港前です。

タクシー乗り場、迎車待ちエリア、バス乗り場があります。タクシーはあまり見かけませんでした。さらに向こう側は無料駐車場になっています。

駐車場の一部の区画に、NOTOMORIという仮設テナントレストランがあります。2024年11月にオープンした施設で、復旧・復興関連事業者の活動の拠点としての役割も担っているようです。営業時間が毎日違うので訪問予定なら事前確認が必要です。

また、ターミナルビルの西側に復興支援者用の仮設宿泊施設が設置されていました。能登は依然として災害からの復興過程にあります。

近年、国内空港の多くでサイクルステーションが用意されていますが、こちらの空港にはありません。

ターミナル前には大きなモニュメントがあります。のと空港の「の」の字を模しているのでしょうか。どこにも解説がないので詳細不明です。

ターミナルビル内へ

1階到着フロア&チェックインカウンター

ターミナルビルは3階建てです。1階~2階は吹き抜けになっています。

チェックインカウンター傍に道の駅としての売店があります。

そしてチェックインカウンターです。能登空港はANAの国内線しか運航していません。

現役大相撲力士のパネルが並んでいました。石川県と言えば、輪島氏をはじめとして強豪力士を多く輩出しています。

到着口前には観光案内所があります。さらに奥は行政施設などが入居しています。

2階へ向かいましょう。

2階 出発フロア

2階に昇って左手には売店と保安検査場があります。

自動販売機が並んだ休憩場所もあります。私の搭乗予定機は大幅に遅延したので、こちらでゆっくり待っていました。

3階 レストラン&見学デッキ

3階に昇ると駐機場側が見学デッキとなっています。

デッキにはパネルが飾られていました。

ベンチやテーブルが用意されています。駐機場側に柵があり、中央部に穴があります。ある程度写真撮影に配慮してくれていますが、やはり望遠レンズは使いづらいです。

見学デッキからの景色です。能登の山々を望みます。

ターミナル内にはレストラン「あんのん」があります。私の訪問した日はターミナル前のNOTOMORIはクローズしていたので、こちらでお食事をいただきました。

能登牛のおうどんに惹かれたのですが、2,300円だったので財布と相談して断念。酒粕うどん1,200円をいただきました。おいしくいただけましたが、さすがに夏季なので暑かったです。

空港から出発

保安検査場は2階です。搭乗時刻が近づくとオープンします。もちろん優先レーンはありません。

搭乗待合室はかなり広いです。1日2便の運航とは思えない充実ぶりです。ボーディングブリッジが2本もありますが(そのため搭乗ゲート設備も二ヶ所ありますが)、1本は運用されていないようです。

駐機場側のカウンターにはコンセントとUSB充電ポートが設置されています。

自動販売機、喫煙所、トイレが設置されています。

大量のコミックが置かれていますね。漫画喫茶みたいです。

能登空港から出発 エアバスA321で「超のんびり」フライト

羽田空港は相変わらず大混雑のようで、搭乗予定機がかなり遅延して到着しました。ある意味予定通りですが、遅延の通知が間際になるのも平常運転です。

やってきたのはエアバスA321です。1時間くらい遅延して到着しました。

もちろん出発時間は遅延します。そして遅延した場合は、さらに遅延するのがほぼ確定的です。かなりぎりぎりの時間設定にするので機内準備が間に合わないことが多いですし、羽田空港からの指示で出発が遅延することもざらですね。2025年現在、羽田空港絡みのスケジュールは信用できません。

この日のフライトは、アップグレードポイントが残っていたのでプレミアムクラスにしました。能登→羽田間は207マイルの超短距離路線ですが、所要時間は70分と長めの設定です。

短距離区間にアップグレードポイントを利用するのはもったいないと考える方もいるでしょうが、羽田行きの便は搭乗時間が長くなりがちなのでありだと考えています。

プレミアムクラスにはスリッパと専用ヘッドホンが用意されています。

電動リクライニングの設備があります。

USBポートとユニバーサルタイプのコンセントを備えています。

羽田空港から出発待機の指示が出ていたようですが、ようやく期待が動き出して滑走路に出ます。パッと見てわかりにくいですが、滑走路面はかなり凸凹しているようです。離陸時には機体全体が激しく揺れました。

2025年夏には海上保安庁機のプロペラが滑走路接触トラブルを起こしています。ある程度納得できるくらいの振動です。こんなに振動が伝わる滑走路は今までにほとんど経験がありません(フィリピンのローカル空港の未舗装滑走路でもここまで激しくなかった気がします)。

西から東方向へ離陸しました。

プレミアムクラスなのでお食事が出ます。スパークリングラインとともにいただきました。

機材は新潟から福島、茨城上空へでました。そして茨城上空で何回も旋回を繰り返します。着陸待ちですね。

予定より2時間近く遅れて羽田空港に到着しました。ここから大阪に乗り継ぎです。

さすがに2時間の遅延は想定外でしたが、念のために関西便を予約していて正解ですね。伊丹便だったら最終便でも乗り遅れていました。羽田空港で国内線に乗り継ぐ場合、35分のMCT(Minimum Connecting Time)が設定されていますが、2025年現在だと国内線同士でも90分くらい確保する方がいいと思います。無事に乗り継ぐことができました。

まとめ

2025年夏に訪問した能登空港の模様をアップさせていただきました。

関西方面から直行便がないので、関西圏在住者には縁の遠い空港です。羽田から金沢に向かう場合は新幹線の方が便利ですが、能登方面に向かうには空路の方が便利だと思います。ただし、遅延のリスクが常に念頭に置いておきましょう。

能登各市町村は観光訪問を受け入れていますが、空港施設も含めてまだまだ災害の傷跡は深い印象です。できるだけ地元に迷惑を掛けない観光を心掛けるべきでしょう。

能登空港の訪問で、日本のメジャー航空会社(JAL/ANAおよびその提携航空会社)で訪問できる空港は全制覇できました。震災の影響もあって訪問を延期していましたが、能登の観光受け入れ再開に伴い、2025年夏の今回、ようやく訪問することができましたね。

調布や波照間などの地域航空会社の運航する空港まではなかなか手が出せません。私の国内空港訪問もこれでいったん終了にさせていただこうかと思います。

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