【国内鉄道旅】2023年 富山のライトレール 富山地方鉄道富山港線 路面電車として復活を遂げた元JR線を散策

はじめに

旅行が大好きのタビズキです。今回はローカル鉄道の旅記録です。2023年に乗車した、富山県富山地方鉄道富山港線の乗車記録です。

本日、2023年8月26日、宇都宮ライトレール(LRT)が開業しました。日本おけるLRTの元祖と言えば(諸説あるかもしれませんが)富山市の富山港線です。

富山港線は2006年までJR西日本の管理下にあったローカル線ですが、地方ローカル線にありがちな収益悪化に伴い2001年からレールバスで運用されるようになりました。それでも運営が厳しかったようでJRから切り離され第3セクターとなり、2006年から富山ライトレールの管理下になっています。

2006年の第3セクター化にあたり、LRT化(Light Rail Transit:ライト レール トランジット)され、2020年に富山駅南北に分断されていた路面路線が連結されて富山地方鉄道の路線になっています。

日本では低床車両の路線がLRTとして扱われていますが、本来は専用軌道が少ない路面電車をLRTと言うみたいです。その定義に従うと富山港線はLRTではなく、海外都市に多いトラムトレインであり電気軽便鉄道になります。「富山港線はLRT」という認識が一般的みたいなので、本ブログではLRTとしておきます。

JR富山駅高架下の富山駅から岩瀬浜駅の路線です(2015年北陸新幹線開通に伴い富山駅が高架化され、2020年富山駅高架下に停留所を移設)。富山駅から下奥井駅までの区間を路面電車(併用軌道)として一般道路内に線路を新たに設置し、下奥井駅から岩瀬浜駅までは既存の鉄道専用軌道を走行します。全列車各駅停車で、14駅7.7km約24分で結びます(上りは13駅約29分)。

わずか7.7kmの路線で蛇行していますから、タクシーなどを利用したほうが圧倒的に早いです。やはり路面電車のイメージで利用するのがいいと思います。

富山地方鉄道は富山県内の路面電車、鉄道路線、バス路線を多数所有しています。富山市内から立山方面や黒部方面に向かう鉄道路線は観光列車として愛用されていますし、富山空港へ向かう空港リムジンバスは富山地方鉄道の運営です。

2020年のJR富山駅高架下停留所設置後、富山港線は富山地方鉄道の管理する路面電車(富山期動線)に相互乗り入れを開始し、地元の方の足として便利になっています。

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JR大阪駅から富山へ:サンダーバードと新幹線「つるぎ」を乗継

今回のスタートはJR大阪駅です。2023年の大阪駅周辺は、うめきた2期地区の開発で沸いています。JR大阪駅の新ホームの運用開始も話題になっていますね。

北陸に向かうサンダーバードは11番線から出発です。以前はさらに北側にホームがあり、北陸方面の特急や寝台急行「きたぐに」などが出発するホームがありました。うめきた方面の整備でホーム数が削減されています。

ホームにはコンビニもあります。サンダーバードには車内販売が無いので、長距離乗車前にいろいろ買い込んでおきましょう。

サンダーバードは大阪ー金沢駅間を150分~170分くらいで結んでいます。

サンダーバードが入線してきました。サンダーバードで運用されているのは681系か683系車両です。私のような素人(?)には見分けが難しいのですが、たぶん683系です。

681系と683系は窓の配置でも区別できるらしいんですが、どうなんでしょう(笑)。683系だと思うんですけど。ノズル状の先頭車の写真があると確実にわかるんですけどね。

指定席車両です。席はかなり余裕がありました。

1列2+2の4席です。全席後ろに小物入れとテーブルがあります。席の肘置きにも小さなテーブルがあります。コンセントは無いんですよね。

今回乗車するサンダーバード47号は停車駅が多く、金沢駅まで3時間近くかかります。最高時速130kmの速達特急ですが、東海道新幹線の新大阪ー東京間より長い時間を要します。

金沢駅で新幹線に乗り換えます。乗り換え時間は10分です。

金沢駅の新幹線ホームに到着です。2023年現在、金沢駅は北陸新幹線の始発駅なので、駅名標には新高岡の駅名しか記入されていません。

乗車するのはつるぎ732号です。つるぎは富山ー金沢の3駅間を往復するシャトル新幹線です。E7系あるいはW7系で運用されています。E7とW7の仕様は全く一緒なので、車両のどこかにあるロゴを探さないとわかりません。今回利用したのはどっちでしょうね(ほんとうにわかんないんです)。

指定席の車内です。1列2+3の5席です。

シートピッチは104㎝です。飛行機のエコノミークラスとくらべるとかなり余裕がありますね。

全席後ろにはテーブル、小物入れ、ドリンクホルダー、中央にコンセントがあります。

サイド足元にもコンセントが用意されています。

まだまだ新しい車内ですね。

乗車時間23分で富山駅に到着です。

新幹線駅構内にはべるもんたのシートや富山のフォトスポットが用意されています。

新幹線改札を出て正面に、富山地方鉄道路面電車の富山駅があります。

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富山駅から富山港線に乗って岩瀬浜へ

新幹線ホームの高架下に、ホームに直行する形で停留所があります。

路面電車が高架駅直下で交差していて、大阪の阪堺線のJRが交差する新今宮駅のと似た構図です。

富山駅停留所には1~8の乗降場所がありますが、富山城址側(南側)の1~4に富山城址方面行きが、5~8の岩瀬浜側(北側)に岩瀬浜行きが停車します。

2線ありますが、両方とも南北両方行きが入線します。2線とも埋まっていると、停留所に入らず手前で入線待ちします。写真の2編成は、いずれも富山駅の南方向に出発する車両です。

路面電車なので、ダイヤはかなり乱れますし、状況次第では入線待ちの列車が数珠つなぎに並びます。前の駅あたりで出発待ちすることも多いです。

富山地方鉄道の路面電車は、もともと富山駅南側の1~3系統のみでした。富山港線が富山地方鉄道に移管され、富山駅高架下に停留所が移設され、相互乗り入れが開始されています。

車内は進行方向に向かって左側からの後乗り前降りです。SUICAやICOCAなどの交通系ICカードは利用可能です(2023年現在、クレジットカードタッチ決済非対応)。料金は210円(小学生110円)均一なので、ICカードを利用する場合は降車時のみでOKです。

2両編成で、車両間の通路は広く、海外のトラムのようになっています。LRTと呼ばれていますが、まれに旧式の路面電車車両が利用されています。

JR時代の駅舎はほぼ全て撤去されています。進行方向に向かって左側から乗降する方式のため、上下線で停留所が反対側になります。城川原駅には事務所と車両機基地があります・

海外も含め、ほとんどの路面電車は複線になっています。富山地方鉄道の富山港線はJR線からの転用なので、ほとんどの区間が単線になっています。路面電車では珍しく、対向列車の行き違い待ちが発生します。

荻浦小学校前駅付近の西側には、線路から湾曲して離れていく道路が見えます。廃線となった旧富山港駅に向かう支線の跡だと思われます。

列車内は立席乗客も出るくらいの混雑でした。1時間に4本くらい、平日ピーク時には6本くらい運行しています。私が利用したのは週末で、多くの乗客が終点の1つ手前の競輪場前で降りていきました。

24分くらいで終点の岩瀬浜駅に到着です。

駅名標には片方の隣接駅しか記載されません。

一部の列車は「フィーダーバス」と呼ばれるバスと連絡しています。海岸沿いに東方向に進み、水橋漁港前まで運行しています(1時間に2本程度)。

射水市へのコミュニティバス「きときとバス」も運行されていたようですが、2021年に廃止されています。駅前ロータリーにバス停だけ残されています。

高岡駅の万葉線ドラえもんトラム

きときとバスは岩瀬浜から射水市内の越ノ潟駅付近まで運行していたため、富山県のもう一つのライトレール「万葉線」に乗り継ぐことができました。2023年現在、この富山湾周遊ルートは無くなってしまいましたね。残念です。

岩瀬浜駅は盲腸線の終端駅ですから、駅より向こう側に線路は延びていません。

国鉄時代の岩瀬浜駅はさらに北の海岸寄りにあったそうで、線路跡らしい通路が伸びています(赤矢印)。

駅から北へ、海岸方向へ散策してみました(黄色矢印方向へ)。

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岩瀬浜を散策してから富山城址へ

岩瀬浜駅から少し北に歩けば日本海です。

駅の北西にある広い道を北上します。住宅の間を抜ける細い道に入ります。

奥に海が見えてきました。

正面は岩瀬漁港です。右方向に歩いて行きます。

道なりに歩いて行くと、左前方に防砂林が見えてきます。

防砂林の場所は駐車場になっています。ここは岩瀬浜緑地と呼ばれているそうです。

防砂林の向こう側は砂浜になっています。岩瀬浜海水浴場と呼ばれているそうで、夏季は海の家もオープンする市民海水浴場になっているようです。シャワールームもあります。駅から徒歩8分くらいです(公式には5分ですが、夏場は暑いのでゆっくり歩きましょう)。

駅に戻ってきました。富山駅方面に戻ります。この列車は3系統環状線に乗り入れるようです。

富山方面行きは、富山駅手前で入線待ちのために停車するので、所要時間が長くなります。また、オークスカナルパークホテル富山前停留所は待ち合い施設が無いので停車しません。

富山駅から環状線内に入り、丸の内停留所で下車しました。

丸の内停留所の前には富山城址があります。博物館として再建された天守が建っています。

せっかくなので昇ってみました。博物館なので入場料が必要です(210円です。電子マネーやカードOKでした)。

富山大学方面を見下ろしています。平地に建てられた平城で、高さのある建物ではないため(天守を模した博物館ですからね)、抜群の見晴らしというわけにはいかないようです。

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まとめ

2023年に富山地方鉄道富山港線(通称ライトレール)に乗車してきました。富山地方鉄道は富山のバス、電車など、数多くの交通網を管理しています。なんとか富山港線も維持してほしいものです。

鉄道に乗るのが大好きなのですが、盲腸線の場合は同じ路線を戻ってくる必要があるのがネックです。以前は岩瀬浜駅から射水市方面へバスに乗ると、万葉線で高岡市まで乗り継げたようですが、コミュニティバスが廃線になっていたので残念です。

関西から富山に向かう場合、JR在来線から新幹線に乗り換える手間がありハードルが高くなっています。コロナ禍のころは新幹線とサンダーバードの連絡ができていませんでしたしね(2023年現在かなり解消されています)。伊丹空港や関西空港からの便もないので、どうしても鉄道に頼らざるをえません。

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