阿武隈急行線とは
今回の記事は2025年春の鉄道旅です。JR仙台駅から福島駅へ阿武隈急行線を利用しました。
阿武隈急行は仙台駅から7駅福島側にある槻木駅~福島駅間(約55km)を結ぶ第3セクターです。JR丸森線を引き継いで開業しました(開業時は福島駅まで全通していなかった)。
ほぼ全線単線の交流電化路線です(福島駅~JR東福島駅付近は東北本線に乗り入れするので複線)。列車は1時間に1~2本運行しています。ほとんどは槻木~福島間ですが、丸森、梁川、富野駅で折り返す列車も設定されています。
JR郡山駅
かつてはJR福島駅からJR郡山駅まで乗り入れていました。また、JR線の仙台駅まで乗り入れる列車は2025年現在でもありますが、仙台駅から阿武隈急行経由で福島駅まで向かう列車が設定されていた時代もありました。当時の東北本線電光表示板には、福島行き普通の後に東北本線経由か阿武隈急行経由か表記されるようになっていました(2025年現在、東北本線経由の直行便しかありません)。
JR福島駅の新幹線
JR仙台駅から福島に向かう交通手段として一番楽なのが新幹線(約22分)で、時間に余裕があって荷物が少ないなら東北本線の普通列車(約85分)でしょうか。高速バス(約75分)という選択肢もあります。阿武隈急行線利用だと、槻木駅か柳川駅で乗り換えて約120分くらいかかりますから、普通は選択しない移動手段です。
阿武隈急行も、全国の第3セクターの経営状況と同様に厳しく、廃線の検討がなされています。BRT化の話もあったようですが、最近はバス運転手の確保も厳しい時代です。2024年に存続の方向で自治体との話し合いが決着したようですが、まだまだ予断を許さない状況です。
2025年3月、国鉄時代の713系を改修した8100系の運行が終了し、阿武隈急行の列車はAB900系に統一されたようです(ほとんどJR東日本のE721系と同じ)。仙台駅にやってくる列車は、乗り入れ車両も含めE721系とその派生車両が多くを占めます(仙台空港鉄道の車両もE721系とほぼ同じ)。
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JR仙台駅から阿武隈急行AB900系で梁川駅へ
旅の出発はJR仙台駅です。仙台駅には朝夕2本のみ阿武隈急行線が乗り入れています。
乗車券を購入すると、阿武隈急行線は丸森駅より先を購入することはできません。みどりの窓口なら購入できるのかもしれませんが、昨今のJR東日本のみどりの窓口は人員削減で待ち時間が長くなっています。とても利用できません。
とりあえず丸森駅までの切符を購入しました。
あとで車内で清算しました。
さて、東北本線のホームにやってきました。
常磐線、仙台空港鉄道、そして阿武隈急行の鉄道が東北本線に乗り入れています。
阿武隈急行AB900系の車内です。
参考:JR東日本E271系の車内
JR東日本のE721系ベースの車両なので、見慣れた車内になります。JR東日本管内を走行中、車内放送はJR東日本と同じです。
阿武隈急行線内ではワンマン運行なので整理券が発行されます。
JR岩沼駅構内
仙台駅を出発して南下していきます。出発時の車内は多くの方が乗車していました。東北本線から、仙台空港鉄道(名取駅)、常磐線(岩沼駅)と、順番に分岐していきます。
槻木駅では阿武隈急行線のホームに入ります。
ちなみに、槻木(つきのき)駅と呼びます。
ここから阿武隈急行の名前の由来である阿武隈川に沿って線路は進みます。徐々に車内の人が少なくなってきました。
丸森駅は数少ない有人駅です。乗降客もまずまずいらっしゃいました。
阿武隈ライン船が有名のようです。
丸岡町を出ると宮城県を出て福島県に入ります。
福島県伊達市に入りました。このあたりで阿武隈川と一時お別れです。
今回乗車した列車の終着である梁川駅に到着です。
到着後、反対側ホームに停車している福島行きに乗り換える方が多かったです。
梁川駅で下車して散策
単純に福島駅まで電車に乗り続けても面白くないので、梁川駅で下車しました。
梁川駅は阿武隈急行線のほぼ中央に位置します。阿武隈急行線の本社と車両基地がある駅です。
駅舎内は改札エリアと
待合室に分かれています。待合室には蕎麦屋さんがありますが、私の訪問時は営業時間外でした。
駅前には大きなロータリーがあります。もともと駅前に梁川町の役場があり(2006年に合併して伊達市に合流)、今でも梁川総合支所として運営されています。ただ、駅周辺は住宅地はあるものの、商業施設は見かけませんでした。
バス停があり、福島駅まで行くことができます。
列車は1時間に1本くらいなので、いい時間に列車が無ければバスを利用するのも手ですね。
駅のすぐ南西に阿武隈急行の車両基地があります。
柳川駅から福島駅へ
1時間くらいして、福島に向かう次の列車がやってきました。宮城応援ポケモン「ラプラス」のラッピングトレインです。
AB900系ですが、車内もラプラスでラッピングです。
車内はガラガラですね。福島にむけて出発します。
伊達市から福島市に入ると、車外は雪景色になってきました。暦ではとっくに春をむかえてましたが、さすが東北です。
ここで阿武隈川に再会ですが、阿武隈急行線と阿武隈川の邂逅はこれが最後になります。
西福島駅付近(矢野目信号場)で東北本線に再合流し、福島駅を目指します。
東北本線の線路と福島交通飯坂線が並走します。飯坂線は駅が多いので、いくつかの駅を車窓から眺めることになります。
ようやく福島駅に到着です。
福島駅はJR線とは独立しています
福島駅ではJR福島駅とは別の構内に入線します。飯坂線と構内(ホーム)を共用しています。
4つの路線のホームが並んでいます。
このまま駅から出ずにJR線構内に入る改札もあります。
普通に改札から出ると、ビル街の隙間のような場所に出てきます。
JRの駅舎まで少し歩きます。駅舎の規模が全然違いますね。
まとめ
2025年春に利用した阿武隈急行の乗車記を紹介しました。
速達列車がないので、仙台方面から福島まで通しで乗車するとそこそこ時間がかかります。沿線に所要が無ければ利用機会が少なくなってしまいます。利用者は年々減少しているみたいで、第3セクターらしい厳しい状況が続いているようです。