はじめに
鉄道と航空のハイブリッド企画 空港連絡鉄道シリーズ第3弾です。今回は名古屋鉄道空港線にスポットを当ててみたいと思います。中部国際空港セントレアの空港連絡鉄道です。
2025年現在、空港にアクセスする手段として鉄道を選択することが妥当な路線「空港連絡鉄道」は以下の通りです(私の主観です)。
2025年現在の空港連絡鉄道
・羽田空港 京浜急行電鉄空港線と東京モノレール羽田空港線
・成田空港 成田空港高速鉄道(JR東日本成田線、京成電鉄京成本線・成田空港線<成田スカイアクセス線>)と京成電鉄(京成東成田線、芝山鉄道芝山鉄道線)
・伊丹空港 大阪モノレール
・関西空港 JR関西空港線と南海空港線
・新千歳空港 JR千歳線(空港支線)
・中部国際空港 名古屋鉄道空港線
・福岡空港 福岡市地下鉄空港線
・那覇空港 沖縄都市モノレール沖縄都市モノレール線<ゆいレール>
・仙台空港 仙台空港鉄道仙台空港線
・神戸空港 神戸新交通ポートアイランド線
・米子空港 JR西日本境線
・宮崎空港 JR九州宮崎空港線
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名鉄空港線と空港連絡鉄道
名鉄空港線は中部国際空港開港時に名鉄常滑線の常滑駅から路線を延伸して空港アクセス路線として設置された約4kmの路線です。名鉄名古屋駅から名古屋本線・常滑線・そして延伸された空港線を経由して中部国際空港に至ることができます。

常滑駅始発の普通列車の設定がありますが、ほぼ空港線と常滑線が一体的に運用されています。速達列車(特急等)は中部国際空港から岐阜、新鵜沼まで乗り入れています。一方で、普通列車の運用は河和線との接続駅になっている太田川駅で分断されていて、神宮前~太田川~(河和線)知多半田が一体的に扱われて常滑方面が支線のような運用になっています。
空港連絡鉄道としては、名鉄岐阜あるいは新鵜沼から名鉄名古屋駅を経由して中部国際空港に至る路線全体を指してよいと思います。日中は名鉄岐阜から特急2本、新鵜沼から準急2本、名鉄名古屋からミュースカイ2本が運行されていて、朝夕は新鵜沼や名鉄岐阜発着のミュースカイが増発されます。
ミュースカイは中部国際空港から名鉄名古屋まで約30分、名鉄岐阜や新鵜沼まで約1時間と速達性に優れています。名鉄バスが中部国際空港と名古屋市街間でリムジンバスを運行していますが、所要時間は1時間となっていて本数も多くないため、鉄道アクセスの方が有利です(栄方面に直行できるので乗り換えの手間が無いことがバスの利点です)。
名鉄特急ミュースカイに乗る
名鉄特急ミュースカイは、名鉄岐阜・新鵜沼~中部国際空港を走行します。名鉄2000系車両で運行される全席指定特急列車で、2008年以降ミュースカイと呼ばれるようになりました。
何度か利用していますが、その記録をつなぎ合わせて、岐阜から中部国際空港の乗車記録として紹介します。

名鉄岐阜駅はJR岐阜駅との乗換駅ですが、少し離れていて徒歩3分くらいです。

名鉄岐阜駅です。以前は新岐阜駅と言われていましたが、21世紀に入って名鉄岐阜駅に改称されています。

名鉄岐阜駅の名古屋本線は2面4線のホームで、終着駅なので一方が車止めになっています。少し離れた場所に名鉄各務原線のホームがありますが、岐阜駅周辺で路線はつながっていません。

シートは2+2の1列4席です。空港アクセス特急なので、スーツケース置き場が設置されています。

名鉄特急の指定席はミューシートと言います。ミューシートのミューと空港アクセス特急のイメージであるスカイを合わせてミュースカイですね。シートも空をイメージしたライトブルーです。

前の席の後ろには丈夫なテーブルが設置されています。

列車は愛知県の中心部、名古屋駅にも停車します。正確には名鉄名古屋駅ですね。岐阜から約40分です。

名鉄名古屋駅は3面2線の駅です。上下各1線しかないホームで、膨大な発着本数をさばいています。平日朝8時台の上りは1時間に28本(約2分に1本)発車するので、ミュースカイのように手荷物の多い空港アクセス特急の乗降には時間がかかるので大変です。特急と他の列車では同じ線路ですが乗降ホームを変えてなんとか運用していますが、これはもう芸術です。
今後もこの状態が続いていくのかと思っていましたが、2026年から改修を予定しているようです。ホームが4線になるそうですよ。

さらに南下すると金山駅です。JR線の中央本線、東海道本線の接続駅であり、地下鉄名城線の乗換駅にもなっているため、乗降客は多いです。

次の神宮前駅で常滑線に入ります。ミュースカイは神宮前駅も停車します。

金山駅は2面4線のホームがあるので、名鉄名古屋駅よりホームの運用には余裕があります。神宮前駅方面の列車のうち、常滑線へ乗り入れる列車(ミュースカイを含む)は4番線(外側)のホームへ、豊橋方面の列車は3番線(内側)のホームに入ります(金山駅始発の常滑方面普通列車など例外もあります)。
金山駅から次の神宮前駅は複々線になっていて、豊橋方面が外側、常滑線方面は内側を走行します。金山駅を出てすぐに列車がクロスして転線するんですね。なんでこんなややこしい運用をしているのか疑問です。
神宮前駅は2、3番線(内側)が常滑線で、1、4番線(外側)が名古屋本線(名鉄名古屋と豊橋方面を結ぶ列車)になります。
神宮前駅を出て常滑線に入ると、一部のミュースカイは常滑線内の駅をすべて通過して中部国際空港駅に向かいます。

中部国際空港セントレアは常滑市の沖合に埋め立て建設された人工島の上に建設されています。りんくう常滑駅を過ぎると、橋を渡って空港島に向かいます。

中部国際空港駅に到着です。この駅は名鉄の駅では珍しくホームドアが設置されています。

中部国際空港駅は2面3線のホームがあり、終着駅のため一方が車止めになっています。1番線はミュースカイ専用です。

駅の前はアクセスプラザという建物になっています。

ターミナル1の目の前です。ターミナル2に向かうには動く歩道あるいは連絡バスを利用しましょう。

空港アクセス特急はミュースカイだけではありません。他の特急列車(2200系/2300系)で運用される列車もあります。ミュースカイと停車駅はあまり変わりません。

列車内の雰囲気や配置もほぼ同じ。

空港に向かう特急なので、スーツケース置き場も用意されています。

ミュースカイは全席指定ですが、ミュースカイ以外の特急列車は指定席券の不要な席も用意されています。
まとめ
今回の記事では名古屋鉄道空港線、特に名鉄特急ミュースカイを紹介させていただきました。写真は2013年~2025年に利用して撮りためたものを適宜使用しているので、1連の乗車記録ではありません。
名鉄空港線は岐阜や名古屋の都市圏からセントレア空港に向かうために速達性や定時性に優れた路線です。名古屋空港(小牧空港)の方が都市圏から近いのですが、ミュースカイのおかげで時間的距離は遜色ありません。中部空港利用を向上させる一助になっていると思います。
私鉄特急なので、指定席料金が手ごろなのも魅力的です。