【世界一周解説編9】空港ラウンジとその有効利用

空港に早く着きすぎた際に、飛行機が出発するまでの時間ゆっくり身を休めることができる「空港ラウンジ」。入室には、入室要件を満たしていることに加えて、その日出発するフライトのチケット(あるいはその証明)が必要になります。ラウンジの種類はいろいろありますし、サービスレベルも千差万別です。ただ単に休息をとるだけでなく、いろんな利用方法があります。

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ラウンジの基本サービス

空港ラウンジは飛行機で出発前後に休息をとるための空間という位置づけです。ですから究極のところ、椅子さえあればラウンジの形態は成立します。それだけでは搭乗口前のスペースと代わり映えしないので、最低限のサービスとしてソフトドリンク程度は備えているのが普通です。

国内線のラウンジ(多くのカードラウンジ)は大体この程度のサービスですし、航空会社ラウンジ(例えばサクララウンジやANAラウンジ)でも少しアルコール提供が付加されているぐらいです。

ー沖縄空港サクララウンジ(JAL国内線ラウンジ):アルコールも提供されますー

最近ではWiFiスポットが無償提供されているラウンジも多いですね。空港自体で無償提供していることもありますが、一応基本サービスに入れておきましょうか。飛行機で出発前後にいろいろ調べものをするのに有用です。

ラウンジの基本サービス:椅子+無償のソフトドリンク±WiFi

ー関西空港国際線セキュリティエリア内のカードラウンジ「アネックス六甲」:ソフトドリンクのみ無償提供ー

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食事の提供

国際線のビジネスクラス以上のラウンジでは、アルコールだけでなく食事が提供されます。これも、ラウンジのレベルによって千差万別です。関西国際空港のキャセイラウンジや、ヨーロッパのシェンゲン協定内ラウンジは、インスタント麺やパンやスナックなどの軽食を提供する程度です。

ハブ空港での航空会社ラウンジは、航空会社の威信もかかっているのか、ビュッフェ形式とはいえ、きちんとした食事が提供されます。ファーストクラス用ラウンジなどでは、オーダー制の提供をしているラウンジもあります。私のように、食事をラウンジに依存している弾丸トラベラーには、とても有益なサービスです。

ーVIPラウンジMiro(シェンゲン協定外ラウンジ):軽食のみ提供されますー

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シャワーと仮眠室

弾丸旅行でホテルの宿泊をしない日々が続くと、必要になるのがシャワーと睡眠です。百歩譲って、睡眠時間はなんとか機内で確保できるとしても、入浴しない日々が続くと「これは人としてありえないな・・・」と自覚するほど自分の体臭が気になり始めます。まあ、欧米の方は普通に香水でごまかすらしいですが、私たち日本人は毎日入浴する癖がついているので、気になるとどうしようもなくなりますね。

国際線だとシャワー室がついているラウンジが多いです。航空会社ラウンジなら、ほぼあります(ANAもJALも関空にはシャワーが無いんですよね・・・)。ラウンジのシャワー室は、なぜかトイレが併設されていることが多いです。ニューヨークJFK空港のエールフランスラウンジに至っては、トイレの奥にシャワー室があります(うーん)。清潔さはともかく、すっきりできるのはありがたい話ですね(無料ですし)。

―JFK空港エールフランスラウンジのシャワー室(なんと、トイレ部分との仕切りがありません!)ー

ラウンジは、世界中のほとんどそうなのですが、仮眠禁止です。飛行機で出発前後の休息場所にすぎませんから、公式に禁止されていますし、寝ていると起こされてしまいます(搭乗に遅れないようにという意味もありそうですが)。仮眠室があるとありがたいのですが、併設されていることはほとんどありませんし、あっても有料だったりします。

前回の記事でも書きましたが、シンガポール(チャンギ)空港の「The Haven」やバンコク(スワンナプーム)空港の「Royal Orchid Lounge」などでは仮眠室があります。前者はプライオリティ・パスで入室できるラウンジですが、仮眠室の利用は有料です。後者はタイ航空のラウンジですから、スターアライアンスの上級会員やビジネスクラス以上を利用しないと使用できませんが、入室者は仮眠室を無料で利用できるようです。

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マッサージ、スパ、靴磨きなど

ラウンジで必要なサービスかどうかは知りませんが、マッサージやスパを提供しているところもあります。以前はJALのファーストクラスラウンジでも提供されていましたが、2017年ごろにサービス終了になっています。上述のバンコク(スワンナプーム)空港「Royal Orchid Lounge(タイ航空)」やアブダビ空港のエティハド航空ファーストクラスラウンジなどでは、現在でもスパのサービスが継続しているようです。これらのラウンジでは上級会員資格だけではサービスを受けられないようで、本当の上顧客に対するサービスといった位置づけですね。

JALの国際線ファーストクラスラウンジでは靴磨きサービスが実施されています。どんな靴でも磨いていただけるようですが、私の安物の靴ではちょっと恥ずかしいかなあ。チャレンジしたことがないですね。

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チケット管理

私たちがサービスを期待して実施されるものではなくで、航空会社の通常業務の一環として実施されるものです。ラウンジの受付では、入室資格があるかチェックされます。そのチェック時に航空券の評価もされますから、時には航空券の再発行を受けることがあります。具体的には、

・正式な航空券への変更
・航空券のアップグレード

などです。

正式な航空券というのは、たとえば同一アライアンスの別の航空会社から乗り継ぐ場合、前の航空会社で航空券が発行されていると思いますが、該当する正式な航空券にチケットを変更するケースです(目の前でチケットを破られたりするので、ホントびっくりしますよ)。アライアンス内では「同じ航空会社のように気楽に使用できますよ」とは宣伝していますが、やはり別会社なので搭乗までに航空券が変更されることが多いです(そもそも乗り継ぎカウンターに行く必要はないはずですが)。

航空券のインボランタリーアップグレード(オーバーブッキング時に発生する航空会社都合のアップグレードのことです)もラウンジの受付時に発生することがあります。あるいは席の変更をリクエストして実施いただけることもあります(まあ、普通は無理ですが)。

どちらも、本来は搭乗予定の航空会社ラウンジでのみで生じるのですが、航空会社ラウンジが無いために上級会員用に委託しているラウンジでも発生することがあります(その場合、委託依頼している航空会社のスタッフが、一時的にでもそのラウンジに配属されていることが多いです)。例えば、ヒースロー空港第3ターミナルのブリティッシュエアウェイズのラウンジには、JALのスタッフが日本行きの便が出発する前の数時間のみいらっしゃいます。

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ラウンジはいつから利用できるのか

いろいろサービスが充実している空港ラウンジですが、この施設はいつから利用可能なのでしょうか。

空港ラウンジの大半はセキュリティチェック後になりますから、チェックインが終了している必要があります。ほとんどのチェックインは飛行機の出発2時間前から開始されることが多く、チェックイン後にセキュリティチェックや、場合によっては出国手続きが必要になります。すると、ラウンジを利用できる時間は、せいぜい1時間が限度になります。

せっかくのサービスですから、1時間以上利用できる場合はないのでしょうか。まったく可能性がないわけではありません。

①利用予定の航空会社のハブ空港の場合

搭乗予定の航空会社のハブ空港では、1日中チェックインカウンターがオープンしています。たとえば、日本の空港におけるJALやANA、香港空港のキャセイパシフィック、ヒースロー空港のブリティッシュエアラインなどです。夜遅くに出国する便に搭乗予定でも、朝からチェックインできますから、ラウンジを長時間堪能することができます。

②乗り継ぎの空港で、乗り継ぎ先の航空券が発券済みの場合

同一航空会社あるいは同一アライアンスを乗り継ぐ場合、最初のチェックイン時に乗り継ぎ先の便の航空券が発券されるケースがあります。到着した空港で24時間以内に次の便に搭乗する予定で、両方のフライトがまとめて予約と決済がなされている場合、まとめて発券されることが多いです。ただし、預入荷物がそのまま次のフライトへスルーされているケースに限ります。

例えば、JALで羽田からヘルシンキに着き、乗り継ぎのフィンエアーでバルセロナに向かう予定だとして、一連のフライトを一括で予約購入した場合などがあげられます。羽田でバルセロナまで発券されていると思いますし、預入荷物もスルー可能ですから、ヘルシンキ到着後からラウンジを利用することが可能です。

このように、乗り継ぎとはいえチェックイン済み扱いになりますし、発券済みの航空券も手元にあるので、乗り継ぎのセキュリティチェックが終わり次第、ラウンジに入室することができます。

③預入荷物が無くてオンラインチェックインが終了している場合

最近は、オンラインチェックインできる航空会社が増えています。カウンターでチェックインするわけではないので、紙の航空券は発券されませんが、スマートフォンなどに表示するQRコードを受け取り、セキュリティチェック時に提示する形になります。多くの航空会社では、出発の24時間前ぐらいからオンラインチェックインを開始するので、ラウンジ利用時間を長くとることができます。

オンラインチェックインだけでチェックインを終わらせる場合、荷物を預け入れることができません。荷物を預けたければ、結局、チェックインカウンターに並ぶ必要があり、チェックイン開始を待たなければなりません。

ここまで述べたことを逆に言うと、ラウンジをできるだけ楽しみたければ、荷物を徹底的に減らして預入荷物をなくしてオンラインチェックインを利用するか、乗り継ぎを多用するか、ハブ空港を上手に利用するようにすればいいでしょう。ただし、ラウンジ利用時間の制限がある場合や、ラウンジの営業時間が限られている場合らがありますので、できるだけ前もって調べておくことが必要だと思います。

まとめ

空港ラウンジは弾丸旅行客には非常に有用な空間です。特に食事とシャワーは価値が高いと思います。サービスを有効利用して、快適な旅行ライフをおくりましょう。

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