日本のほぼ真裏に位置するアルゼンチン。そのアルゼンチンの首都ブエノスアイレスを観光したいと思います。南米のパリと呼ばれるブエノスアイレス。その名前にふさわしい、美しい都市なのでしょうか。治安が悪いという噂におびえながら・・・。
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ブエノスアイレスの中心部:レティーロ地区~モンセラート地区
エセイサ空港からのバスは、レティーロ駅の前にあるレオン社のバスターミナルに到着しました。これから街中の観光に向かいたいと思います。
とにかく、ブエノスアイレスは「危険」であるという情報だけは、さんざん入ってきています。たとえば、バスターミナルの目の前にシェラトンホテルがあり、また徒歩5分程度のところに観光名所であるサン・マルティン広場があります。この距離を歩くのも「危険」だと言われていて、タクシーかバスを使った方がいいらしいです(そのタクシーやバスも危ないと書いているし、結局どうしたらいいんだよ~)。でもいくら何でも距離が短すぎます。
バス乗り場の外を見ると、普通に人が歩いてますし。ドイツのリューデスハイムでもかなりやばい思いをしてちょっと怖いのですが、ええいとバスターミナルから一歩を踏み出しました。
ーレティーロ駅。ブエノスアイレスのターミナル駅ですー
外に出ると、寒さが身に染みてきました。季節は真冬で気温は2度。天気は曇天で、太陽の日差しはありません。ガイドブックでは最低8度~最高15度と書いていたので、あまり暖かい服は持ってきていなかったのですが、これは想定外です。歩いていれば暖かくなるかなあと、歩き始めます。リュックは体の前に持って、強盗に備えます。でも、みんなリュックを後ろ背負って歩いてますよ(前に持っている人は2割くらい)。
ブエノスアイレス市内にある名所や建造物で、日本で知られているものはほぼ皆無と言っていいでしょう。ガイドブックを見ても、あまりテンションが上がらないです。とりあえず近場から見ていきます。
目の前にある大きな建物はレティーロ駅、ブエノスアイレス最大にして中心となる駅です。建物の威厳もありますし、ホームがたくさんあって、巨大ターミナル駅という感じです。昔の上野駅みたいな感じでしょうか。ただ、アルゼンチンは不況で電車がほとんど動かせないので、そもそも動いている路線が少ないらしいです。それでも多くの人々が駅に出入りしています。
その分、バスがたくさん走っています。レティーロ駅の前には、すごい数のバスがひっきりなしに行き来していますし、バス専用の道路も整備されています。コレクティーボといわれるこのバスは、スーベという電子マネーで乗ることができます。パスモやイコカみたいなものですね。
ーアルゼンチン空軍広場。まだ夜明け直後ですー
駅から道を隔てて正面に、大きな広場があります。アルゼンチン空軍広場と呼ばれるこの広場には、英国塔という大きな時計台がある建物がたっています。英国塔はその名の通りイギリスから寄贈されたらしいですよ(そしてフォークランド戦争でイギリスに爆撃されたらしいです、なんかねえ)。朝8時前なので、広場には人影がまばらですね。
ーサン・マルティン広場。人の気配はほとんどありませんー
アルゼンチン空軍広場から通り1つを挟んで向こう側へ少し坂を上っていくと、サン・マルティン広場に出ます。ブエノスアイレスで最も美しい広場とのことで、私が訪れたときはごみ一つ落ちていませんでした。先ほどのアルゼンチン空軍広場もそうでしたが、すごく広大な公園があって、緑があって、清潔に保たれています。朝早い時間なのですが、清掃の方が掃除をしていました。
それに、小さな子供が遊んでいて、両親が見守っている光景をよく目にしました。穏やかな雰囲気の広場で、治安の悪さを感じることはありませんね。本当に危険なんですかねえ、この街は。
広場には名前の由来となっているサン・マルティン将軍の銅像が立っています。アルゼンチンだけでなく、南米の英雄だそうです。
街中には、ところどころに警察官が経っていました。その時は単純に、治安に気を配っているんだなあと思っていました。後日わかったのですが、その時ブエノスアイレスで世界的な政治の会合が開かれていたみたいです。その影響でしょうね。
とりあえず大丈夫そうなので、街中を散策することにしました。ただし、私はびびりなので、できるだけ人と間隔をあけて歩くように徹底しました。ときどき後ろを振り返りながら、まるで尾行におびえる犯罪者ですね(笑)。
サン・マルティン広場からサンタフェ通りを歩きます。真冬の街路樹の歩道の上で、ダウンジャケットを着た方々とすれ違います。皆さん、荷物をを背に背負ってますよ。私だけリュックを前に持って、すごい違和感のある状況でした。
まずは、ブエノスアイレスで最も大きな通り「7月9日大通り」にでました。狭い道は怖いので・・・。
ー7月9日大通りのオベリスコー
南北に走るこの通りを南下していくと、通りの真ん中にとても高い真っ白な塔が見えます。オベリスコと呼ばれるこの塔は、高さが67mあって遠くからでも目立ちます。
観光客らしき人もぽつぽつと見かけるようになりました。みなさんスマホで写真を撮影しています。前情報では、「スマホを手に持っていたら次の瞬間に盗まれる」「カメラ撮影をすると、カメラを盗まれる」とのことでした。ガイドブックが間違っているのか、観光客たちが大胆なだけなのか。
そういう私も写真を撮っています。周りを見回して、パッと出して、パッと撮って、パッと片付けて、また周りを見回して。盗撮かよ(笑)。日本でこんな事したら、むしろ不審人物ですね。
ーコリエンテス通り。朝早いので人はまばらですー
オベリスコのある交差点で東に曲がると、そこはコリエンテス通りです。おしゃれなカフェが多く並ぶコリエンテス通りですが、朝が早いため閑散としています。この通りをまっすぐ進むと5月広場に至ります。
ー5月広場。右奥の赤い建物が、大統領府ですー
アルゼンチンが独立した5月革命にちなんで名づけられた「5月広場」にやってきました。この5月広場周辺はモンセラート地区と呼ばれます。5月広場ではいろいろなイベントが開催されていることが多いとのことで、私が訪れたときも5月広場からコリエンテス通りにかけて、一部道路を封鎖して何かイベントを行っていました。
5月広場に面して、東側にあるのが大統領府です。朝早いので中に入ることができません。
同じく5月広場の北にあるのが大聖堂(カテドラル・メトロポリターナ)です。こちらも時間が早いので中に入ることができません。
5月広場の西側にあるのがカビルド。本来は行政機関らしいですが、博物館になっているそうです。こちらも朝早くて中に入ることはできません。仕方がないので外から建物を眺めます。
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ブエノスアイレスバスを利用する
5月広場の近くに、ブエノスアイレスバス社のオフィスがあります。ヨーロッパの多くの都市でよく見かける、観光客用の周遊バスです。街中の観光地を順に巡り、乗り降り自由です。
ーブエノスアイレスバスは黄色の車体で目立ちますー
私は今までいろんな都市を訪れましたが、観光用周遊バスを利用したことはありません。ずっと、公共交通機関(バスや地下鉄)を使用してきました。公共交通機関の方が安いですし、目的地に直行してくれるので早いからです。
ーブエノスアイレスの街中には黄色のバス停があちこちで見受けられますー
今回訪れたブエノスアイレスでは、とにかく治安が悪いと吹き込まれてきていました。路線バスや地下鉄は怖くて乗れません。歩いて回れるほど小さな都市でもないので、何らかの交通手段が必要です。そこで、ブエノスアイレスバスの利用を決断しました。
日本を出る前に、Webでチケットを購入しています。1日670ペソで約2700円です(ガイドブックでは490ペソ、当時のレートで約2900円でした)。チケットは印刷して持参します。バスで直接チケットを購入できないので、このようにして事前に購入していない場合は、オフィスで購入する必要があります。朝9時より運行が開始となり、30分毎にバスがやってきます。ただし、それぞれのバスが早すぎたり遅すぎたりするので、時にはバスを追い越すようなこともあります。
私がバス停に行くと、待っている人はいませんでしたが、9時になったときには15人程度が集まっていました。乗り込み開始時間になり、さっそく乗り込みます。運転手さんがチケットを確認していました(目視確認なのでちゃんと確認できていたのかどうかは不明です)。
バスの2階はオープンになっているので、写真の撮りやすさや景色を考えると、やはり2階がいいですよね。私も2階に上ります。
ただ、この日は激寒の日です。バスが走ると凍てつくような風が吹き込みます。ここまでそこそこの距離を歩いたので、ある程度体が温まっていましたが、どんどん体が冷えてきました。
席にはオーディオガイドがついていて、イヤホンを使用すると観光地の解説を聞くことができます(イヤホンは持参が必要です)。いろいろな言語に対応しており、日本語もあります(ネイティブの日本語ではないので、少し違和感はあります)。
さて、ブエノスアイレスバスでの観光を始めましょう。
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