飛行機に乗って旅をするとき、もっとも恐れる事態が遅延と欠航です。乗り継ぎが控えている場合は特に問題です。フルサービスキャリア(LCCではない一般航空会社)だとある程度のフォローが期待できますが、どうにもならないこともあります。様々なケースと、どのような対応があるのか、実体験例を含めてお示ししていきましょう。
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目次
はじめに
クレジットカードによっては、飛行機の遅延補償が付いている場合があります。ゴールドカード以上のカードであればほとんどのカードで補償が付いてきます。多くの場合、4時間以上の遅延あるいは欠航が条件になります。30分や1時間くらいの遅延ならあまり影響がないと思いますが(このくらいの遅延はよくあるので、許容範囲内で旅程を組む方がいいと思います)、1時間を超えてくると厳しいですよね。
補償の条件として、対象となるクレジットカードでチケットを購入していることが条件になることも多いです(利用付帯といいます)。プラチナカードでは所持しているだけで補償対象となる自動付帯のカードもあります。
したがって、航空券を購入する際には、利用付帯カードで決済するのが望ましいのですが、ほとんどの航空会社発行カードで遅延補償が付帯していません。JALカードはゴールド以上のJCBカード、ANAカードはゴールド以上のJCBカードとプレミアムアメリカンエクスプレスカードのみ附帯します。これは、JALにしろANAにしろ、自社航空会社であるていど補償するので、カード補償はいらないと考えていると思われます。
ここで問題になるのは、航空会社の補償だけで十分なのか、不十分ならその対策はどうするか、クレジットカードの補償は十分なのか、不十分ならばその対策はどうするか。以上の4点で考える必要があります。自験例を中心に見ていきましょう。下記に出てくる事例は、2018年~2019年の2年間に経験しました。私は月1回ぐらいしか飛行機旅行をしないのですが、遅延率高いんです・・・。
遅延・欠航の体験例
欠航時や遅延時の航空会社の補償は十分なのでしょうか。事例をもとに見てみましょう。
自験例1:LCCで3時間遅延し、乗り継ぎもできない(国内線)
ずいぶん特殊な事例ですが、LCC(ジェットスター)が3時間遅延(到着機遅れ)し、目的地の空港で乗り継ぎができないケースでした。別会社チケットなので、航空会社側での乗り継ぎ補償はありません。
乗り継ぎ不可能なので、遅延が決定した時点で旅行中止を判断しました。遅延していましたが欠航ではありません。この場合、払い戻しを受けられないことも多いですが(特にLCCでは)、今回のケースでは払い戻ししていただけることができました。
LCCでこの対応はかなりいい対応と考えられます。飛行機は遅延しているものの出発は予定しているので、厳密には払い戻し義務はありません。乗り継ぎできなかった補償はありませんが、会社側に補償する義務もありません。幸い、乗り継ぎ先の航空会社も無償で払い戻しをしていただけました(たまたま、乗り継ぎ先の空港が条件付き出発の対象空港になっていたため)。
ちなみに、今回のケースでは、遅延が3時間にとどまったので、クレジットカード補償の対象にもなりません。チケットの払い戻しはあったものの、旅行は中止せざるを得なくなってしまいました。
3時間以内の遅延は、払い戻ししてもらえればめっけもの
自験例2:1時間30分遅延した(国内線)
よくある事例ですね。最近では大手航空会社でも、LCCほどではないものの、かなり頑張って飛行機を運用しています。1度遅延すると、ドミノ倒しのように遅延が雪崩をうつので、後の時間帯に遅延便が増えます。冬場の北海道・東北便も遅延が頻発します。
私の場合、大手航空会社利用時でした。昼食後に保安検査場をパスしてから遅延がわかりました。とりあえず搭乗口のカウンターへ。1,000円のお食事券が配布されましたが(空港内の店舗で利用可能)、昼食をとったばかりなのでお腹がいっぱい。もっと前に言ってほしかったなあ。
ペットボトルなどでもOKだったので、小腹がすいたときの食べ物や飲み物を購入しました。もちろん早く目的地に到着したかったので、ラッキー気分にはなりません。
このケースの場合も、遅延が4時間以内にとどまるためクレジットカード補償の対象にもなりません。ちなみに、飛行機に搭乗してから遅延が発生することもあり、その場合はお食事券がいただけることはありません。
遅延時にお食事券をもらえることもある
自験例3:フライトが飛ばないが、後続フライトに乗れた(国内線)
これは大手航空会社のケースです。地域航空会社の共同運航便として、大手航空会社の便名でチケットを購入しました。空港へバスで向かっている途中で、欠航の連絡が入りました(欠航事由:機材繰り)。スマートホンで確認すると、該当便は欠航です。次の便はすでに満席で、2便後の便なら空席がありました。空席のある便に変更をいれます。
変更によって仕事に遅れてしまいます。満席だった便に乗ることができれば、ぎりぎり仕事に間に合う状況です。まずは空港についてからキャンセル待ちが可能かどうか申請しました。今回は航空会社側の責任による欠航なので、キャンセル待ちは可能でした。幸い、キャンセル拾いができたようで、キャンセル待ち成功です。2時間遅れの出発となりました。
このケースでは大手航空会社でしたが補償は出ませんでした。4時間以内に代替便に乗ることができたので、クレジットカードの補償は出ません(保険会社に確認しました)。まとめると、普通に遅れただけと同じ状況です。
欠航しても4時間以内に代替便に搭乗できればクレジットカードの補償は受けられない
自験例4:フライトが飛ばずに後続便もない(国内線)
大手航空会社でのお話。空港についてから保安検査場に向かおうとしたら欠航の文字がありました(機材繰り)。厳しいことに、後続便の設定もありません。カウンターに向かうと、新幹線に振り替えの提示でした。
新幹線に振り替える場合、いったん航空券は購入価格で払い戻しになり、新幹線でかかる費用との差額は航空会社で負担していただけます。今回のケースでは新幹線の方が費用が安かったので、単に払い戻しで終わりです。お詫びとして1,000円いただけましたが、焼け石に水とはこのことでしょうね。新幹線駅に出る必要もありますし、むしろ出費は増えていきます。
この場合は、クレジットカード補償があれば補償対象になります。ただし、「出発空港での食事代」のみが補償されます。到着空港へ向かう途中の食費や、到着空港あるいはその周辺での食費は補償されないことになります(保険会社に確認しました)。
私の場合、2万円までの補償があったのですが、出発空港でいただいた食事は2,000円くらいだったかな。先を急いでいるのに、悠長に2万円分も食事をしてられないですよね。2,000円のために書類を送付してもらう手続きをして、書類作成をして、書類を郵送して・・・、うーん割が合いません。ということで、あきらめました。
クレジットカードの欠航補償は出発空港での食費のみで利用が難しい
自験例5:飛行機が遅延して公共交通機関が全て終了済み(国内線)
最終便に搭乗した場合に起こるケースです。伊丹空港の場合は、遅延に伴って伊丹空港の利用時間外になってしまうので(午後9時に終了)、関西空港に振り替えになってしまいます。関西空港は23時ぐらいでも公共交通機関があるのですが、さすがに24時近くになると公共交通機関がストップしてしまいます。
今回は24時近くの関西空港のお話です。JALもANAも23時ごろ着の便がありますが、これが遅れると公共交通機関(バスや電車)が無くなってしまいます。代替手段としては、タクシーの一択になりますよね。自験例では、搭乗時に、公共交通機関の交通費を補填する書類を配布していました。後日、かかった費用の領収書等を送付すれば、費用を振り込んでいただけるようでした(上限あり)。幸い、公共交通機関が残っている状況で到着したので、予定通り帰ることができました(タクシーだと金額上限に引っかかって、手出しの出費が大きくなるので)。もしもの場合は乗り合いで帰るほうがよさそうです。
私の知り合いの場合は、一律5,000円が配布されたようです。また、臨時バスが運行されることもあるようです(その場合は、配布されたお金の返却が必要)。いずれにしても、お得になることはないでしょうね。
遅延により公共交通機関が無くなった場合、一部費用が補填される
これらの旅行以外も、1時間程度の遅延はざらに受けています(笑)。15分以内の出発は定時運航とされるようですが、私の場合、定時率は70%を切っていると思います(定時率90%以上ってホントかなあ)。私が遅らせているわけではないんですけどね。ある時なんか、往路も復路も遅延で、定時率0%の旅になってしまいました。
愚痴はこれくらいにして、傾向と対策を考えていく必要があります。
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クレジットカードの遅延・欠航補償の注意点
もちろん、遅延補償があるカードを所持する必要があります。そして、ほとんどの場合、そのカードで購入する必要があります(利用付帯のケース)。
先に書きましたが、JALカードやANAカードのほとんどは遅延補償が付帯していません。その中でJCBカードのみがゴールド以上で自動付帯します。もともとJCBは、プロパーカード(JCB自身が発行して提携のないカード)でも同様のサービスがあります。しかも自動付帯です。ということで、JCBゴールドカードを持っておけば、JALカードやANAカードなどで発券しても補償を受けることができます。少し年会費が高めですが、審査ハードルは高くないのでお勧めになります。
遅延・欠航補償はJCBゴールドカード(プロパー)がおすすめ
ただし、4時間以上の遅延が条件です。欠航しても2時間以内に振り替え搭乗できれば補償されません。また、保険内容にもよりますが、基本的に1万~3万円の食事代補償のみになります。遅延してバタバタしている状況下で、あるいは振替の便も決まらない状況が続いているときに、食事をする余裕はなかなかないと思います(そもそも、補償内容限度まで支払う食事って、どんだけ高級やねん)。
現実的には、欠航が決まって出発が翌日になるような状況でないと使いづらいと思います。必要書類を送ってもらい、書類作成するのも大変です。遅延証明書を忘れずに入手する必要があります。eチケットが頻用されている現状では、搭乗予定であったことを証明するのは意外に難しいです。
結局、代替便の手配は航空会社の裁量に任されてしまうので、遅延の対策はクレジットカードではどうにもならないのです。特にLCCの場合、他社便への振替はほぼ無理なので、航空会社の後続便の空き具合次第になります。
補償は食事のみ 搭乗予定と遅延の証明は大変!
海外旅行の場合は、カードの補償内容にもよりますが、衣服代なども補償されることがあります。特にロストバゲージの場合はありがたいです。外資系航空会社ではロストバゲージの補償が全くないことも少なくないので、ありがたい補償です。
航空会社の遅延・欠航補償の注意点
大手航空会社は1時間以上遅延の場合は食事代を提供してくれる場合が多いです。提供がないこともあります(私の印象では半々かなあ)。インフォメーションしていないこともあるので(しているのかもしれないけど、聞き逃しやすい)、とりあえず搭乗口カウンターへ行ってみるのがいいです。
遅延によって公共交通機関が無くなってしまった場合、上限こそありますが費用の補填があることも多いです。いずれにせよ、金銭的に得をすることはありません(オーバーブッキングの後続便振替なら、マイル付与や謝礼金が発生することがあります)。
あとは振替ですね。基本的に自社後続便への振り替えになりますが、フルサービスキャリアだと、他社便も含めて振替していただけることがあります。他社便振替になった場合、マイル付与や会員サービスが引き継がれないので、損した気分になるかもしれません。また、欠航理由が天候の場合は、振替の選択肢が渋めになります。
目的地までの移動手段は手配してもらえる 上乗せの謝礼は期待できない
問題は乗り継ぎですね。乗り継ぎ前後のフライトチケットを一括購入していての遅延は、航空会社も何らかの手配をしてくれるでしょう。別々の購入(別切り)でも同じ航空会社なら少しは考慮していただけると思います(期待しすぎないように)。別会社だと、同情はしていただけると思いますが、航空会社に補償義務はありません。
ですから、チケットは一連の行程を一括購入が原則です。もちろん、MCT(Minimum Connecting Time:最低乗り継ぎ時間)を確保する必要があります。Webで航空券を一括購入する場合は、MCTを考慮して乗り継ぎ便が表示されますから、あえて考える必要はありません。MCTを守ったチケットで乗り継げなかった場合は、航空会社がなんらかの手配をしていただけると思います。
乗継便の遅延が怖いなら、チケットを別切りにしてはダメ
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まとめ
今回は、飛行機の遅延・欠航とその補償に関して、体験談をもとに書いてみました。まとめると、安全に行くなら、チケットをフルサービスキャリアで一括購入することです。クレジットカードの補償はあまり期待できません。たまたま自分に当てはまって利用出来たらいいかな、ぐらいの気分で利用しましょう。
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コメント
いつも楽しく旅行されてうらやましいなーっと思っていましたが。。。
飛行機の遅延・欠航とその補償などの、さんざんの目に合う事も経験されてるのですね。