【世界一周解説編26】世界一周航空券で”プレミアムメンバーステイタス2021獲得チャレンジ”に挑んでみる?

世界一周航空券に関していろいろ解説しているこちらのブログ。コロナ禍が世界中で蔓延している状況では世界一周航空券を利用するなんて夢のまた夢です。

ところで、2020年12月に、ANAが面白いキャンペーンを発表しています。プレミアムメンバーステータス2021獲得チャレンジです。従来の上級会員資格取得より、ハードルが下がっています。もし(万が一)2021年にコロナ禍が終息したら、世界一周航空券を利用すると上級会員取得に有利なのでしょうか。

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1.プレミアムメンバーステイタス2021獲得チャレンジの条件

世界一周航空券利用の有無にかかわらず、航空会社の上級会員になるには、飛行機にのってマイレージポイント(会社によって呼び方は違いますが)を獲得する必要があります。ANAならプレミアムポイント(PP)と呼びます。5万ポイント取得すれば、半永久的に上級会員になれるステータスを獲得できます。ANAならプラチナといったステータスですね。

プラチナ会員になると、Super Flyers Card(SFC)会員になる権利が発生します。会員になるには、専用のクレジットカードを発行する必要があります(審査もあります)。いったんSFC会員になると、クレジットカードを維持するだけで(年会費を払い続けるだけで)、プラチナ相当の会員サービスを受けることができます。

このマイレージポイント5万ポイントというのは、搭乗距離や獲得マイルと少し違います。ただ、PPは、搭乗距離から算出されるため、基本的には長距離路線に乗った方が獲得ポイントは多くなります。路線やチケットの種類によって獲得ポイントに修正が加えられます。

PPは1年間(1月~12月の間)で貯める必要があります。また、5万ポイントのうち、半分にあたる2.5万ポイントは、ANAグループ便搭乗で獲得する必要があります。

ステータス 通常条件 キャンペーン条件1 条件2 条件3
ダイヤモンド+モア 設定なし 15万PP 7サービス 600万円決済
ダイヤモンド 10万PP 8万PP 4サービス 400万円決済
5万PP 7サービス 600万円決済
プラチナ 5万PP 3万PP 7サービス 600万円決済
ブロンズ 3万PP 1.5万PP 4サービス 400万円決済

条件1~3を全て達成する必要があります。条件3はANAカードで1年間(2020年12月16日(水)~2021年12月15日(水))に必要な決済です。ええ、普通に生活していると無理ですね。そもそも、年収2,000万円を超える高額所得者向けのキャンペーンだということがわかります(年収2,000万円でも税金で半分は飛んじゃうのでぎりぎりでしょう)。

サービスとは、ANAのふるさと納税、ANAの保険、住まい de MILE、ANA STORE @SKY(あるいは国際線機内販売)、空港内店舗(ANA FESTAあるいはANA DUTY FREE SHOP)、ANAショッピング A-style、ANAトラベラーズ、ANAマイレージモールANAカードマイルプラス、ANAマイレージクラブモバイルプラス、マイルが貯まるその他加盟店、以上11サービスのうち必要サービス数を利用する必要があります。太字で書いた7サービスが、なんとか達成可能です。

ダイアモンド+モアは、今回初めて設定されたランクですね。飛行機に乗っているだけでは達成できない資格です。

ダイアモンド+モアの特典(ANA公式HPより引用)ダイアモンド会員特典に加えて、
1 マイルからANA SKY コインへ特別交換倍率2.0倍のボーナスコインをプレゼント
2 ANAカードファミリーマイルに登録のご家族へ「ダイヤモンドサービス」ステイタスをプレゼント

SFCを目指すなら、プラチナ資格で十分ですが、この際ダイヤモンドを狙ってみるのもいいかもしれません。いずれにしても、条件2は比較的容易です。ハードルが下がった条件1と、かなり難しい条件3をなんとかしなくてはなりません。

※2021年3月22日(月)から2021年6月30日(水)まで、ANA便でプレミアムポイント2倍キャンペーンが実施されています。搭乗してもらえるプレミアムポイントは半分で済みますが、それより難しいのは決済金額の方なんですけどね。

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2.プレミアムポイントの獲得方法とルール

基本的にプレミアムポイント(PP)は飛行機に乗らないと獲得できません。PP獲得のキャンペーンはほとんどありません。上級会員ステータス獲得者に、2ヵ月程度の間、5-10%程度のPPをボーナスで付与するキャンペーンが毎年実施されていますが、PP獲得が楽になるというほどではありません。

ここで1つ注意点があります。通常条件だと、ダイヤモンドだと10万PPのうちANAグループ便が5万PPでOKです。プラチナだと5万PPのうち2.5万PPがANAグループ便、ブロンズだと3万PPのうち1.5万PPがANAグループ便です。今回のキャンペーンでは、全てANAグループ便でPPを獲得する必要があります。

キャンペーンにおけるANAグループ便の定義は、キャンペーン内に詳細に説明されていません。 ANAマイレージクラブの説明と同等と考えると、ANAグループ(ANA・ANAウイングス・エアージャパン)運航便あるいはANA便名の国内線コードシェア便(IBEXエアラインズ、AIRDO、ソラシドエア、スターフライヤーおよびオリエンタルエアブリッジが運航する日本国内のコードシェア便で、ANA便名にてご予約・ご搭乗の場合のみ)と考えられます。

国内線なら、とりあえずANA便名ならOK、国際線だとANA運航便でないとだめだと認識しておけばいいでしょう。逆に言いますと、スターアライアンス運航の共同運航便だと、ANA便名であったとしてもだめなのです。ANAグループ運航便として積算されます。世界一周航空券で予約する飛行機を選ぶ際、運航便名でしか購入できないことが多いです。また、アライアンスに加盟していない航空会社が運航する便に設定されたスターアライアンス加盟航空会社名の共同運航便は利用することができません。

世界一周航空券を予約する場合、基本的には運航航空会社の便名でしかフライトを予約できません。そして、ANAは日本発着便しが設定されていないので、世界一周航空券だとどこかでスターアライアンス運航便を利用する必要があります。今回のキャンペーンを利用するなら、無駄なフライトが発生します。

結局、世界一周航空券を利用して今回のキャンペーンで上級会員になるのは難しいと言えます。世界一周航空券を利用するなら通常条件で達成する方がいいですし、今回のキャンペーンを利用したいなら通常のチケットの方がいいです。

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3.上級会員を目指す方法をシミュレーションしてみた

せっかくですので、今回のキャンペーンを利用して上級会員を目指す方法をシミュレーションしてみましょう。

1.プラチナ会員を簡単に目指してみる

とりあえずプラチナ会員を目指してみましょう。条件2は比較的容易ですから、条件1の3万PPと条件3の600万円決済を達成すればよいわけです。

日本とアメリカやヨーロッパをビジネスクラス(Cクラス)で2往復すれば、2.9-3.2万PPになります。料金は130-150万円くらいですから、あと450万円なにかに使えば達成可能です。とにかくお金にものを言わせれば、さっさと達成できます。

通常条件だと、ニューヨークあるいはオーストラリアならビジネスクラス3往復で達成可能です(ヨーロッパや他のアメリカでは不足してしまいます)。いずれにせよお金はかかるのですが、キャンペーンの方が旅行せずに済みます(ちょっと本末転倒ですが)。

2.ダイヤモンド会員を目指してみる

条件1の8万PPと条件3の400万円を目指してみましょうか。

日本とアメリカやヨーロッパをビジネスクラス(Cクラス)で5往復すれば、8万PPくらいになります。料金は350万円くらいですから、あと50万円なにかに使えば達成可能です。うーん、もはや貴族の遊びですね。

条件1の5万PPと条件3の600万円を目指す場合、通常条件でプラチナ会員を達成した方が600万円決済すればいいわけです(すべてANAグループ便を利用)。この場合、600万円を決済するのがハードルになります。

3.クレジットカードで高額決済は難しい

どうしても600万円を決済することがハードルになってしまいます。月々50万円くらいでしょうか。普通に生活していて、業務用を除いて、月に50万円をカード決済で使うのは難しいです。

高額製品といえば、自家用車や家などでしょうか。カード決済は基本的に断られます。業者がカード会社に支払う決済手数料がばかにならないからです。

商品券や換金性の高い貴金属、電化製品は、カード会社から目をつけられることがあります。お勧めできません。

税金をカードで納付する方法もありますが、会社員は所得税などが源泉徴収されてしまうので利用が難しいです。

こうなると、個人事業主あるいは自己決済可能な出張族以外は達成が難しいですね。支払いを1つのカードに集中させるのも限度があります。私なんか、dカードや楽天カードなど、いろいろなカードをお得度に応じて使い分けてますから(せこい?)、決済を集中させると多少の損失が発生してしまいます。

ANAの2021年キャンペーンは、プレミアムポイントより、ANAカード決済の金額的ハードルが断然高いです。

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まとめ

2021年のキャンペーンを利用して上級会員を目指す場合、世界一周航空券を利用することは難しそうです。また、プレミアムポイントを獲得するより、ANAカード決済を達成するほうが困難ですし、家計が破綻してしまいそうです。

たまたま、年間決済が多くなる年ならチャレンジしてもいいかも。あまり上手な利用方法は無さそうです。

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