【飛行機のネタ】2026年国内線冬ダイヤが発表 関西空港から伊丹空港への移管の光と影 アクセスは便利になるけど最終便が続々と前倒しに

はじめに

今回のお題は2026年冬ダイヤにおける関西圏航空路線の光と影です。

2026年8月18日以降、国内航空会社が2026年冬ダイヤを発表しています。ジェットスタージャパンはブランド移行予定のためか発表が遅れていましたが、8月28日時点で全て出揃いました。

関西国際空港第1ターミナル

関西圏のフライトに関わる大きな変更は下記のとおりです。

JAL
伊丹空港 九州路線を減便して北海道路線へ移行
・北海道路線を通年化 女満別、旭川、帯広路線 千歳線も増便5⇒6
・九州路線を減便 福岡4⇒2、大分3⇒2、熊本4⇒2
・新潟路線を減便 新潟4⇒3
・那覇路線を増便2⇒4
関西空港 那覇路線を伊丹空港へ移管
・那覇路線を減便3⇒1
関連会社
・FDA 特になし
・天草エアライン 特になし
・ジェットスタージャパン 成田増便3⇒4、那覇便減便2⇒1

ANA
伊丹空港 九州路線を減らして北海道路線へ移行
・北海道路線を増便 札幌5⇒6〜7 函館1⇒2
・九州路線を減便 福岡5⇒4 大分4⇒2
・那覇路線を増便4⇒5~6
・松山路線を減便8⇒7
・羽田路線を減便15⇒14
関西空港・神戸空港 特になし
関連会社
・ピーチ 関西空港 釧路線 女満別線を休止
・IBEX 伊丹空港 福岡路線2⇒0 大分路線2⇒4
・ソラシドエア 特になし
・スターフライヤー 特になし

スカイマーク
2026年夏ダイヤで増便されていた新千歳路線と那覇路線が元の便数に戻る
・新千歳路線 5⇒4 那覇路線5⇒4 茨城路線3⇒4

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JALもANAも九州路線を北海道路線へ振替

今回の改定で目立つのは、九州路線の減便と北海道路線の増便です。

伊丹空港は梅田や三宮からアクセスしやすい好立地にあり神戸空港や関西空港に比べて人気ですが、運用時間と運行便数に大きな制限があります。運行便数は1日370便(うちジェット機200、プロペラ・低騒音機170便)、運行時間は7時から21時です。この2つは厳しく守られていて、今後さらに厳格になる予定です。

大阪伊丹空港ターミナルビル

JALもANAも冬季に需要旺盛な北海道路線を充実させるため、九州路線を減便しました。特に福岡と大分が目立ちますね。新幹線で代行可能な福岡はともかく、大分の減便は厳しいところですが、特にJALの大分便は利用率が70%を割っているため、採算上やむを得ないのかもしれません(ANAはIBEX便に振替をしているので実質減便無し)。

ただ、福岡便の減便は想定外の印象です。利用率が高く新幹線に対する時間的アドバンテージもあります(伊丹ー福岡便は満席で予約できないことも多い)。JAL、ANA、IBEX合わせて5便の減便となります。これだけ減便するとかなり価格が高騰しそうですし、顧客離れや機会損失にもつながる印象です。このあたりの戦略は私には理解できませんね。

ここまでは、どのサイトでも考察されている内容です。ここから先は、私の個人的な印象です。

関西空港国内線の縮小が加速・大阪地区の最終便が繰り上げ

2026年冬ダイヤの改定で伊丹空港の総便数は変化していません。大阪3空港全体でもあまり変化が無い印象です。ただし、国内線の関西空港縮小が加速しています。2026年冬ダイヤのトピックスは、伊丹空港の路線調整より関西圏の最終便繰り上げにあると思っています。

関西空港では、ANAが2026年夏ダイヤで羽田便のみに縮小していましたが、今回の改定でJALの那覇便もわずか1便が残るのみになりました(石垣便と宮古便は健在)。ここ数年で、関西空港の国内線は伊丹空港に移管されるだけでなく、ジェットスターやピーチといったLCCにも移行しています。

関西空港第2ターミナル国内線

広い目でみると、LCCも関西空港より成田空港に軸を移しつつあり、関西空港のLCC便数や就航路線は段階的に減少しています。また、LCCは関西早朝発の便が多い一方で、夕発の便は少ないです(関西・成田路線は例外)。これは、ほぼすべての機材が成田や関西といった都市部のハブ空港で夜間駐機となる運用にしているためです。

伊丹空港は運用時間の制限があるため、20時台に出発するフライトはほぼありません(少しでも遅延すれば欠航になってしまうため)。

これらの結果、大阪地区を出発する新千歳や那覇路線の最終便がどんどん早くなっています。以前は20時台に複数見られたJALやANAのリゾート路線出発便が、今回の改定で0になりました。

2026年の夏ダイヤ及び冬ダイヤの改定により、JALおよびANAの関西空港便が伊丹空港に大幅に移管されています。関西空港の新千歳便はそれ以前から伊丹空港へ多数移っています。伊丹空港の方が大阪市街からアクセスが良いため、最終便が早くなっても便利になるので問題ないという意見もあるかもしれません。実際、北摂や神戸方面の方は最終便が繰り上がっても空港まで近いので、自宅を出る時間は以前と変わらないでしょう。もちろん、和泉・泉南地区は不便になりますが、大阪・梅田近辺でも出発時間が繰り上がる形になります。

たとえば、JAL系日本トランスオーシャン(JTA)は関西空港20:25発那覇空港行きを運航していましたが、2026年冬ダイヤで伊丹空港19:40発那覇空港行き移行します。梅田発のリムジンバスだと、18:45発関西空港行きリムジンバスで利用可能だったのに(19:00発でも理論的には可能ですがちょっと厳しい)、18:30発伊丹空港行きのリムジンバスに乗る必要があります(渋滞に巻き込まれると危険なので18:10発の方が安全かも)。バスだけで判断すると不公平ですが、電車アクセスを加味して考えても同様の状況です。

15分程度の差と言われるかもしれませんが、夜のリゾート便は仕事終わりに利用するケースが多くなります。オフィスの多い大阪環状線周辺に職場のある方は、時間が繰り上がると終業後の移動がかなり慌ただしくなります。終業時間次第では、この時間の差が原因で利用できなくなってしまう方もいらっしゃるかもしれません。すでに新千歳便では最終便が19:15(JAL伊丹発)まで繰り上がっていて、利用が難しくなっています。

24時間運用可能な関西空港の国内線が減少し、時間制限ガチガチの伊丹空港に集中しているから生じている現象です。伊丹空港の運行時間制限が今後さらに厳格化することが予定されています。欠航や関西空港転送(ダイバート)のリスクでハラハラしながら利用することになりそうです。

8月29日追記:関西空港発の最終列車はJRも南海も23時台と早いので、便の遅延次第では大阪市街まで戻れないケースもあります。

神戸空港空撮

ちなみにスカイマークの神戸路線でも最終便の繰り上げが発生してます。運用機材が増えたため2026年夏ダイヤで那覇路線と新千歳路線で増便されていたのですが、21:25発那覇便が減便となったので最終便が18:45発となり、新千歳路線も減便の影響で最終便の時間が繰り上がっています(18:25⇒17:25)。

観光立国と声高に提唱しているのにいただけない現状です。国土交通省が日本の国内線路線の調整に入っていますが、私の目には、むしろ引っ掻き回して不便にしている印象です。そもそも羽田空港のカオスな混雑状況を作り出しているのは国土交通省ですからね。

まとめ

今回も辛口な記事になってしまいました。

日本の夜の交通網は、航空業界だけでなく、鉄道も夜行列車が下火で(観光夜行列車は増えていますが移動系夜行列車が壊滅状態)、夜間の路線バスや空港リムジンバスもほぼ無く寂しい状況です。仕事終わりに国内旅行に出かける時間の壁がどんどん高くなってきています。

海外では夜間も路線バスや空港リムジンバスあるいは鉄道の空港アクセス線がある程度維持されていて、夜間の列車も寝台列車だけでなく通常の列車も運行しています。そのため、効率的に移動することが可能です。日本では高額なタクシーを利用するかあきらめて宿泊するしか手が無く、不便です。

関西空港は24時間運用なのにその利点を十分に生かせていません。廃港予定だった伊丹空港が存続していることが根本原因にありますが、空港への交通アクセスが夜間に運用されていないことも一因です(これは羽田や成田も同様)。コンビニや警察、消防などの社会基盤は24時間運用で、国際線夜間フライトや長距離夜行バスは一般的なのに、国内線や鉄道、バスなどの交通インフラが深夜対応しないのは先進国の中ではイレギュラーだと思います(現状の日本が先進国なのかという議論はあります)。

2031年になにわ筋線が運用開始されると、梅田から関西空港まで30分くらいでアクセスできるようになるそうですよ。そうなるともう少し関西空港の立ち位置も向上するかもしれません。それまでに関西空港の国内線は壊滅しているかもしれませんが。

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