【国内鉄道旅】2024年 西九州新幹線(長崎新幹線)に乗ってみた 新大村駅と新幹線かもめ

はじめに

2024年春、長崎アイランドホッピングを楽しみながら、西九州新幹線に乗ってきました。

2024年、長崎は熱いです。西九州新幹線(長崎新幹線)が部分開通し、長崎駅が大幅リニューアルしました。長崎駅前広場も部分的に運営開始され、駅前にアミュプラザ長崎の新館が2023年11月にオープンしています。

新幹線開通に合わせて、外資系ホテルが順次オープンしています。2021年11月にヒルトン長崎が長崎駅前の出島メッセ長崎内にオープンし、2024年1月にはアミュプラザ長崎新館の上層階にマリオット長崎が開業しました。

新幹線開業効果が出ているのかどうかわかりませんが、長崎駅前は多くの人でにぎわっています。

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長崎空港からJR新大村駅へ

鉄道と並ぶ長崎玄関口は長崎空港です。新幹線開通前の長崎空港利用者数はかなり多く、政令指定都市のある広島空港を上回っていました(広島には新幹線もありますからね)。

長崎空港から長崎市街に向かうには、バスがおすすめ。片道大人1,200円で、JR長崎駅まで所要時間43分です。乗り換えなしで市街地まで行けるのが魅力です。ほぼ一択ですね。

長崎空港の最寄り駅は直線距離でみるとJR大村線の諏訪駅です。現実的には直線方向に道路が設置されていないので、1つ北側の新大村駅の方が時間的距離は短くなります。

大村市は空港の対岸にある街で、橋で繋がっています。

長崎空港からJR新大村駅へ路線バスが運行しています。佐世保方面のバスで13分(2023年から新大村駅を経由するようになっています)、長崎駅行き(昭和町経由のみ停車)で11分です(植松東下車徒歩5分)。JR新大村駅は西九州新幹線の停車駅で、新大村駅から長崎駅まで約15分です。

バスは1時間に約1~2本で新幹線も1時間に1本程度です。バスダイヤと新幹線ダイヤが全く連絡していないので、乗り継ぎに40分以上の待ち時間が発生することがあります。

長崎空港から新大村駅間をタクシー利用すると(実際に利用したところ)、所要時間15分くらいで2,470円でした(渋滞無しで普通に利用)。路線バスで11~13分設定になっていますが、まず無理だと思います。

長崎空港から長崎駅までのバス+新幹線での所要時間は1時間以上を見ておく必要があり、それならバスに乗った方が早いし安いし楽です。常識的に考えて、長崎空港から新幹線で長崎駅に向かう選択肢はありえません。

私の場合、とにかく新しい車両に乗ってみたかったので、普通ではありえない選択肢ですが、新幹線を利用してみました。長崎アイランドホッピングで壱岐空港から長崎空港に戻ってきた後、長崎市内に向かいます。

長崎空港に到着したのは17:10でした。定刻に到着し、17:12には到着フロアに出ていました。新大村駅行きのバスは17:30発で新大村駅17:43着です。新大村駅発の新幹線は18:30なので47分待ちです。47分あったらバスで長崎駅までいけちゃいます。

18:30発の前は17:39発です。路線バスでは間に合いません。ということでタクシーを利用しました。17:27くらいに新大村駅に到着しました。十分余裕をもって乗り継ぐことができました。

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JR新大村駅

大村市の中心はJR大村駅になります。JR新大村駅は新幹線の開通に伴って2022年に開設されたばかりの駅です。この駅が設置されることに伴い、JRの最長片道切符の終着駅が新大村駅になりました(出発駅は稚内駅)。鉄道路線好きの方には有名です(2024年3月31日の根室本線廃線に伴い、営業キロで計算すると別の発着駅に変わっています)。

新大村駅はJR九州ではなく大村市の管理する公的施設です。当初の計画には無かったのですが、大村市が費用を負担して建設されました(請願駅と呼ぶそうです)。

新大村駅は一部の新幹線が通過します。車両基地が近くにあるため、1日数本程度新大村駅が始発あるいは終着の列車があります。

駅の東側が駅前正面になります(さくら口と呼ぶらしいです)。西側(さざなみ口と呼ぶそうです)にもロータリーがありますが、東側に路線バスやタクシーのロータリーがあります。西側は駐車場もあります。駅の東西は歩行者用地下道で結ばれていますが、北側には地上踏切もあります(在来線の踏切です)。

長崎市街に向かう路線バスの植松東停留所は、駅前広場を出てさらに南に歩いて大きな通りに出る必要があります。

駅前広場はやや閑散とした雰囲気で、人影もまばらでした。駅前に建築中のマンションもありますし、無印良品の店舗もあるので、徐々に利用者が増えてくると思われます。

JR新大村駅は、新幹線駅が新設されると同時にJR大村線の在来線駅も新規に設置されています。

新大村駅と諫早駅間は、JR在来線とJR新幹線が併走しているかたちになります。通常、新幹線が新設される際、並行在来線をJRが手放すという選択ができます。なぜかJR大村線は対象にならず、JR長崎本線の諫早ー江北(肥前山口)間が対象になりました。

分離時の約束で、諫早ー江北間は分離後20年間JR九州が運行予定です。ただし、コストダウンのために非電化路線になっています。西九州新幹線の開業で一番割を食ったのは諫早ー江北間で、大村線沿線は在来線が残った上に新幹線駅ができたので勝ち組ですね。新幹線新設と並行在来線の位置づけは問題になりがちです(北陸新幹線でも小浜市への延伸と湖西線廃止が問題になっています)。

閑話休題。新大村駅の話に戻しましょう。

在来線駅は無人駅になっていて、改札はありません。交通系ICカードが利用可能です。

JR大村線は単線非電化路線で、ホームは1面1線です。切符の券売機はホームに設置されています。

在来線の入口には改札がありませんが、新幹線の入口には改札があります。在来線からの乗り継ぎ、あるいは在来線への乗継には、いったん改札の外に出る必要があります。

JR線同士の乗り継ぎで改札外に出るのは珍しいですが、1980年以降に新設された新幹線駅ではときどき見かけます(東海道新幹線三河安城駅や東北新幹線古川駅など)。

在来線からの乗り継ぎの場合は、そもそも新幹線まで通しで乗車券を持っているのがレアケースになるので(通しの乗車券を購入する手段があまりない)、多くの場合で都度清算になるため問題なさそうです。在来線への乗り継ぎは乗車券が引き続き必要なので、新幹線改札から出る際は乗車券を忘れずに回収しましょう。

改札内に入りました。季節柄、雛人形が展示されていました。改札内に店舗はありません。

エスカレータでホーム階に向かいます。階段やエレベータも設置されています。

ホームは2面2線です。2024年現在の西九州新幹線の開通区間の駅には退避ホームが無く、通過待ちの設定がありません。

ちょうど17:29発のかもめ48号武雄温泉行きがやってきました。電光表示では博多行きになっていますが、これは武雄温泉で乗継連絡している特急「リレーかもめ」を含めた行き先表示です。

ホームには待合室はありますが店舗はありません。必要なものは改札外で購入してから改札を通過しましょう。

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新幹線かもめ N700S系自由席

2024年現在、新幹線かもめ号は武雄温泉と長崎間を運行しています。従来、特急かもめは、博多ー長崎間を運行していました。博多ー佐世保間を運行している特急みどりやハウステンボスとの併結運行された時期もあり、肥前山口(現:江北)で併結・分離作業が実施されていました(多層建て列車と呼ぶそうです)。

西九州新幹線の運行開始に伴い、在来線区間と新幹線区間に分けられました。新幹線区間がかもめ、在来線区間(博多ー武雄温泉)がリレーかもめと呼ばれます。九州新幹線の新八代ー鹿児島中央間が先行開業した際にも、つばめ+リレーつばめとして運行されましたが、それと同様の措置です(九州新幹線の場合、特急有明を引き継いだ形になります)。

西九州新幹線では、50km未満の駅間利用の場合に限り、自由席特急料金が870円に据え置きになります(特定特急料金と呼ばれます)。指定席だと1,790円(繁忙期1,990円)まで跳ね上がります。

特定特急料金が利用可能な区間だと自由席の利用がおすすめになります(当然ですが、自由席だと着席の保証はありません)。私は新大阪ー京都間で特定特急料金を愛用しています(最近はサンダーバードのチケットレス特急券の方が多いかな)。

かもめ43号長崎行きがやってきました。東海道新幹線のぞみなど運用されているN700S系です。西九州新幹線の場合は指定席3両と自由席3両の6両編成で、グリーン車は設置されていません。

最速は諫早駅のみ停車する列車で、所要時間23分です。頑張れば1時間で1往復できてしまいます。1時間に1~2本程度しか運行していないので、2編成あれば運行できてしまいそうですが、保守点検の必要もあるので、2024年現在5編成で運用しているそうです。

自由席は黄色のシートで1列3席+2席です。東海道山陽新幹線ののぞみと同じです。

2022年新幹線開業前の長崎駅にあった模型

ちなみに、指定席(1~3号車)は2席+2席で、のぞみのグリーン車並みの席幅があります。1号車はグレーで菊大柄のシート、2号車はモスグリーンで獅子柄のシート、3号車はきなり色で唐草柄です(色合いの表現は私の主観です)。

前席の後ろにはテーブルと小物入れがあり、アームレストにはコンセントがあります。全席に電源があるのはありがたいですね。

各車両には大型荷物置き場があります。

トイレ、多目的トイレ、洗面などが用意されています。

途中で諫早駅に停車し、長崎駅へ向かいます。わずか15分の新幹線の旅です。

17:54長崎駅に着きました。

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長崎駅へ 劇的に変化した駅前広場

終着駅ですが、櫛形ホームではありません。ホームの端がすぐに車両止めになっているので、駅に入線する際はかなりスピードを落とします(鹿児島中央駅と同じです)。

乗ってきた列車は、折り返しかもめ52号武雄温泉(リレーかもめ乗継で博多)行きになりました。

ホームから1階に降ります。改札内には店舗はなさそうです。

改札から出ました。

写真は2022年

在来線の改札は新幹線改札の右手にあります。新幹線から改札を出ることなく在来線に乗り換え可能です(乗り換え専用改札があります)。

写真は2022年

在来線ホームは2面5線です。

もともと長崎駅は貨物駅や車両センターなどを併設していたので、海側を端にして線路が多数並列していました。寝台列車も複数発着していたので、ホームや駐留線が多数必要でした。新幹線が誘致されるとともに地上ホームが高架化されています。寝台列車、車両センターや貨物駅が廃止されたので、ホーム数も絞られています。

写真は2022年

駅の西側は出島メッセ長崎があります。

写真は2022年

2021年11月、ヒルトン長崎が長崎駅前の出島メッセ長崎内にオープンしています。大浴場が設置されていて、施設内を楽しめるホテルです。

2年前の2022年に訪問した時の長崎駅東口前です。もともと地上線路、ホームが設置されていた空間です。駅前広場として整備中で何もない空間でした。

2024年春現在、東口前の駅前ロータリーもできつつあり、かなり改修が終わっていますが、完成までもう少しかかりそうです。

右手にある建物はJR九州が運営するアミュプラザ長崎の新館です(本館はさらに東側にあります)。さまざまな専門店が入っています。

屋上は憩いのスペースになっています。上層階は長崎マリオットホテルとして、2024年1月に開業しました(ホテルと商業エリアは相互に往来できません)。この日はこちらのホテルで1泊させていただきました。

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まとめ

2024年春、西九州新幹線のショートトリップでした。新幹線、新大村駅と、新しくなった長崎駅の紹介をさせていただきました。新幹線の誘致は街を大幅に変えるんですね。ここ数年で長崎市街地は劇的な変化を遂げています。

長崎は歴史のある街が多数あり、離島も多数あり、新幹線もあり、テーマパークもあり。魅力的な場所が多数あって全部巡るのも大変です。何度も訪れる必要がありそうですね。

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