世界一周航空券に関していろいろ解説しているこちらのブログ。2019年に世界一周航空券を使って弾丸世界一周で航空会社上級会員取得を目指す場合、JALかANAのどちらがおすすめでしょうか。このシリーズは3回にわたって解説したいと思います。1回目の今回は、取得へのハードルから考えてみます。
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1.マイレージポイント獲得の条件
世界一周航空券利用の有無にかかわらず、航空会社の上級会員になるには、飛行機にのってマイレージポイント(会社によって呼び方は違いますが)を獲得する必要があります。JALならフライ・オン・ポイント(FOP)、ANAならプレミアムポイント(PP)と呼びます。いずれも5万ポイント取得すれば、半永久的に上級会員になれるステータスを獲得できます。JALならサファイア、ANAならプラチナといったステータスですね。
サファイアあるいはプラチナ会員になると、それぞれJAL Global Club(JGC)、Super Flyers Card(SFC)といった会員になる権利が発生します。会員になるには、専用のクレジットカードを発行する必要があります(審査もあります)。いったんJGCあるいはSFC会員になると、クレジットカードを維持するだけで(年会費を払い続けるだけで)、それぞれサファイアあるいはプラチナ相当の会員サービスを受けることができます。
このマイレージポイント5万ポイントというのは、搭乗距離や獲得マイルはやや違います。ただ、FOPあるいはPPは、搭乗距離から算出されるため、基本的には長距離路線に乗った方が獲得ポイントは多くなります。路線やチケットの種類によって獲得ポイントに修正が加えられます。この獲得ポイントに関する詳細は、航空会社のマイレージポイントに関するもっと詳しい攻略ブログが世の中にゴロゴロありますので、そちらを参考にしてください。このブログは、世界一周航空券を使用しての上級会員攻略に関する記事なので、詳細は省略します。
JALとANA、いずれの航空会社も5万ポイントのマイレージポイントが必要だということを覚えておきましょう。そしてこれは1年間(1月~12月の間)で貯める必要があります。また、5万ポイントのうち、半分にあたる2.5万ポイントは、自社便搭乗で獲得する必要があります。
維持可能な上級会員になるには、1年で5万マイレージポイント獲得が必要(うち2.5万ポイントは自社便で獲得すること)
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2.マイレージポイントの獲得方法
JALもANAも、基本的にマイレージポイントは飛行機に乗らないと獲得できません。そして、同じ路線で同等のチケットを購入して搭乗した場合、獲得できるマイレージポイントはほぼ同等です。
JALの場合、JALカード(JAL系クレジットカード)の会員には、毎年5000FOPが付与されるキャンペーンがあります。5000FOPは非常に大きいです。たとえば、羽田ー伊丹の先得運賃(420FOP)で8往復してようやく獲得できる量です。国際線だと、羽田ーバンコクをビジネスクラス正規料金で飛行すると5779FOPです(2018年まではりそな銀行で口座をつくると1000FOP獲得できるキャンペーンがありましたが、すでに終了しております)。この5000FOPの分だけ、JGCの方が獲得が容易です。
また、JALはときどきダブルFOP獲得のキャンペーンを実施しています。以前は、新規路線を開設した際に、ビジネスクラスのダブルFOPとして、倍のFOPを付与されるキャンペーンを実施しておりました。例えば2016年には、名古屋ーバンコク便で、ビジネスクラス往復すると、2万FOP獲得できるキャンペーンがありました。それ以外にも、JALの場合は上級会員ステータス獲得者に、国内線のFOPを2倍獲得できる月を設定できるキャンペーンが毎年実施されています。
ANAはほとんどキャンペーンがありません。上級会員ステータス獲得者に、2ヵ月程度の間、5-10%程度のPPをボーナスで付与するキャンペーンが毎年実施されていますが、JALのキャンペーンほどの破壊力はありません。
マイレージポイントの獲得方法を比較すると、JALとANAではJALの圧勝です。圧倒的にJALの方が上級会員になりやすいです。
マイレージポイントはANAよりJALの方がキャンペーンが多く獲得しやすい。
世界一周航空券で予約する飛行機を選ぶ際、運航便名でしか購入できないことが多いです。また、アライアンスに加盟していない航空会社が運航する便に設定された共同運航便は利用することができません。
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3.国際線におけるマイレージポイントルールの違い
JALもANAも上級会員になるには5万マイレージポイントが必要です。5万ポイントのうち、2.5万ポイントは同じアライアンスの便に搭乗して獲得してもOKですが、残りの2.5万ポイントは自社運航便に搭乗して獲得する必要があります。自社運航便の例外として、国内線の場合は、自社便名で他社運航便(例えば、スターフライヤー便にANA便名のチケットで搭乗)でもOKです。
国際線の場合は両社でルールが異なります。
JALは「便名優先」です。例えば、JALが共同運航便に設定されているエミレーツ運行便に、JAL便名チケットで搭乗するとFOPが発生します。逆に、アメリカン航空が共同運航便に設定されているJAL便に、アメリカン航空便名で搭乗するとJALのFOPは発生しません(ワンワールド運航便としてのFOPは発生します)。
ANAは「運航便優先」です。搭乗する飛行機を運行しているのがANAの場合のみANAのPPが発生します。ANA運行便にユナイテッド航空便名チケットで搭乗しても、ANAのPPとカウントされます。
世界一周航空券を予約する場合、基本的には運航航空会社の便名でしかフライトを予約できません。ですから、JALだろうがANAだろうが、マイレージポイント獲得の難度は変わりません。
世界一周航空券による旅行を中断して日本に帰る場合、大きな違いが出てきます。
たとえば、JALやANAの運航するフライトがない海外空港でストップオーバー(24時間以上滞在)をして、日本に一時帰国するとします。JALの共同運航便が飛んでいれば、JAL便名チケットで搭乗するとFOPが獲得できます(海外発券チケットの場合、JAL便名が設定されていてもチケットが販売されないケースもあります)。ANAの共同運航便が設定されている他社運航便でANA便名チケットで搭乗してもPPは発生しません。
このように、世界一周航空券で旅行する場合、JALの方が自社マイレージポイントを貯めやすい分、上級会員になるのが容易であると言えます。
国際線では、ANAは「運航便優先」、JALは「便名優先」 JALの方がやや獲得しやすい
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4.国際線ネットワークの差
ワンワールドにしても、スターアライアンスにしても、世界一周航空券は出発都市を通らないなら、日本に入国する経路を設定できます。例えば、羽田発で、羽田→香港→大阪→北京→ロンドン・・・といった経路を設定することが可能です。羽田発で、国外に出た後に羽田で乗り継ぐ経路は設定できません。
JALにしてもANAにしても、国際線の自社便は日本を発着する便しかありません(世の中には以遠権というものがあり、シンガポール航空などは、シンガポール以外を発着する便が設定されています)。ファーストクラスならともかく、ビジネスクラスやエコノミークラスを利用した場合、日本出国便と日本帰国便で獲得できるマイレージポイントを合わせても、2万ポイントを超えることは無理です。自社便によるマイレージポイントを2.5万ポイント獲得する必要がありますから、どうしても少し足らなくなります。
ANAの国際線は東京(羽田・成田)発着便に集中しています。関西空港からは北京や上海などの近距離線のみであり、中部空港でも香港までです。これではあまりPPは稼げません。
JALの国際線は東京集中型ではありません。関西空港や名古屋からバンコクやホノルル便があります。関西空港にはロザンゼルス便なども設定されています。これらを有効活用すれば、世界一周航空券だけで2.5万FOPを獲得することもできるかもしれません(実際は少し難しいですが)。
まとめますと、JALの方が一時帰国できる経路を設定しやすく、FOP獲得にも利用しやすいと言えます。
JALの方が関西空港や名古屋発着の国際線が多い分、ルート設定やFOP獲得が有利
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まとめ
上級会員を世界一周航空券を使って取得する場合、JALとANAではJALの方がとりやすい傾向が見て取れました。どちらでもいいという方は、JALを選ぶ方が、すなわちワンワールド世界一周航空券を選ぶ方が良さそうです。
ですが、JGCを獲得したけれど、ANAしか使う機会がないのでは論外です。また、チケットの値段に差があるのなら、そちらも考慮する必要があります。次回は、コスト面から考えてみたいと思います。