飛行機旅を中心に旅行解説記事や体験記事を紹介している当ブログでのメインテーマは「世界一周航空券」です。今回はスターアライアンス世界一周航空券とANAステータス獲得に関して、2026年10月現在の状況を、ざっくりまとめ記事として紹介したいと思います。
世界一周航空券はANAステータス会員獲得に有用な方法です。単年でプレミアムポイント(マイレージポイント)50,000ポイントを獲得すれば、ANAのSFC LITE入会資格を得ることができます(ただし、ANAの自社便で25,000ポイントが必要)。SFC LITEはクレジットカードを所持するだけでANA便搭乗時にANAラウンジを利用できるようになります(2028年以降、繁忙期は利用できない可能性があります)。世界一周航空券(特にビジネスクラス)を利用すると、プレミアムポイントを短期間に大量獲得することが可能です。
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スターアライアンス世界一周航空券のルールと弾丸旅行
世界一周航空券は、日本発の場合、日本から出発して日本に帰ってくる一連の航空券です。その間に太平洋と大西洋をそれぞれ1回ずつ(1回のみ)横断する必要があります。
さらに、有効期限は出発から1年間 共同運航便原則不可 大西洋・太平洋(ハワイー北米便も)は1方向のみで逆行禁止などの細かいルールもあります。また、最低2回のストップオーバー(24時間以上の都市滞在)を義務付けられています。そのため、どんなに急いでも世界一周に5日間程度は必要です。
利用できるフライトはスターアライアンスというアライアンス(航空会社連合)に所属する航空会社が運航する便です。実際に運航していない(スターアライアンス以外の提携航空会社が運航している)共同運航便は、スターアライアンス航空会社便名であったとしても原則として除外されます。
世界一周運賃(スターアライアンス)
運賃形態:マイル制
アライアンス:スターアライアンス
ストップオーバー:2回必要
| 料金 | エコノミー | プレエコ | ビジネス | ファースト |
|---|---|---|---|---|
| 2.9万マイル以下 | 354,000円 | 553,800円 | 705,500円 | 1,141,000円 |
| 3.4万マイル以下 | 422,700円 | 632,300円 | 822,000円 | 1,344,000円 |
| 3.9万マイル以下 | 494,600円 | 734,800円 | 958,900円 | 1,504,800円 |
| 予約クラス | M(100%) | E(100%) | D(125%) | A(150%) |
燃料サーチャージ、空港使用料、税金、etcが別途必要です。
予約クラスは代表的なもので、マイル加算率は航空会社によって異なります。
弾丸旅行に使用する際に障害になるのは、最低旅行日数の制限です。ANAの所属するスターアライアンス世界一周航空券は10日以上(実質11日間以上)の制限があります。
最低旅行日数10日の意味:最低旅行日数が10日というのは、10日間以上旅行をする必要があるというわけではありません。日本から国外に出るフライトの出発日を1日目として、帰国便の出発日は10日後以降、すなわち、11日目以降ということです。帰国便の出発日と帰国日が同日なら(例えば香港発日本行きなど)最低旅行期間が11日間で済みます。アメリカ発日本行きの便などは日付変更線を越えるので、帰国便の出発した次の日に日本に着くことになるため、最低旅行期間が12日になります。
ここまでの話で、世界一周航空券では11日以上の休みがあるほうが使用しやすいということがわかってもらえると思います。有給がとりやすい恵まれた職場の方はいいのですが、日本の多くの職場では、夏季休暇でも前後の週末を加えて9連休が限界ではないでしょうか。
これをクリアする裏技は、①日本でのストップオーバー、②アジアでストップオーバーです。いずれも世界一周弾丸旅行で愛用される方法で、週末弾丸トラベラーにおすすめです。
①日本でのストップオーバーは簡単。出発地を東京以外で登録し、羽田に到着してから東京でステイ扱いにします。実際は別に用意したチケット(電車でもいいですけど)で出発地に帰り、海外への出発は後日にします。これで名目上では11日以上の旅行にすることは簡単です。
②アジアでのストップオーバーの場合、チケット上では香港やソウルなどの近場にステイした状態にして、別切のチケットでいったん帰国します。後日、滞在都市に戻って世界一周に向かう作戦です。別切チケット代が高くなりますが、アジアでの旅行を分割して実施するにはこちらがおすすめです。
その他、細かいルールは別の記事「世界一周解説編1~5」に書いてますので参照してください。
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2026年現在のスターアライアンス世界一周航空券
2026年現在、従来のスターアライアンス世界一周航空券購入時と比べて注意すべき点を並べておきます。
スターアライアンス世界一周航空券 2026年の注目点
①アシアナ航空の離脱(2026年12月)
②ルフトハンザドイツ航空、ユナイテッド航空国内線、シンガポール航空のビジネスクラスが予約困難
③サーチャージ等の付加料金が高騰
④世界一周航空券ファーストクラスの発券停止(2026年10月以降)
なかでもファーストクラス用チケット廃止は衝撃的でした。世界一周航空券はそのお得さ故に徐々に改悪傾向が続いていて、スカイチームはすでに廃止してしまっています。今後もどうなるかわからないので、「一度は使ってみたい」なら早めに予約してしまうことをお勧めします。
さて、これらの変更に関して、その現況と対策を考えてみたいと思います。
①アシアナ航空のスターアライアンス離脱(2026年12月)
韓国の航空会社であるアシアナ航空が、2026年12月16日にスターアライアンスを正式に離脱し、スカイチームの大韓航空に段階的にブランド移行します。そのため、世界一周航空券で予約することが難しくなります(2026年夏現在、11月までのフライトはまだ予約可能です)。
アシアナ航空の便は比較的予約枠が多かったので、(福岡や関空路線など)ANA便を利用できないときのアジア圏の移動の足として重宝しました。今回の決定は残念ですね。諸条件でANA便が利用できない場合、代替航空会社としてエバー航空をおすすめします。
②ルフトハンザドイツ航空(長距離路線)、ユナイテッド航空(国内線)、シンガポール航空の上位シートの予約枠が無い
2026年現在、ルフトハンザドイツ航空(長距離路線)、ユナイテッド航空(国内線)、シンガポール航空のビジネスクラス予約枠がほとんど解放されていません。
2025年以前であれば、数か月先の予約であればおおむね予約可能でした。世界一周航空券は正規割引航空券なので、ほとんどの航空会社で予約枠が多く設定されていました(シンガポール航空を除く)。
2026年現在、ルフトハンザドイツ航空はシェンゲン内路線やイギリス路線などの短距離であればビジネスクラスの予約が可能です。一方で、大西洋路線やアジア路線などの両距離路線はほとんど予約不可になっています(エコノミークラスなら可能です)。同じルフトハンザグループですが、オーストリア航空やスイス・インターナショナル・エアラインズであれば予約可能な路線も多いので利用を検討しましょう。
2026年現在のユナイテッド航空は、アメリカ国内線のビジネスクラスがほぼ予約できません。一方でアジア路線やヨーロッパ路線はビジネスクラスでも利用可能です(成田経由の以遠権路線も予約可能です)。代替航空会社としてエア・カナダをお勧めします(ただし、エア・カナダはビジネスクラスでもフラットシートのある機材が少ないです)。
シンガポール航空はもともとビジネスクラス以上の予約枠が渋かったのですが、以前であれば時期や路線を選べば予約できないこともありませんでした。2026年現在、バンコク線などの超短距離路線を除き、ビジネスクラスの予約はほぼ不可になっています(エコノミークラスなら可能です)。代替航空会社はタイ航空になります(アメリカのTravel & Leisure「世界のベスト国際航空会社 2026」で10位にランクインして今注目の航空会社です)。
③サーチャージの高騰
2026年の世界情勢の影響で、サーチャージがかなり高騰しています。また、円安や物価高騰の影響で空港使用料も高くなっています。そのため、世界一周航空券の価格の約50%くらいの諸経費が必要になります。世界一周航空券も割安とは言えなくなっていますね。
対策としては、①空港使用料の安い航空会社を利用する、②利用便数を絞る、③サーチャージの不要な航空会社が利用する、などがあげられます。
ロンドン・ヒースロー空港など、かなり空港使用料が高く設定されている空港があります。ファーストクラスなどで利用すると10万くらいになることも。フランクフルトやパリ(シャルル・ド・ゴール)などを利用すると若干節約になります。
また、ビジネスクラスの世界一周航空券では、短距離路線においてあえて世界一周航空券を利用せずにエコノミークラスで別途購入するかLCCを利用したほうがかなり節約になります(世界一周航空券上ではSurfaceにしておく)。
究極的には3便(アジア⇒アメリカ⇒ヨーロッパ⇒アジア)だけで旅程を完成させることも可能ですが、これだと世界一周航空券の元が取れなくなります。コスパの悪い短距離路線に限って世界一周航空券から外すことが重要です。あるいは、29,000マイルや34,000マイルなどの価格アップするラインを越えないように調整するのも大事です。
諸経費を抑えるためにサーチャージの不要な航空会社を選ぶのもありだと思います。シンガポール航空、ニュージーランド航空はサーチャージが不要です。ユナイテッド航空やエアカナダは日本発着路線以外ではサーチャージが無いことも多いようです。
④ファーストクラス発券の停止
2026年10月1日に大きなニュースが飛び込んできました。2026年10月1日以降、スターアライアンス世界一周航空券のファーストクラスの発券ができなくなりました。確かに、お得過ぎる周遊券でしたからね。
シンガポール航空のファーストクラスはANA特典航空券でも発券できないため、世界一周航空券は安く発券できる数少ない方法のひとつでしたが、今後の利用は本当に夢物語になってしまいそうです(シンガポール航空のマイレージ会員になれば特典航空券発券が可能ですが、マイル獲得も発券もかなり厳しいです)。
⑤その他(公式HPの予約問題)
スターアライアンス世界一周航空券は、スターアライアンスの公式HPから予約するのが最も楽なのですが、割と頻繁に予約決済ができなくなります(しばらく待つとできるときもあります)。サーチャージが上昇する前の月末に発生して予約ができなかった場合、予約決済ができるまで待っているとサーチャージ上昇によって決済額が上がってしまいます。
日本発の旅程で初便がANA便なら、ANAの予約センターで予約するのがおすすめです。スターアライアンス公式HPはルフトハンザドイツ航空の決済として扱われますが、ANA経由で予約するとANA国際線扱いなので、ANAカード決済時のマイル付与が段違いになります(決済額もでかいですから重要です)。後で便を変更する場合も相談しやすいです。手数料5,500円が必要になるので注意しましょう。また、価格計算に時間がかかるので、何度か電話でやり取りが必要になります。時間に余裕がある状況(電話に出れる状況)で予約しましょう。
世界一周航空券の路線の組み方やモデルケースについて(弾丸旅行の場合)
当サイトは弾丸旅行がうり?なので、週末旅行を駆使した世界一周について考えてみます。
世界一周航空券をスタンダードな利用方法は、アジア(日本を含む)、ヨーロッパ、北米の3エリアに分けて、それぞれをつなぐ路線をまず考え、それを基本骨格にして他の路線を組み合わせていくのがいいです。特に、ANAステータスを獲得を目標にする場合、日本と北米、日本とヨーロッパの2路線において、長距離ANA便を利用して大量プレミアムポイント獲得を目指すのがセオリーです。
まず、ストップオーバーを気にしないなら、金曜日の夜に羽田を出発し、
1レグ NH160 東京HND深夜(1日目)→ニューヨークJFK深夜(1日目)
2レグ 他社便(ユナイテッドなど) ニューヨーク→ロンドン(2日目)
3レグ NH212 ロンドンLHR夜(2日目)→東京HND夕(3日目)
とまあ、3日あれば(実質48時間以内に)日本に戻ってこれます。普通の週末だけで世界一周可能です。もちろん、ストップオーバーや最低旅行日数の制限がクリアできていないので、いろいろ修正が必要です。
上記プランの場合のプレミアムポイント(PP)は、ビジネスクラスだと、8,823+8,175=16,998です、アメリカ→欧州路線をスターアライアンス便にするだけで30,000ポイント近く獲得可能です。
世界一周航空券は約75万円くらい(2.9万マイル以内)なので、1PP30円くらいになります。コスパでいうと、国内線の羽田ー那覇・石垣・宮古を積み重ねたほうがいいはずですが、世界一周航空券のアドバンテージは短期間取得できることに尽きます。
注意点は以下の通りです。
①できるだけプレミアムポイントを稼ぎたいので、羽田ーニューヨーク便とヨーロッパ(ミラノ、パリ、フランクフルト、ロンドンなど)ー羽田便は外せない
②スターアライアンスはニューヨークではニューアーク空港<EWR>、ヨーロッパではフランクフルト空港<FRA>が路線の中心になりがちなので、ニューヨーク<JFKやEWR>~ヨーロッパ<LHRやCDG>間の路線設定が難しい。都市での空港間移動や遠回りを余儀なくされる。
③金曜日の夜発の夜間フライトを利用する場合、西回り(羽田→ロンドン、パリ、ミラノ、ストックホルム)が無いので、フランクフルト便にするか東回り(羽田→ニューヨーク)で路線を組まざるをえない。
ちなみに、3連休を利用したモデルケースですが、
3連休利用のモデルケース
1レグ 伊丹→羽田
※別切 羽田→伊丹+伊丹→羽田 ここまで事前に実施
2レグ NH160 東京HND22:55(1日目)→ニューヨークJFK22:50(1日目)
空港移動
3レグ UA2434 ニューヨークEWR6:00(2日目)→ロサンゼルスLAX9:20(2日目)
4レグ UA923 ロサンゼルスLAX20:00(2日目)→ロンドンLHR13:30(3日目)
5レグ NH212 ロンドンLHR19:00(3日目)→東京HND17:55(4日目)
6レグ 羽田→伊丹
関西在住者だとこんな感じで組みあがります。ビジネスクラスだとニューヨーク→ロサンゼルス→ロンドンの行程で約12,500pts獲得できるので、SFCになれる5万には届きませんがかなり稼ぐことができます。
首都圏在住者でも、出発地を中部あるいは伊丹に設定すると組みやすいです。羽田発でいったん国外に出てからの旅程に関西空港を入れて、大阪でのストップオーバーの形で一時中断する方法もありです。
世界一周旅行を2回にわける場合
1回の旅行だけで世界一周航空券を消費する必要はありません。航空券の途中中断・一時帰国も視野に入れていいと思います。
東京発で組んだ場合、アジア・オセアニアを周遊して関西空港にいったん戻ってから海外に向かうルートを組んでもいいですが、関西を発着するANA運行便は、遠くても北京や上海までしか運航されていません。いずれにせよ、ニューヨーク便とヨーロッパ便を組み込む縛りがあるのが難しくしています。
スタートは地方発着にして、東京経由で出国し、世界一周してから東京を経由してアジア・オセアニアへの旅というのが現実的です。アジア旅行の帰着を関西便にすると検索もスムーズです。世界一周航空券を2分割して利用するなら、旅行日数が10日を大幅に超えるので、最低旅行日数を考慮する必要はありません。
ANAのシンガポールやシドニー線は、ヨーロッパや北米線と違いPPが1.5倍になるので、ニューヨーク線と遜色のないPPが獲得できます。ステータス修行にお勧めです。
ただし、アジアで路線を多くして世界一周のルートが長くなると料金も高くなるため、どこかで妥協が必要になります。
まとめ
近年、ANAのプレミアムポイントキャンペーンは減少傾向です。さらにSFC LITEではスターアライアンス・ゴールドステータスの廃止が発表されています。ただ、ライバルのJALはフライト修行だけでJGCを獲得するのは難しいので、永年ステータスを目指すならANAの一択になります。そこに世界一周航空券をどのように組み込むかですね。
それにしてもファーストクラスの設定が無くなったのはショッキングニュースでしたね。スカイチームはすでに世界一周航空券を廃止しているので、今後ファーストクラスで世界一周するにはワンワールド(JALが所属するアライアンス)しか残っていません。
2026年7月にJALがマリオットと提携し、JGCこそ獲得できませんがサファイアやJGCプレミアを獲得するハードルはかなり下がりました。
今後は、毎年JAL便で軽く修行してサファイアを維持し続けるのもありかもしれません。

