2022年秋、コロナ禍もひと段落。3年間使えずに貯まり続けた手持ちの航空会社発行マイル。さて、いざマイルで飛行機に乗ろうと思っても全然予約が取れないし、目が飛び出るようなマイル数が必要だったりします。
特典航空券には通常航空券とは異なり、様々な制約やルールがあり、またメリットもあったりします。
なんとかマイルで旅行したい。お得に旅行したい。そんなときの豆知識と備忘録です。
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目次
JALマイルの使い方
JALマイルは①国内線特典航空券、②国際線特典航空券などに交換するのが常道ですね。1マイル2円の価値があると言われますから、2円以上の価値で飛行機に乗れればまずまず。5円以上ならかなり優秀といえるでしょう。
直接マイルとして利用せず、eJALポイントという電子マネーに変換した場合、10,000マイル⇒15,000ポイントで、1ポイント1円として航空券購入に利用できます。1マイル1.5円の価値は最低限あるでしょう。
JAL国内線特典航空券はお得か
国内線特典航空券は、普通運賃と比較すると1マイル2円~3円程度になります。特典航空券は下記の制約があります。搭乗日の330日前の9:30から、前日まで予約可能です。1区間から予約できます。
国内線特典航空券の制約(2023年4月11日まで)
・ファーストクラス設定が無い
・設定席数に制限がある
・予約便の変更は搭乗予定の前日まで(当日前倒しは可)
・キャンセルは3,100円必要
・空港使用料は別途マイルで必要
・マイルやFOPは付かない
国内線特典航空券の制約(2023年4月12日から)
・ファーストクラスの予約可
・設定席数に制限があるが、マイル追加負担で予約可能
・予約便の変更は不可
・キャンセルは1,000円必要
・空港使用料は別途現金で必要
・マイルやFOPは付かない
2023年から大きく制度が変わります。
国内特典航空券の取得制限を考慮すると、スペシャルセイバー(先得)と同価値程度と考えています。羽田伊丹間は12,000円前後ですから、基本マイルだと片道6,000マイル+空港使用料です。1マイル2円程度で許容可能範囲内です。
ちなみにセイバー(特便)と同価値に考えるなら、羽田伊丹間で15,000~23,000円くらいになるのでもう少しお得な印象。セイバー(特便)と違い、特典航空券はFOPが加算されないので、1マイル3円くらいと考えていいでしょう。
クラスJになると、2,000マイル以上の負担増加になります。さいきん、クラスJと普通席の購入価格差がどんどん増加していて、2023年4月以降は2,200円くらいになっています。1マイル2円以上と考えると、コスパは普通席の方が良さそうです。
2022年4月以降、特典航空券取得マイル数が増加します。おそらく1マイル2円以下となるでしょう。FOPは加算されないし、コスパは悪くなるしと、いいことは全くありません。
上級会員取得を目指さない方で国際線に興味ない方は、どうせ3年で消滅するマイルですから国内線特典航空券でもいいですが、1マイル2円以下ならeJALポイントに変換して正規購入してもよさそうです。マイルのコスパを考えるなら、2023年4月以降に国内線特典航空券を利用する選択肢はほぼありません。
国内線特典航空券でお得なのは「どこかにマイル」です。1カ月前から5日前に予約可能で、往復セットで基本マイルより少ないマイル(6,000マイル)で旅行できるのが魅力です。
どこかにマイルのデメリットは、行先が運次第で利用時間を細かく設定できないことです。かなりまとまった休みが無いと申し込みにくく、弾丸旅行には向きません。さらに、どこかにマイルも2023年4月以降に7,000マイルと負担増加となります。
なお、2人以上で利用できて、1人をマイル利用できる「おともdeマイル」は、お得に国内旅行できる手段でしたが、2023年4月で利用不可になります。
JAL国内線特典航空券はコスパが良くない。「どこかにマイル」なら許容範囲内。2022年4月以降、さらにコスパが悪くなります。
JAL国際線特典航空券はお得か
国際線特典航空券は、上手に利用すると1マイル10円以上になりますが、注意しないと1マイル1円くらいになります。搭乗日の前日から数えて360日前の10:00より予約可能です。片道発券が可能で、滞在日数制限がないのがメリットです。
国際線特典航空券の制約
・ファーストクラスのみキャンセル待ち可能
・ファーストクラスとその他のクラスの混在不可
・設定席数に制限があるが、マイル追加負担で予約可能
・予約便の変更は不可
・キャンセルは3,100円必要
・空港使用料・サーチャージは別途現金で必要
・マイルやFOPは付かない
基本マイルでの予約可能席数の制限があるため、特典航空券予約開始時には壮絶な争奪戦になります。争奪戦に敗れても、支払いマイル数を多くすれば空席がある限り予約は可能です。
キャンセル可能な普通運賃とキャンセル不可の特典航空券を比較するのはフェアではありません。キャンセル不可運賃を羽田ホノルル間で比較してみましょう。
羽田ホノルル片道 | 運賃名(サーチャージ除く) | 運賃概算 | 基本マイル | 1マイル |
エコノミー | Economy Special Saverなど | 4万円 | 20,000 | 2円 |
プレ・エコノミー | Premium Economy Standard | 12万円 | 30,000 | 4円 |
ビジネスクラス | Business Saver | 16万円 | 40,000 | 4円 |
ファーストクラス | 100万円 | 50,000 | 20円 |
表からわかるとおり、ファーストクラス予約がコスパ最高ですが、席数が少なく、そもそも設定の無い路線も多いので、ビジネスクラスが予約できれば十分でしょう。問題は、必要マイル数が基本マイルでおさまらないのがJALの特典航空券です。
必要マイル数が増加していて(羽田ーホノルルのビジネスクラスの場合、40,000~最大254,000マイルまで増加)、1マイル0.5~2円まで低下していることもよくあります。そのうえサーチャージもしっかりとられますからね。1マイル2~3円くらいで利用できれば御の字でしょうか。
JAL国際線特典航空券 私のケースの紹介
2022年に東京ーバンコク往復をJALマイルで発券しました。基本マイル80,000マイルですが、必要マイル数が増加していて13万マイル必要でした(参考:東京ーバンコクの往復ファーストクラス基本マイル10万マイル)。Business Saverで37万円くらいですから、1マイル3円くらいですね。まあ、許容範囲内でもいいでしょうか。
実は、このマイル単価の評価は正確ではありません。1泊3日の弾丸旅行の場合、saverでは予約できないんです(最低旅行日数をクリアしないため)。滞在日数制限の無いBusiness Semi-FlexやBusiness Flex料金で計算すべきです。Business Semi-Flexだと46万円/13万マイルなので、1マイル3.5円くらいで利用したことになります。
したがって、JAL国際線特典航空券に利用するのは、ファーストクラスを除いてあまりお勧めできません。タイミングよく基本マイルか少しの増加で席を確保できるなら利用もありです。予約開始(出発前日の360日前9:30)と同時に予約すればうまくいくかも。
マイル変動制特典航空券は、搭乗日が近づいて放出される特典航空券枠も必要マイルが多くなります。ANAが基本マイルで特典航空券枠を放出するのとは対照的です。
そもそも、JALの特典航空券予約ホームページはかなり使い勝手悪いです。検索結果の反映も遅いので、途中で断念してしまうこともしばしば。改善を期待します。
JAL国際線特典航空券はコスパが悪いことが多くお勧めできない。
弾丸旅行したいなら選択肢としてもいい。
JAL提携航空会社特典航空券やワンワールド特典航空券はお得か
JAL国際線特典航空券は必要マイル数が信じられないほど高くなりやすいため、お得に利用できないことが多いです。マイル数が変動しないJAL提携航空会社特典航空券やワンワールド特典航空券ならどうでしょうか。
予約開始日は統一されていないためそれぞれです。片道発券も可能です。
例えば羽田ーホノルル間の場合、エコノミーの基本マイルは20,000マイルですが、ハワイアン航空だと23,000マイルで利用できます。他のJAL便より若干割高ですが、空席がある限り比較的少ないマイル数で利用できます。空席が無いこともしばしばありますが、JALマイルの使い道としては、提携航空会社の方がJAL国際線特典航空券よりお得です。さらに、JALマイルで発行するアメリカン航空、カタール航空、マレーシア航空、スリランカ航空、エミレーツ航空の特典航空券はサーチャージが無料になります(空港使用料や税金は必要)。
JAL提携航空会社特典航空券やワンワールド特典航空券はJAL国際線特典航空券よりお得に利用できることが多い。
JAL提携航空会社特典航空券 私のケースの紹介
2023年初頭のマレーシア・クアラルンプール弾丸旅行では、マレーシア航空往復ビジネスクラスで35~55万円+諸費の旅程が8万マイルでした(1マイル5~7円)。中距離国際線なのでコスパがムチャクチャいいというわけではありませんが、サーチャージ不要なこともあり、JAL国際線特典航空券と比べてお得な旅行だと言えます。
続いて訪問した、フィンランド・ヘルシンキ弾丸旅行のフィンエアーの旅では、やはり往復ビジネスクラス75万~108万+サーチャージ等(10万くらい)の旅費が、JALマイル片道6万マイル×2+諸費用となり、1マイル6円~9円くらいの価値で利用できました。同時期のJAL便の場合、必要マイル数が片道23~43万マイルとなっていて、やはりJAL便より提携航空会社で利用する方がお得です。
JALマイルのまとめ
JALマイルは提携航空会社特典航空券のビジネスクラス以上に利用するのがおすすめ。JAL本体の特典航空券はあまり期待しない方がいいです(JAL便に特典航空券で乗りたければ、他のワンワールド系航空会社のマイルを貯めたほうがましです)。
JALマイルはクセが強くて利用が難しいのが難点。JALマイルをワンハーモニーホテルグループに流すのも一手です。JALマイルをワンハーモニーポイントに移行することで、簡単にワンハーモニーの上級会員になることができます。ワンハーモニーポイントは1ポイント2円程度の価値で宿泊できるようになります。
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ANAマイルの使い方
ANAマイルも①国内線特典航空券、②国際線特典航空券などに交換するのが常道ですね。1マイル2円の価値があると言われますから、2円以上の価値で飛行機に乗れればまずまず。5円以上ならかなり優秀といえるでしょう。
直接マイルとして利用せず、ANAスカイコインという電子マネーに変換すると、1コイン1円として航空券購入に利用できます。1マイル1~1.7コインに交換可能です(ANAステータスや1回の交換量によって変動します)。5万マイル交換すれば1マイルが最低1.5コインになるので、1マイル1.5円の価値はあるでしょう。
ANA国内線特典航空券はお得か
国内線特典航空券は、フレックスと比較すると1マイル2円~3円程度になります。特典航空券は下記の制約があります。1月下旬と8月下旬の年2回一斉に予約開始となります。前日まで予約可能で1区間から予約できます。
国内線特典航空券の制約
・プレミアムクラス設定が無い
・設定席数に制限がある
・予約便の変更は搭乗予定の前日まで
・キャンセルは3,000マイル必要
・空港使用料は別途現金で必要
・マイルやPPは付かない
国内特典航空券の取得制限を考慮すると、スーパーバリューと同価値程度と考えています。羽田伊丹間は12,000円前後ですから、基本マイルだと片道5,000~7,500マイル+空港使用料です。1マイル2円程度で許容可能範囲内です。
ちなみにバリューと同価値に考えるなら、羽田伊丹間で12,000~20,000円くらいになるのでもう少しお得です。バリューと違い、特典航空券はFOPが加算されないので、1マイル3円くらいと考えていいでしょう。
普通に利用してもいいですが、わたしのおすすめはトクたびマイルです。通常より30~50%くらい少ないマイル数で予約できます。直前の予約で予約路線に制限があるのがデメリットですが、1マイル5円くらいの価値に跳ね上がります。JALのどこかにマイルと違い、確定前にフライトがわかるのもありがたいです。
なお、2人以上往復で利用できて、1人をマイル利用できる「いっしょにマイル割」1人はマイル、1人は割安運賃になるのでお勧めです。
ANA国内線特典航空券はいいところ尽くしのようにもみえますが、数少ないデメリットはキャンセルマイル負担3,000マイルです。3,000マイルを貯めるにはクレジットカードで30万円ぐらい利用する必要があります。日程を十分確認して慎重に予約しましょう。
ANA国内線特典航空券はコスパが良くないですが、トクたびマイルは非常にお得。
ANA国際線特典航空券はお得か
国際線特典航空券は、上手に利用すると1マイル10円以上になります。復路搭乗日の355日前9:00から出発の96時間前まで予約可能です。滞在日数制限がないのがメリットです。
国際線特典航空券の制約
・キャンセル待ち可能
・設定席数に制限がある
・片道発券できない
・予約便の変更は可(搭乗便24時間前まで)
・キャンセルは3,000マイル必要
・空港使用料・サーチャージは別途現金で必要
・マイルやFOPは付かない
予約可能席数の制限があるため、特典航空券予約開始時には壮絶な争奪戦になります。予約可能枠が無くなれば予約できません。シーズンによって必要マイル数が増減します。
ANA特典航空券も羽田ホノルル間運賃と比較してみましょう。
羽田ホノルル往復 | 運賃名(サーチャージ除く) | 運賃概算 | Rマイル | 1マイル |
エコノミー | Economy Basic | 9万円 | 40,000 | 2円 |
プレ・エコノミー | Basic Plus | 24万円 | 58,000 | 4円 |
ビジネスクラス | Basic Plus | 35万円 | 65,000 | 5円 |
ファーストクラス | 192万円 | 120,000 | 16円 |
表からわかるとおり、ファーストクラス予約がコスパ最高ですが、席数が少なく、そもそも設定の無い路線も多いので、ビジネスクラスが予約できれば十分でしょう。
安いエコノミーチケットだと1マイル2円程度なのであまりお得感はありません。ただし、1泊2日のような弾丸旅行可能なチケット(full Flex)だと、エコノミーでも往復80万円になるため1マイル20円の価値になります。弾丸旅行こそ特典航空券が有用です。
2022年11月末に実施されたキャンペーンセールのハワイSuper Valueでは、エコノミー往復運賃が21,600に設定されていました。ここまで安いと、1マイル0.5円まで低下します。それでも1泊3日(金出発で日帰着)は対象外になるので、弾丸旅行なら特典航空券一択です。
ANA国際線特典航空券 私のケースの紹介
2022年に東京ーサンフランシスコ往復をANAマイルで発券しました。往路ファースト復路ビジネスで、往復7.5万+4.25万で11.75万マイルになります。ファーストは120万円くらいで、Business Valeは54万円くらい。合計174万円で1マイル15円くらいですね。かなり効率のいい予約と言えます。
1泊3日の弾丸旅行の場合、Valueでは予約できないため(最低旅行日数をクリアしないため)、滞在日数制限の無いFlexになります。1マイル16円くらいになるのでさらにお得感を感じます。
2022年秋のシンガポール旅行の場合は往路エコノミー復路ビジネスで30~60万円くらいの旅程が5万マイルでした(1マイル6~12円)。
2022年年末のロサンゼルス旅行は往路ビジネス復路プレミアムエコノミーで60~90万円くらいの旅程が78,500マイルでした(1マイル8~12円)。
ANAの特典航空券予約ホームページは、他社便や他のクラス便も表示され、検索結果もスムーズに検出されるので非常に使いやすいです。もちろん、空席が無いと予約ができますが、さまざまな経由ルートも検出されるので予約が楽しくなります。
空席が多い場合、出発2~3週間前に特典航空券枠が拡大されます。ANAは直前予約にも期待がもてるので、ときどき検索してみるのもいいです。
ANA国際線特典航空券発行はホームページも使いやすくスムーズ。
マイルの利用効率も上々です。
ANAマイルのまとめ
ANAマイルは国際線ビジネスクラス以上か弾丸旅行で利用するのがおすすめ。トクたびマイルもコスパがまずまずなので利用価値が高いです。
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まとめ
今回の記事をまとめて思ったのは、JALマイルよりANAマイルの方が使いやすいということ。2023年4月以降は、さらに差が広がりそうです。
マイルのためやすさはANAの方が簡単で、様々なポイントからの交換比率もいいです。楽天ポイントのようにANAとJAL両方に交換できる電子マネーをマイルにするなら、2023年年始の現在だと、ANAに交換するほうがいいと断言できます。
正直、JALマイルは使いようが無いというかコスパが悪いので、使うと数十万マイルが一瞬で溶けてしまいます。もちろん、最寄りの空港にANA便が無い場合はANAマイルを貯めても意味が無いので、ケースバイケースです。
現地滞在2日以下の弾丸旅行の場合、正規運賃だとかなり割高になります。特典航空券の数少ない利点が、最低滞在日数に制限が無いこと。JALにしろANAにしろ、弾丸旅行には特典航空券が圧倒的におすすめになります。空席が無いならLCCの利用・併用を検討しましょう。
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