【世界一周解説編21】世界一周でホテルの上級会員を目指す(1)

世界一周航空券を使って世界周遊の旅をするなら、旅先でホテルを利用することも(私みたいな弾丸旅行ならともかく、普通は)必要になります。せっかく宿泊するなら、こちらも上級会員を目指すのはいかがでしょうか。

スポンサーリンク


ホテルの上級会員とは

ホテルにも航空会社のように上級会員というシステムがあります。宿泊回数が多い方が上顧客として、さまざまなサービスを受けることができます。世界一周旅行でホテルの上級会員を目指すとして、世界各地にまんべんなくあるホテルチェーンでないと意味がないことになります。

この条件を満たすホテルチェーンとしては、以下のものが有名ですね。

・マリオット
・インターコンチネンタル
・ハイアット
・ヒルトン
・シャングリラ
・アコー
・ワンハーモニー
・マンダリンオリエンタル
・フォーシーズンズ
・アマン

この中で2019年現在、フォーシーズンズ、アマンは会員プログラムがないようです(私の調べで)。

マンダリンオリエンタルは2018年に会員プログラムが開始したようですが、こちらは登録だけで朝食無料などのサービスがつくらしいです(上級会員というものはありません)。

ワンハーモニーは、ホテルオークラと日航ホテルの連合グループです。日本とアジアに多くのホテルを運営していますが、アメリカやヨーロッパにはほとんどホテルがありません。世界一周航空券で上級会員獲得は、少しハードルが高いかもしれません。

これらの前提条件から、さまざまなホテルチェーンでの上級会員修業を考えていきたいと思います。

スポンサーリンク


マリオットグループ

W大阪

2018年にスターウッド・プリファード・ゲストグループを合併し、6500以上のホテルを抱えるメガホテルグループです。正確には、フランチャイズとしてマリオット系列のホテルを名乗っていて、経営は別会社のこともあります。これだけ同系列のホテルが多いと、マリオット同士で競合することもあるようで、フランチャイズホテルの合流や離脱がけっこうな頻度で見受けられます。

ともあれ、上級会員を取得すると、これらすべてのホテルで上級会員としての待遇を受けることができます。マリオットホテルの素晴らしいところは、他の旅行会社を通じてホテルを予約した場合でも、ほとんどの場合で上級会員のサービスを受けることができます。

マリオットの上級会員の主な特典は以下の通りです。

サービス 一般会員 シルバー ゴールド プラチナ チタン アンバサダー
獲得条件 入会申込 10泊 25泊 50泊 75泊 100泊
無料WiFi
ポイント +10% +25% +50% +75% +75%
専用予約番号
部屋のアップグレード
ラウンジ利用
レイトチェックアウト 14時 14時 16時 16時 16時
朝食無料

細かいサービスはありますが、プラチナ以上はほぼ一緒です。上級会員になるには、所定の宿泊を積み重ねる必要があります。ということで、目標はプラチナ50泊と言いたいところですが、これは1年で達成する必要があるため、ちょっと現実的ではありませんね。ご存知の方も多いと思いますが、ゴールド会員までならなんとかする方法があります。

ステータスマッチでゴールド会員に

ステータスマッチとは、競合他社の上級会員に対し自社の上級会員サービスを提供することでによって顧客を取り込むために実施されています(ステータスマッチは確約はされていません)。

マリオットグループとユナイテッド航空は提携しています。ユナイテッド航空でプレミアゴールド(スターアライアンスゴールド会員相当)であれば、マリオットゴールド会員資格が提供されます(これはステータスマッチではなく提携です)。

問題はユナイテッド航空のプレミアゴールドにどうやってなるかということです。ユナイテッド航空のホームページでは、3か月のユナイテッド航空プレミアゴールド付与というステータスマッチが、ときどきキャンペーンで実施されています。JALのサファイア会員以上やデルタ航空のゴールドメダリオン会員以上の場合、ステータスマッチに成功することがあります。

JALのサファイアは頑張って飛行機に乗るしかありませんが、デルタ航空のゴールドであればデルタスカイマイル アメリカンエキスプレス ゴールドカードを申し込めば、最低1年はデルタ航空のゴールドメダリオン会員になることができます。ステータスマッチが成功するかどうかは神のみぞしるところですが。

他のホテルグループ上級会員を対象に、ステータスマッチを実施することもあります。2020年はコロナ禍の影響で広く実施されていたようですが、2021年3月現在は実施されていません。

Marriott Bonvoyアメリカン・エキスプレス・プレミアム・カードを申し込む。

おそらくこちらの方が、スタンダードで確実な方法でしょう。2022年現在、日本ではMarriott Bonvoyアメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード(年会費49,500円)とMarriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス・カード(一般カード年会費23,100円)の2種類のクレジットカードがあります。

プレミアムカードを持っているとマリオットのゴールド会員と宿泊実績15日分を、一般カードだとシルバー会員と宿泊実績5泊分を獲得できます。また、年間400万円以上決済すると、1つ上のランク会員(プレミアムカードならプラチナ、一般カードならゴールド)にランクアップします。

2022年のクレジットカード改定で、更新時無料宿泊特典は年間150万円以上決済が必要になりました。

ステータスマッチと違って、クレジットカードを持っている限りにおいて、半永久的にゴールドのステータスを維持できます。プレミアムカード所持者だと15泊の宿泊実績があるので、35泊でプラチナ会員になれます。

不定期実施のダブル宿泊実績キャンペーンで18泊すればプラチナ到達です。これだと、後述のプラチナチャレンジより簡単かも。

アメリカンエクスプレス・プラチナカードを獲得する。

年会費が143,000円する、ブルジョワ層向けのクレジットカードです。ちなみに、MUFGのプラチナカードではだめで、アメリカンエクスプレス本体が発行しているカード(通称プロパーカードと言います)である必要があります。

こちらのカードを所持していれば、ゴールド会員資格を取得できます。Marriott Bonvoyアメリカン・エキスプレス・プレミアム・カードより年会費が高いのが難点ですが、それを上回るサービスが付帯しています。

ゴールド会員からプラチナ会員を目指す。

ゴールド会員では、ラウンジ利用や朝食無料の特典は付きません。せっかくですからプラチナ会員になりたいものです。今までに書いた方法でゴールド会員になっても、プラチナ会員になるには、やはり年75泊が必要です。

ゴールド会員を対象に、プラチナチャレンジという企画が実施されています。2022年現在も実施中で、マリオットに電話で申し込み、3か月間で16泊すれば達成できます。一度トライすれば、5年間は再挑戦できないという話もあります。

16泊なら、世界一周旅行で宿泊することによって可能ではないでしょうか。不足分は、帰国後に日本国内での宿泊で加算してもいいです。無理ではない数字ですね。

なお、マリオットの上級会員は、基本的に1年間限りです。マリオットのクレジットカードなどを持っていればゴールド会員は維持できますが、それ以上のステータスは1年で消滅します。ただし、1年で完全に平会員に落ちるわけでなく、ステータスが1つずつ下に下がるだけです(少なくとも2018年まではそうでした)。マリオットの会員システムが合併の影響でいろいろ変更になっているため、このあたりは少し流動的で、突然変更することもあり得ます。ご注意ください。

世界一周にからめるなら、Marriott Bonvoyアメリカン・エキスプレス・プレミアム・カードを所持してゴールド特典を楽しみながら、プラチナチャレンジをするというのがおすすめの流れでしょうか。

スポンサーリンク


IHG(インターコンチネンタル)

インターコンチネンタル横浜

IHGとはインターコンチネンタルを中心としたホテルグループの総称です。世界中で4500以上のホテルを展開しています。近年はANAクラウンプラザホテルなどのANAホテル系もIHGグループに入っています。ということで、IHGはANAと親和性のいいホテルグループです。

会員システムは2022年に改訂されています。シルバー会員でもレイトチェックアウトが可能になり、ゴールド会員のアップグレードが無くなりました。獲得条件の宿泊はやや緩くなった反面、ポイント必要数は増加しています。

会員ランクとは別にマイルストーン特典というシステムもでき、40泊でラウンジアクセス権を獲得可能です。

上級会員の資格と主な特典は以下の通りです。

サービス 一般会員 シルバー ゴールド プラチナ ダイヤモンド アンバサダー
獲得条件 入会申込 10泊 20泊 or 4万Pt 40泊or 6万Pt 70泊or
12万Pt
年会費200US$
無料WiFi
ポイント +20% +40% +60% +100%
専用予約番号
部屋のアップグレード ○1ランク
確約
アーリー・レイト・C/O L14時 L14時 L14時 E10時
L14時
L16時※
飲食割引※ 20$
無料朝食 ギフトで

※はインターコンチネンタル宿泊時のみです。

ラウンジアクセス権もなかなか獲得できないため、アップグレードとレイトチェックアウトが主なメリットになります。サービスを実感できるのはプラチナ以上でしょうか。

上級会員になるには、所定の宿泊を積み重ねる必要があります。あるいは獲得ポイントでもいいです。いずれにしても高いハードルであることは間違いありません。

インターコンチネンタル・アンバサダーのシステム

IHGにはアンバサダーというシステムがあります。200$(継続時は4万ptも可)支払うと、インターコンチネンタル宿泊時のみ、さまざまなサービスが提供されます。また、IHGのプラチナステータスも自動的に獲得します。

アンバサダーを購入すると、週末無料宿泊券(週末に2泊すると1泊無料)がついてくるため、宿泊でシルバーやゴールド会員を獲得するメリットが少ないです。ロイヤルアンバサダーを目指すなら、アンバサダー獲得後に宿泊による支払い額を増やす必要があるので、実際に宿泊が必要になります。

ANA上級会員のメリット

先に書いた通り、IHGはANA上級会員との親和性が非常に高いです。

サービス ANAプレミアム

ゴールドカード

ANA

Diamond

ANA

Platina

ANA

SFC

条件 会員割引宿泊 ベストフレキシブル 同左 同左
割引 10% 5% 10%
朝食無料 本人のみ 本人のみ
レストラン割引 5-10% 5-10% 5-10%
ウェルカムドリンク 本人のみ 本人のみ

IHG-ANAの共同ブランドホテルで、上記特典がつきます。これらは全て日本国内のホテルなので、海外旅行時にはメリットになりません。上級会員を獲得後に得られるメリットです。

あと、ANA上級会員向けに、IHG上級会員へのステータスマッチがときどき実施されています。対象者限定のキャンペーンで、ANAプラチナはIHGプラチナ、ANAダイヤモンドでIHGスパイア(以上は1年9か月限定)、IHGプラチナ以上でANAプラチナ(9か月限定)でした。

IHGもANAも公式でステータスマッチの受付をしていない会社なので、このようなキャンペーンは極めてレアです。今後も実施される可能性があるので、要注目ですね。

IHGを世界一周旅行に組み込むなら、アンバサダーの資格を購入して会員資格を満喫するパターンがおすすめです。

スポンサーリンク


ハイアット(ワールドオブハイアット)

こちらも世界的に展開するホテル会社ですが、ホテル数としては500とやや小規模です。しかし、知名度と高級感はみなさまもご存じのとおりです。こちらも上級会員システムがあります。

サービス 一般会員 ディズカバリスト エクスプロリスト グローバリスト
獲得条件 入会申込 10泊 or

25,000Pt

30泊 or

50,000Pt

60泊 or

100,000Pt

無料WiFi
ポイント +10% +20% +30%
専用予約番号
部屋のアップグレード
ラウンジ利用 4回分
レイトチェックアウト 14時 14時 16時
朝食無料 ラウンジで

かなりハードルが高いですが、エクスプロリスト以上を目指さないと、ラウンジ利用ができませんし、アップグレードも厳しいです。上級会員になるには、所定の宿泊を積み重ねる必要があります。

ステータスマッチで上級会員に

ときどき、アメリカン航空の上級会員に対してハイアットの上級会員資格を進呈するキャンペーンが実施されているようです。逆にハイアット上級会員なら、アメリカン航空の上級会員資格が得られるようです。ハイアットでこのようなキャンペーンは非常に少ないので、対象の方はねらい目だと思います。

スポンサーリンク


ヒルトン

ヒルトンも外資系のホテルチェーンです。アメリカに本社があります。ホテル数は4000を数える大グループです。

ヒルトン名古屋

こちらのホテルも上級会員システムがあります。

サービス 一般会員 シルバー ゴールド ダイヤモンド プレミアムジャパン
獲得条件 入会申込 4滞在 or

10泊

20滞在 or

40泊

30滞在 or

60泊

年会費25,000円
無料WiFi
ポイント +20% +80% +100% (+20%)
2人目無料
部屋のアップグレード
ラウンジ利用
レイトチェックアウト
朝食無料

ヒルトンの上級会員になるのは、他のホテルグループに比べて比較的容易です。もちろん、上級会員になるには、所定の宿泊を積み重ねる必要があります。プレミアムクラブ・ジャパンに関しては後で説明します。

上手に滞在するのがハードルを下げるコツです。同じホテルに1泊でも2連泊でも1滞在なので、ホテルを転々として30泊すれば、ダイヤモンドに到達します。そこまでいかなくても、ゴールド会員の段階で無料朝食がつきます。修行するなら、目標はゴールド会員以上になるでしょう。

ヒルトングループも、ゴールド会員になる方法がいくつかあります。

ステータスマッチ

ヒルトンは常にステータスマッチを受け付けています。ステータスマッチ後はヒルトンゴールド会員になります。ただし90日限定です。2021年初頭のステータスマッチでは、90日間のうちに9泊でダイヤモンド、5泊でゴールドが付与されたようです(2021年3月現在休止中)。ヒルトンの公式サイトでは、ステータスチャレンジと記載されています。

短期間のステータスになるので、世界一周旅行では維持のための宿泊をする形になるでしょうか。短期間でもステータスを楽しみたいところです。

ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・カードを申し込む

おそらくこちらの方が、スタンダードで確実な方法でしょう。リボ設定次第では、年会費16,5000円~の負担でヒルトンのゴールド会員を獲得できます。ステータスマッチと違って、クレジットカードを持っている限りにおいて、半永久的にゴールドのステータスを維持できます。

ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・カード(年会費16,500円)ならゴールド会員に、ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード(年会費66,000円)だと、年間200万円以上の利用でダイヤモンド会員になれます。2020年まで発行されていたVISAカードの方がハードルは低かったですが、まったく手が出ないわけではなさそう。2021年のANA上級会員チャレンジ(プレミアムメンバーステイタス2021)よりましでしょう。

アメリカンエクスプレス・プラチナカードを獲得する

先ほどマリオットのところでも出てきたカードです。こちらのカードを所持していれば、ゴールド会員資格を取得できます。マリオットやヒルトンをはじめとした、4つのホテルグループの上級会員になれます。年会費が高いのが難点ですが。

ヒルトン・プレミアムクラブ・ジャパン

年会費25,000円の有料会員資格です。日本のヒルトンとコンラッド・ソウル、ヒルトン釜山が対象になります。初年度はシルバー会員の資格もついてきますす、毎年1万円分のヒルトン利用券や、宿泊やレストラン割引もついてきます。年会費ほどの魅力があるかどうかは、ヒルトンをどれだけ利用するかというところです。

ANAあるいはJALの上級会員を対象に、初年度年会費1万円キャンペーンが、ほぼずっと実施されています。また、プラチナカードなどの上位クレジットカードを所持している方にも、同様のキャンペーンを提示されることがあります。とりあえず1年間だけ入ってみるのもいいかもしれませんし、世界一周に際してシルバーの資格を入手しておくのもありかもしれません。

なお、ヒルトン・オナーズ アメリカン・エキスプレス・カードを所持していると、初年度年会費が軽減されます。

スポンサーリンク


ちょっとボリュームが多くなってきているので、2回に分けたいと思います。次回は残りのホテルチェーンについてです。

スポンサーリンク



シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする