世界一周航空券をはじめ、弾丸旅行に関していろいろ解説しているこちらのブログ。大手航空会社には飛行機に数多く搭乗すると獲得できる上級会員制度があります。コロナ禍以降、いろいろなキャンペーンが実施され、上級会員が取得しやすくなっています。
今回は、日本の航空会社における最上級会員「ダイヤモンド」取得を目指す場合、JALかANAのどちらの上級会員を入手したほうが便利でお得になるのでしょうか。2023年現在の状況で考えてみましょう。
スポンサーリンク
目次
1.最上級会員取得に必要なマイレージポイント
世界一周航空券利用の有無にかかわらず、航空会社の最上級会員になるには、飛行機にのってマイレージポイント(会社によって呼び方は違いますが)を獲得する必要があります。JALならフライ・オン・ポイント(FOP)、ANAならプレミアムポイント(PP)と呼びます。いずれも10万ポイント取得すれば、最上級会員であるダイヤモンドのステータスを獲得できます。
このマイレージポイント10万ポイントというのは、搭乗距離や獲得マイルとはやや違います。ただ、FOPあるいはPPは、搭乗距離から算出されるため、基本的には長距離路線に乗った方が獲得ポイントは多くなります。路線やチケットの種類によって獲得ポイントに修正が加えられます。
JALとANA、いずれの航空会社も10万ポイントのマイレージポイントが必要だということを覚えておきましょう。そしてこれは1年間(1月~12月の間)で貯める必要があります。また、10万ポイントのうち、半分にあたる5万ポイントは、自社便搭乗で獲得する必要があります。詳しくは下記の記事も参照してください。
このマイレージポイントは、飛行機に乗らないと獲得できません。年間10万ポイントは出張族や海外旅行を頻回にする方以外は達成困難ですが、「特に必要もないのに飛行機に乗る」ことで達成を目指す方々がいらっしゃいます。俗に修行僧と呼ばれる方々のことです。この上級会員を目指す行為を修行と呼び、JGCあるいはSFCと呼ばれる「維持可能なら上級会員」になれる5万ポイント獲得のことを解脱と呼ぶようです。
最上級会員になるには、1年で10万マイレージポイント獲得が必要(うち5万ポイントは自社便で獲得すること)
スポンサーリンク
2.2023年のマイレージポイントを取り巻く環境
JALもANAも、基本的にマイレージポイントは飛行機に乗らないと獲得できません。そして、同じ路線で同等のチケットを購入して搭乗した場合、獲得できるマイレージポイントはほぼ同等です。
2022年にJALもANAもマイレージポイント2倍キャンペーンを実施しました。JALは6月~12月、ANAは8月~12月でした。ANAの場合、4月~7月に1,000ポイントボーナスキャンペーンも実施していました。これらのキャンペーンの結果、2023年現在、JALもANAも上級会員であるJGCあるいはSFCが従来に比べてかなり増加しています。ANAの方がキャンペーンを早く始めたことと期間が長かったこともあり、SFCの増加数の方がかなり多いと推定されます。
JGCあるいはSFCが氾濫している以上、これらの会員に対する相対的サービス低下が懸念されます。JGCあるいはSFC会員と一線を画したサービスを享受するためには、最上級会員を取得するのは1つの選択肢です(お金も時間もかかりますが・・・)。
2023年春も、大阪路線を中心にマイレージポイント2倍キャンペーンが実施されています。コロナ禍以降、このようなマイレージポイント獲得キャンペーンが大々的に実施されているため、JGCやSFCを獲得するなら今です。そして最上級会員を狙ってみるのも今しかないと言えます。
3.最上級会員の獲得ハードルはどっちが楽?
これは、JALの方が圧倒的に楽です。JALカードを持っているだけで5,000ポイントもらえるキャンペーンが毎年実施されています。また、80,000ポイントで獲得できるJGCプレミアという資格は、サービスレベルがダイヤモンド会員に匹敵します。
ANAはライフソリューションサービスという選択肢があるのですが、こちらの条件はやや複雑です。
ステイタス | 通常条件 | 条件1(必要PP) | 条件2 | 条件3 |
ダイヤモンド+モア | 設定なし | 15万PP | 7サービス | 600万円決済 |
ダイヤモンド | 10万PP | 8万PP | 7サービス | 400万円決済 |
5万PP | 7サービス | 500万円決済 | ||
プラチナ | 5万PP | 3万PP | 7サービス | 400万円決済 |
ブロンズ | 3万PP | 1.5万PP | 4サービス | 300万円決済 |
条件1~3を全て達成する必要があります。条件1はANAグループ運航便のみという縛りがあり、条件3はANAカードで1年間(12月16日~12月15日)に必要な決済です。条件2は下記サービスを利用する必要があります。
ANAのふるさと納税、ANAの保険、ANAの住まい、ANA STORE @SKY(あるいは国際線機内販売)、空港内店舗(空港売店あるいは空港免税店)、ANA Mall・A-style、ANAトラベラーズ、ANAマイレージモール、ANAカードマイルプラス、ANA Pocket・ANAマイレージクラブモバイルプラス、マイルが貯まるその他加盟店、ANAでんき
太字で書いたサービスが現実的になんとか達成可能です。
実際のところ、高額カード決済が一番のハードルになります。ある程度年収がある方でも、1つのカードで年間400万以上決済するのは難しいです。ライフソリューションサービスで狙う場合、下の記事も参考にしていただければと思います。
いろいろ書きましたが、ダイヤモンド会員取得ハードルは、圧倒的にJALに軍配が上がります。
スポンサーリンク
4.取得して価値があるのはどっち?
JALとANAのダイヤモンド会員資格は全く同じサービス内容ではありません。それぞれのサービス内容はそれぞれのWebサイトに書いていますが、私の考える両者の差を披露して考えてみます。
JALダイヤモンドのアドバンテージ:
ダイヤモンド会員がANAに比べて少ない(私の推定ですが)
USJのJALラウンジが利用可能
最初に書きましたが、2022年のJALマイレージキャンペーンはANAより若干期間が短かく、開始が遅かったため、チャレンジした方はANAより少なかったはずです。JALの方がダイヤモンド会員数が少ない分、サービスレベルは相対的に上昇すると思われます。
USJのJALラウンジは関西在住者にとってはかなり有用です。30分間のソフトドリンクサービスを受けることができますし、JAL ユニバーサル・エクスプレス・パス(アトラクションの優先搭乗券)を3カ月に1枚取得できます。
ANAダイヤモンドのアドバンテージ:
特典航空券の優先待ち
搭乗優先
国内線ANA SUITE LOUNGEが利用できる
JAL特典航空券のキャンセル待ちは国際線ファーストクラスのみなので、あまりメリットがありません。ANAの場合、ビジネスクラス以下でもキャンセル待ち可能で、ダイヤモンド会員はそれ以下の会員より優先的にキャンセル待ちができます。
JALのダイヤモンド会員は、JGCやサファイア会員と搭乗順が同じです(東京ー伊丹・千歳・福岡・那覇などのメイン路線のみダイヤモンド会員が優先されます)。ANAはどの路線でもダイヤモンド会員はプラチナ会員やSFCに優先され、一番最初に搭乗可能です。ダイヤモンド会員の絶対的優位があります。
国内線のANA SUITE LOUNGEは、ダイヤモンド会員でないと利用できません(ダイヤモンド会員に同伴してもらう手もありますが)。搭乗するのが最上級のプレミアムクラスであっても利用できないのです。JALの場合、同等ラウンジであるJALダイヤモンド・プレミアラウンジを利用したければ、国内線ファーストクラスに乗れば利用可能です。
海外旅行で同一アライアンスの便に搭乗する場合、ラウンジ利用で差がでます。
JALの所属するワンワールドは、ダイヤモンド会員だとワンワールド・エメラルドになるので、ワンワールド所属航空会社のファーストクラスラウンジを利用できます。
ANAの所属するスターアライアンスは、SFCでもプラチナ会員でもダイヤモンド会員でもスターアライアンス・ゴールドになり、スターアライアンス所属航空会社のビジネスクラスラウンジ以下の利用になります(ANA以外のファーストクラスラウンジは利用できません)。
他にも細かい差がありますし、SFCとJGCの差もあるので、総合的に評価する必要があります(私の場合、SFCとJGCは両方とも持っているので、SFCとJGCの差はあまり気になりませんが)。以上を踏まえて、私の個人的な印象ですが、ANAダイヤモンド会員の付加価値の方が優秀です。
取得が容易なJALか、価値の高いANAか。USJ好きならJALの方かもしれませんね。
スポンサーリンク
まとめ
2023年に最上級会員取得を目指す場合、JALかANAのどちらの上級会員を入手したほうが便利でお得か考えてみました。取得ハードルはJALの方が低いですが、取得してしまえばANAの方が価値が高そうです。メリットとやる気と資金と時間の兼ね合いですので、最終的にはご自身の判断になると思います。
修行として最上級会員を目指す際、会員資格とともに手に入るのは「マイル」です。相当なマイルが獲得できているはずです。同じ量のマイルを手に入れたとして、JALは特典航空券の予約が容易でマイルの価値が低い(予約に多くのマイルが必要)ですが、ANAは特典航空券の予約が難しくマイルの価値は高い(予約に必要なマイルが少ない)です。マイルの価値と特典航空券の予約の取りやすさを考慮して、選択する必要があります。
ところで、羽田空港第1、2ターミナルの撮影禁止がネット上で話題になっていますね。もともと2021年7月ごろに動画撮影は禁止になっていましたが(この最初のお知らせは羽田空港Webサイトから削除され、後日更新されています)、2023年3月28日をもってSNS用の写真撮影が禁止になりました。
羽田空港で撮影した写真はツイッターにもインスタにも画像アップができない、しょうもない時代になってきました。羽田空港の展望デッキでの撮影もダメなんでしょうか。
他の空港も続くなら、日本の航空業界も先細りですね。ちなみに、羽田空港の英語サイトではそのようなお知らせは無いので、日本人以外や海外サイトなら撮影OKなの? 知らんけど。