プライオリティ・パスとは、イギリスのプライオリティ・パス社が運営する空港ラウンジ利用システムとそのカードを指します。プライオリティ・パスのカードがあれば、世界中の提携ラウンジを使用することができます。今回は、その現状と入手方法に関して考えてみたいと思います。
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プライオリティ・パスのシステム
プライオリティ・パスを持っていると、飛行機の搭乗券がある場合に限り、空港にある提携ラウンジを使用できます。そのパスは無条件に手に入るものではありません。正式に発行する場合は、年会費が発生します。
年間優待回数 | 年会費 | 本人利用料金 | 同伴者料金 | |
---|---|---|---|---|
プレステージ会員 | 制限なく無料 | 469USドル | 無料 | 35USドル |
スタンダードプラス会員 | 10回まで無料 | 329USドル | 35USドル | 35USドル |
スタンダード会員 | なし | 99USドル | 35USドル | 35USドル |
提携ラウンジはプライオリティ・パス社が運営しているわけではありません。ラウンジによってはプライオリティ・パスがなくても有料で入場できる場合があります。
以前は利用料が27USドルだったので、スタンダード会員でもややお得でした。2018年に32USドル、2023年に35USドルされたので、プライオリティ・パスを利用しないで通常料金にした方がお得な場合が多くなっています。
プライオリティ・パスで入室できるラウンジは、ほとんどがビジネスクラス用航空会社ラウンジと同等と考えられます。ファーストクラスラウンジ並みの上品さやサービスは期待できませんが、フードサービスやアルコールを含むドリンクサービス、シャワーサービス、WiFiサービスなどが期待できます(サービス内容はラウンジによります)。
世界中の数多くのラウンジが加盟しており、一部の航空会社ラウンジも参加しています。本来航空会社ラウンジはその会社の顧客を囲い込むためにサービスを提供しているのですが、自社の客だけでなく広く客を迎え入れることで収益アップを図っていると思われます。これは会社としては収益が上がりますが、本来のビジネスクラスあるいは航空会社上級会員の客からすると、混雑やサービス低下により顧客満足度低下をもたらす可能性があります。
プライオリティ・パスが利用できるラウンジは世界で1,000カ所以上とされています。かならずしも国際線に乗る場合だけしか使えないわけではありません。国内線でも利用可能なラウンジがあります。
2023年11月現在、日本の国内でもプライオリティ・パスで利用可能なラウンジは以下の通りです。
成田空港第1ターミナル | IASS Executive Lounge1、I.A.S.S SUPERIOR LOUNGE 希和 -NOA- |
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成田空港第2ターミナル | IASS Executive Lounge2、鉄板焼 道頓堀 くり田、ナインアワーズ、I.A.S.S SUPERIOR LOUNGE 虚空 -KoCoo- |
成田空港第3ターミナル | ぼてぢゅう屋台 |
羽田空港第1ターミナル | Power Lounge Central、Power Lounge South、Power Lounge North |
羽田空港第2ターミナル | Power Lounge Central、Airport Lounge South、Power Lounge North |
羽田空港第3ターミナル | TIATラウンジ |
中部セントレア空港 | くつろぎ処、ぼてぢゅう、THE PIKE BREWING RESTAURANT & CRAFT BEER BAR、UMIZEN SORAZEN、KALラウンジ、Centraiar Global Lounge、Plaza Premium Lounge |
関西空港第1ターミナル | ぼてぢゅう1946、Japan Traveling Restaurant by BOTEJYU カードラウンジ六甲、アネックス六甲、カードラウンジ金剛、ANAラウンジ(国際線)、KIXエアポート カフェラウンジ NODOKA |
福岡空港 | KALラウンジ |
上記のうち、青字のラウンジは国内線保安検査通過後エリアに、赤字のラウンジは出国後エリアにあります。
出国前にあるラウンジなら、国内線でも使用することができます。ただし、IASS Executive Loungeはカードラウンジ相当なので、同伴者ありの場合はクレジットカード(ほとんどの会社のゴールドカード以上ならOK)提示でも無料で入れますし、入場料が発生する場合はプライオリティ・パスを使用せずに直接入場料を払った方が安くつきます。
ぼてぢゅうはラウンジではなくレストランですが、プレステージ会員の場合、1人あたり3,400円分まで無料扱いになります。プライオリティ・パスは最近このようなレストラン無料タイプの提携を増やしてきており、オーストラリアを中心に提携店舗を増やしています。
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プライオリティ・パスをクレジットカードで入手する
プライオリティ・パスの正規会員は、年会費が高いため元を取るのが難しいです。日本の場合、プラチナ以上のほとんどのクレジットカードで、プライオリティ・パス(プレステージ会員)が自動付帯されます。プライオリティ・パスだけが欲しくてクレジットカードを入手するとして、年会費4万円以下のクレジットカードであれば十分得すると考えられます。
クレジットカードによってプライオリティ・パスの使用条件が異なります。ほとんど全てのカードがプレステージ会員ですが、同伴者の費用が無料のものから2,000円、3,000円とさまざまです。さらに、クレジットカードの家族会員にプライオリティ・パスを発行可能かどうかも、クレジットカードによって対応が異なるため、クレジットカード入会の際に十分考える必要があります。
当面独身予定であれば、とにかく年会費の安いクレジットカードがおすすめです。具体的には楽天プレミアムカードなら、年会費1万円でプライオリティ・パスがつく激安カードです。このカードの場合は、同伴者は3,000円+税と有料ですし、家族会員カードではプライオリティ・パスが発行されません。
ひとり者におすすめカード 楽天プレミアムカード 年会費10,000円(税別)
夫婦だけの家族であれば、同伴者無料になるプライオリティ・パスや、家族会員にもプライオリティ・パスが発行できると便利ですね。家族会員のクレジットカード年会費が無料であるとなおさらいいかと思います。もっともコストパフォーマンスがいいのが、MUFGのプラチナアメリカンエクスプレスカードです。年会費20,000円+税とお手頃価格のプラチナカードで、家族会員は1名のみ年会費無料でなることができ、家族会員もプライオリティ・パスが無料発行できます。
夫婦のみの場合おすすめカード
家族会員一人目のみ年会費無料 家族会員もプライオリティ・パス発行無料
MUFG・プラチナ・アメリカンエクスプレスカード 年会費20,000円(税別)
これが子供のいる家族になると難しくなります。夫婦共働きなら、夫婦ともに別々に本会員となるクレジットカードに加入し、そのクレジットカードが同伴者無料入室可能なプライオリティ・パスを発行してくれるカードを選ぶことです。これでなんとか夫婦と子供2人が無料で入室することができます。ここでのキーポイントは、子供(小児)もラウンジ入場料が発生することと、子供(18歳未満)はクレジットカードの家族会員になれないということです。
同伴者が無料で入室できるプライオリティ・パスを入手することはすごくハードルが高く、基本的にインビテーションを必要とするカードしかありません。具体的には楽天ブラックカード、セディナプラチナカード、MUFG・プラチナ・アメリカンエクスプレスカード・プレミアなど、年会費3万円を超えるクレジットカードしかありません。入会審査のハードルも高いです。とりあえず選択肢から外しておきますかねえ(笑)。
家族会員カードでもプライオリティ・パスが発行できるうえに、同伴者も無料となるカードもあります。このレベルになると入会条件が厳しく、年会費がべらぼうに高いクレジットカードしかありません。具体的にはアメリカンエクスプレス・プラチナ(年会費約14万円)やスルガVISAインフィニットカード(年会費約13万円)になってきます。ここまでくると、普通に入場料を払ってラウンジに入った方がましという話になりますね。
あるいは、同伴者が無料になるカード1枚と家族会員カードでもプライオリティ・パスが発行できるカード1枚の合計2枚所持するという方法もあります。これだと、夫婦に子供1人を加えて3人まではOKです。年会費はアメックスプラチナの半分くらいで済みますが、インビテーションの必要なカードを取得する必要があります。
子供がいると、年会費が高額なプレミアカードをゲットしなくてはならない。
航空会社の上級会員を目指すのなら、上級会員をゲットしてしまえばプライオリティ・パスは不要かもしれません。そこまでのつなぎとするなら、楽天プレミアムカードで十分でしょう。上級会員になれば、家族会員も航空会社ラウンジに入室可能ですからね。
航空会社の上級会員になるときに加入するカードでプライオリティ・パスが発行できるなら、世界のラウンジのかなりの範囲で入室可能になるため、どこに行ってもラウンジ難民になることはないでしょう。さらに家族会員にもプライオリティ・パスが発行できれば、ほぼ無敵ですね(言い過ぎかもしれませんが)。
JALカードやANAカードのプラチナカードであれば、マイレージプログラムポイントを5万ポイント獲得すれば、上級会員資格+プライオリティ・パス(家族会員1名分まで)が可能です。ただし、年会費がかなり高くなりますよ。
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