近年、ルール変更など激動のプライオリティ・パスですが、2026年現在のプライオリティ・パスのルールや現況についてまとめてみました。
プライオリティ・パスは、飛行機旅行の際に空港の提携ラウンジやサービスを受けることができるシステムです。無料・無条件に手に入るものではなく料金が発生する場合もありますが、上手に利用するとお得にサービスを享受できます。
スポンサーリンク
プライオリティ・パスとは
空港で飛行機搭乗前に時間を持て余したとき、ゲート前の混雑したスペースで待機することに疲労を感じることがあるかもしれません。フルサービスキャリアと呼ばれるサービスに定評のある航空会社では、ビジネスクラスやファーストクラスなどの搭乗客に対して上質な待機エリアを提供しています。それがいわゆる空港ラウンジです。
エコノミークラスや安さをうりにする航空会社(LCC)の場合、空港ラウンジサービスは提供されません。そんな方々を対象に、空港でのラウンジやレストランサービスを提供する会員システムがプライオリティ・パスです。イギリスに本拠地があるコリンソングループが提供するサービスシステムです。同様のサービスシステムとして、ラウンジキーやドラゴンパスなどがあります。また、ダイナースクラブやアメリカン・エクスプレスなどのクレジットカード会社は独自にラウンジサービスシステムを構築しています。
プライオリティ・パスを持っていると、飛行機利用の際に空港の提携ラウンジやサービス施設を使用できます。航空会社のステータスやシートのランクは原則関係ありません(一部、利用航空会社の制限を受けるラウンジもあります)。プライオリティパスは無条件に手に入るものではありません。正式に発行する場合は、年会費が発生します。
| 日本居住者の場合 | 年間優待回数 | 年会費 | 本人利用料金 | 同伴者料金 |
|---|---|---|---|---|
| プレステージ会員 | 制限なく無料 | 469USD | 無料 | 35USD |
| スタンダードプラス会員 | 10回まで無料 | 329USD | 35USD | 35USD |
| スタンダード会員 | 利用毎に35USD | 99USD | 35USD | 35USD |
ラウンジやサービスを提供するのは、プライオリティ・パス社あるいはその関連会社と提携する施設になります。したがって、施設はプライオリティ・パス所有者専用でもありませんし、プライオリティ・パス者が運営しているわけもありません。状況よってはプライオリティ・パスを通さない利用の方が安くなる場合もあります。
例えば、プライオリティ・パスを提示して関西空港のレストラン「Botejyu 1946」を利用すると3,400円分の食事代割引サービスが受けられます。プライオリティ・パスのスタンダード会員の場合、1回利用料が35USD(2026年現在約5,600円)なので、プライオリティ・パスを利用すると約2,200円も損になります。一方で、プレステージ会員なら利用回数に制限が無いので、利用すればするほどお得です。
プライオリティ・パスで提供されるサービスは、空港ラウンジに限定されません。レストラン、マッサージサービス、レンタルサイクルなど、多岐にわたります。
世界中で数多くの施設が提携しており、一部の航空会社ラウンジも参加しています。本来航空会社ラウンジはその会社の顧客を囲い込むためにサービスを提供しているのですが、自社の客だけでなく広く客を迎え入れることで収益アップを図っていると思われます。これは会社としては収益が上がりますが、本来のビジネスクラスあるいは航空会社上級会員の客からすると、混雑やサービス低下により顧客満足度低下をもたらす可能性があります。
プライオリティ・パスが利用できるラウンジは世界で1,500カ所以上とされています。一部例外もありますが、フライト搭乗前のみ利用可となっている施設がほとんどです。必ずしも国際線に乗る場合だけしか使えないわけではありません。国内線でも利用可能なラウンジがあります。そして日本の提携施設も増加傾向にあります。
プライオリティパスとクレジットカード
日本のクレジットカード会社の発行するゴールドカードやプラチナカードの一部では、プライオリティ・パスが附帯することがあります。正直なところ、正規のプライオリティ・パス会員は会費が高くて元を取るのが大変です。大半の方はクレジットカード提携のプライオリティ・パスを利用していると思われます。
クレジットカード会社を通したプライオリティ・パスの場合、利用条件がカード会社によって異なります。
制限のかかる要素として、①無料利用可能な同伴者の数、②利用可能回数、③利用可能範囲(海外空港のみなど)、④利用可能サービス(ラウンジ以外は対象外など)、⑤デジタル会員カードの有無、などが挙げられます。契約条件を十分確認して利用する必要があります。
代表的なクレジットカードとプライオリティ・パスの利用制限を表にしてみました。注意点として、同伴者料金やクレジットカードの年会費などに差があるので、この表だけで優劣の比較はできません。
| 国内サービス店舗 | 海外サービス店舗 | 年間利用回数制限 | |
| アメックス・ゴールド | × | × | 2回 |
| アメックス・プラチナ | × | × | 制限なし |
| MUFGアメックス(JALも) | × | × | 制限なし |
| JCBプラチナ(ザ・クラス) 三井住友VISAプラチナ |
× | ○ | 制限なし |
| ダイナースクラブ |
× | 〇 | 10回 |
| UCプラチナカード |
× | 〇 | 6回 |
| 楽天プレミアムカード | × | × | 5回 |
| dプラチナカード | ○ | ○ | 10回 |
| セゾンプラチナ エポスプラチナカード ラグジュアリーカード |
〇 | 〇 | 制限なし |
ほとんどのカードで国内サービス店舗(レストランを含む)が利用できません。デジタル会員証の場合、利用できないラウンジはプライオリティ・パス・アプリの検索でヒットしないので事前に確認可能です。
複数のクレジットカードを所持していて、プライオリティ・パスを複数持っている場合、管理が面倒になります。特に特にデジタル会員証の場合、1つのスマホに1アプリしか登録できないのが使用しづらい要因になっていました。2026年9月よりプライオリティ・パス+というアプリが使用できるようになり、複数のプライオリティ・パスが登録可能になって事でこの障害が解消されています。
プライオリティ・パスで利用可能な施設とは
プライオリティ・パスで利用可能な施設は、ラウンジ、レストラン、サービス施設に大別されます。
ラウンジ
プライオリティ・パスで入室できるラウンジは、ほとんどがビジネスクラス用航空会社ラウンジと同等と考えられます。ファーストクラスラウンジ並みの上品さやサービスは期待できませんが、フードサービスやアルコールを含むドリンクサービス、シャワーサービス、WiFiサービスなどが期待できます。原則、予約不要で利用できます。
バンクーバー空港 US線用 PLAZA PREMIUM LOUNGE
サービス内容はラウンジによりますし、現地物価との兼ね合いからアルコール類やシャワーサービスなどが有料になるラウンジや、入場に追加料金が必要なラウンジもあります。ヒースローなど利用者が集中する空港では、ラウンジ利用が予約制(あるいは予約優先)になっているケースもあります(予約は有料です)。
一部の空港では、クレジットカードで利用可能なラウンジ(いわゆるカードラウンジ)が利用対象になっているため、サービスレベルがビジネスクラスラウンジには到底及ばないケースもあります(羽田空港第1ターミナルのPower Lounge North など)。
基本サービス
ほとんどのラウンジでは無料WiFiが利用可能です。トイレも多くの場合備わっていますが、一部ラウンジではトイレが施設外になるケースもあります(羽田空港エアポートガーデンエアポートカフェラウンジ NODOKAなど)。幼児や乳幼児の扱いはラウンジの規約次第ですが、2歳未満の利用はほとんどの場合で無料になります。
フード提供
ラウンジでのフード提供方法は様々ですが、ほとんどの場合はビュッフェ形式になります(中部国際空港Plaza Premium Loungeなど)。
台北 桃園空港 PLAZA PREMIUM LOUNGE
ネットカフェやカフェなどがラウンジ扱いで提供されている施設では、セットメニューが提供されます(新千歳空港Cafe Sky Libraryなど)。
新千歳空港 Cafe Sky Library
追加料金の支払いでフルサービスダイニングを楽しめるラウンジもあります(シドニー空港The Houseなど)。
ドリンク提供
ほとんどのラウンジでソフトドリンクに追加料金はかかりません。
バンクーバー空港 US線用 PLAZA PREMIUM LOUNGE
アルコールに関しては、提供されるアルコールは無料のラウンジが多いですが、セットメニューに入っている場合は無料のラウンジ(羽田空港エアポートガーデンエアポートカフェラウンジ NODOKAなど)や、シャンパンなどの高級アルコールが有料のラウンジ(香港空港Lounge Kyraなど)など様々です。
微妙に悩ましいのがチップの扱いですね。アジアやオセアニアでは悩まないのですが、欧米などのチップ文化のある国では、当然ですが有料アルコールではチップが発生します。チップに関しては、利用者によっても対応がさまざまのようで、ラウンジ内の無料アルコールやソフトドリンクでも支払う方がいらっしゃるようです(私は支払ったことがありませんが)。準備のいいことにチップを入れる箱が用意されていることもあります(この場合は支払うようにしています)。
シャワーの提供
そもそもシャワー設備の無いラウンジもあり(成田空港第1ターミナルI.A.S.S SUPERIOR LOUNGE 希和 -NOA-など)、この場合はシャワーサービスを受けることができません。
ベルリン空港Lounge Tegel
シャワーがある場合でも、利用が無料のラウンジ(ベルリン空港Lounge Tegelなど)や有料のラウンジ(パース空港Aspire Loungeなど)があります。また、シャワーが無料でもタオルの利用が有料のケースもあるので注意しましょう。
レストラン
2016年頃から、プライオリティ・パスでレストラン利用が可能になってきました。すでに書きましたが、クレジットカード付帯のプライオリティ・パスの場合、レストランを利用できないことが多いので注意が必要です。
プライオリティ・パスで国内レストラン利用可能なカードの例
・セゾンプラチナカード/セゾンプラチナビジネスカード
・apollostation THE PLATINUM
・ラグジュアリーカード
・エポスプラチナ
・dカードプラチナ
レストランでのサービスは、合計金額から値引きあるいはセットメニューの提供の2種類があります。
成田国際空港 第3ターミナル ぼてぢゅう屋台
成田国際空港 第3ターミナル ぼてぢゅう屋台はセットメニューのパターンです。フードコートタイプのレストランで設定されていることが多いです。
関西空港 第1ターミナル 国内線 ぼてぢゅう1946
関西空港 第1ターミナル 国内線 ぼてぢゅう1946は、お会計金額から3,400円割引していただけます。3,400円以内の利用なら自己負担が無しになります。自由にメニューを選べるのはメリットですが、セットメニュータイプより提供に時間がかかる傾向にあります。
いずれにしても、スタンダード会員の1回利用料金(35USD)より割高の印象です。プライオリティ・パスを利用せずに通常のレストラン利用をした方がお得なケースも多くなります。
ここでも悩ましいのがチップの扱いです。プライオリティ・パスはチップ代を含まないという規約があるので、チップ文化のある国でどうするのがスマートか困ります。
割引パターンの場合、無料範囲内で利用するとややこしくなるので、無料範囲をちょっと上回るように利用すれば、どのみちチップ代分は無料範囲を超えてくるのでわかりやすいと思います。
セットメニューの場合、サービス料の形で含まれているのかどうか、店側に確認するしかありません。正直面倒です。幸い、セットメニューの形にしているのはチップ文化の無い国が多いです(日本や香港、シンガポールなど)。
サービス
プライオリティ・パスで提供されるサービスは多岐にわたります。こちらも、クレジットカード付帯のプライオリティ・パスでは利用できないことが多いので注意が必要です。
例)
・マッサージ
・ゲーム
・休憩室
・カプセルホテル
・サイクリング
名古屋セントレア空港第1ターミナル SOLA SPA 風の湯
セントレア空港のSOLA SPA 風の湯では空港で大浴場を利用可能です。出発前に汗を流しておきたい方にお勧めです。
成田空港 第2ターミナル前 ナインアワーズ
成田空港の第2ターミナル前にあるナインアワーズではシャワールームや仮眠室を利用可能です。
シンガポール・チャンギ空港 第2ターミナル Hub & Spoke
シンガポール・チャンギ空港 第2ターミナルにあるHub & Spokeでは空港周辺をサイクリングすることができます。サイクリング後にシャワー利用も可能です。
羽田空港ではマッサージサービスを受けることのできる足湯カフェ&ボディケアLUCKがあります。ニューヨークJFK空港のMinute Suitesでは、1時間の個室利用が可能になっています。ロサンゼルス空港のGamewayでは1時間のゲームステーション利用ができます。
このように、従来の空港サービスでは見られなかったサービスが増えてきています。
日本のプライオリティ・パス施設の現状
2026年8月現在、日本の国内でもプライオリティ・パスで利用可能なラウンジは以下の通りです。リンク先は実際に訪問した体験記になっています。
| 新千歳空港 国際線ターミナル |
保安検査前 一般エリア |
Cafe Sky Library |
|---|---|---|
| 成田空港 第1ターミナル |
保安検査前 一般エリア |
IASS Executive Lounge1(※3) 肉料理 やきすき やんま(※1) |
| 国際線 出国後エリア |
I.A.S.S SUPERIOR LOUNGE 希和 -NOA- Japanese Grill & Craft Beer TATSU(※1) |
|
| 成田空港 第2ターミナル |
保安検査前 一般エリア |
IASS Executive Lounge2(※3) |
| ターミナル前 | ナインアワーズ(※2) | |
| 国際線 出国後エリア |
I.A.S.S SUPERIOR LOUNGE 虚空 -KoCoo- 鉄板焼 道頓堀 くり田(※1) |
|
| 成田空港 第3ターミナル |
保安検査前 一般エリア |
ぼてぢゅう屋台(※1) |
| 羽田空港 第1ターミナル |
保安検査前 一般エリア |
Power Lounge Central (※3) 注意:上記ラウンジは海外発行のプライオリティ・パスのみ対象 足湯カフェ&ボディケアLUCK(※2) |
| 国内線 保安検査後 |
Power Lounge South (※3) Power Lounge North (※3) 注意:海外発行のプライオリティ・パスのみ対象 |
|
| 羽田空港 第2ターミナル |
保安検査前 一般エリア |
Power Lounge Central (※3) 注意:海外発行のプライオリティ・パスのみ対象 |
| 国内線 保安検査後 |
Airport Lounge South (※3) Power Lounge North (※3) 注意:海外発行のプライオリティ・パスのみ対象 |
|
| 国際線 出国後エリア |
Power Lounge Premium | |
| 羽田空港 第3ターミナル |
国際線 出国後エリア |
TIATラウンジ SKY LOUNGE SOUTH |
| 羽田エアポートガーデン | All Day Dining Grande Aile (※1) Body Care LUCK(※2) エアポートカフェラウンジ NODOKA |
|
| 中部国際空港 第1ターミナル |
保安検査前 一般エリア |
くつろぎ処 SOLA SPA 風の湯(※2) Japan Traveling Restaurant by BOTEJYU(※1) |
| 国際線 出国後エリア |
UMIZEN SORAZEN (※1) KALラウンジ The Coral Finest Business Class Lounge Plaza Premium Lounge |
|
| 中部国際空港 | FLIGHT OF DREAMS | THE PIKE BREWING RESTAURANT & CRAFT BEER BAR (※1) |
| 大阪伊丹空港 | 保安検査前 一般エリア |
大阪エアポートワイナリー(※1) |
| 関西国際空港 第1ターミナル |
国内線 保安検査後 |
ぼてぢゅう1946・Japan Traveling Restaurant by BOTEJYU (※1) |
| 関西国際空港 | エアロプラザ | KIXエアポート カフェラウンジ NODOKA |
| 米子空港 (美保飛行場) |
保安検査前 一般エリア |
LOUNGE DAISEN 注意:海外発行のプライオリティ・パスのみ対象 |
| 福岡空港国際線 ターミナル |
国際線 出国後エリア |
KALラウンジ ラウンジ福岡 |
| 佐賀空港 | 保安検査前 一般エリア |
Premium Lounge さがのがら。 |
| 鹿児島空港 | 保安検査前 一般エリア |
ボディケアLUCK(※2) |
※1:レストラン店舗 ※2:その他サービス店舗 ※3:カードラウンジ相当
2025年以降、フライト到着時に利用することができなくなっています(成田空港のIASS Executive Lounge1, 2は到着時利用可)。プライオリティ・パスのサービスは原則出発時のみです。
成田空港のIASS Executive Loungeなどは、本来カードラウンジです。日本国内発行の多くのゴールドカード提示でも利用できます。プライオリティ・パスの対象となることで、訪日客も利用可能になっています。カードラウンジをプライオリティ・パスで利用する場合、契約状況によってはかなり高くつくことがあります(スタンダード会員など都度払いが必要なケースなど)。
日本のクレジットカードに附帯するプライオリティ・パスでは、レストランやサービス店舗を利用できないことが多くなっています。おすすめはラウンジ扱いされている店舗で、新千歳空港のCafe Sky Libraryや羽田空港のエアポートカフェラウンジ NODOKA、関西空港のKIXエアポート カフェラウンジ NODOKAなどの場合、国内線出発時でもラウンジ扱いで利用可能です。
本格的な空港ラウンジは、国際線出国後エリアにのみ設置されていることが多いので、なかなか利用機会に恵まれません。そして異常に混雑することが多いです(特に羽田空港)。ラウンジを利用できない可能性があることを念頭に置いておきましょう。
海外のプライオリティ・パスの現況
コロナ禍による移動自粛が過去のものとなり、世界的に空港利用が急増しています。羽田空港がその最たるものですが、ヒースロー空港やドバイ空港、チャンギ空港なども混雑傾向であり、フライトの遅延も生じやすくなっています。また、アメリカの空港も入国審査に時間がかかるため、いろいろ影響が出やすくなっています。
ラウンジ混雑と言えば、ヒースロー空港が突出しています。ラウンジが利用できないケースが多発するため、2023年頃からプライオリティ・パスによるラウンジ利用に予約制度が導入されました。
ヒースロー空港の多くの商用ラウンジでは、プライオリティ・パスによるラウンジ利用が予約制(あるいは予約優先)になっています。予約は有料なので、従来のように1回分のプライオリティ・パス利用権行使だけでは利用できないことになります。
対策としては、混雑する空港の利用を避けることに尽きます。ヒースロー空港はプライオリティ・パスを使用しづらいだけでなく、空港サービス料も高額に設定されていて(安価な空港との差額だけで1~2万円くらい、予約クラスが上になるとさらに差が開く)、いろんな意味で避ける方がよさそうです。
おすすめはヘルシンキ・ヴァンター空港ですね。プライオリティ・パスが利用可能なラウンジも多数ありますし、なによりシェンゲン内への乗り継ぎ路線が充実しています。
プライオリティ・パスの有効利用
利用者急増と物価上昇の影響で、以前よりプライオリティ・パスで受けられるサービスが低下する傾向にあります。たとえば、ラウンジでアルコールが有料であったり、入場保証のために有料予約が必要だったり、シャワーが有料だったり。コロナ禍前のラウンジ利用ではあまり見られない状況でした。
また、ラウンジによる特性もあり、フード類は充実しているけどシャワーなどのサービスが無いとか、逆にシャワー利用がおすすめポイントだけどフードが今一つという施設もあります。一箇所の訪問だけでは利用者の希望をカバーできないこともあるんです。
プライオリティ・パスは1回の搭乗に対して複数の施設でサービスを受けることは禁止されていません。ただし、プライオリティ・パスの発行元の判断により、追加料金が発生する可能性があります。
コロナ禍以前のプライオリティ・パスは、レストラン店舗での利用制限や利用回数制限はほとんどなく、1枚持っていれば十分の印象でした。ラウンジサービスの縮小とプライオリティ・パス自体の利用制限に伴い、プライオリティ・パスを使い分けるのが選択肢になってきています。
例えば、レストランは利用できないけどラウンジは利用できる使用回数に余裕のあるプライオリティ・パスはラウンジ利用時に使う。レストラン利用はレストラン利用可能で使用回数制限のあるプライオリティ・パスを節約しながら使う。同伴者無料のプライオリティ・パスは海外家族旅行時に利用する。状況によっては、同じ空港で別のプライオリティ・パスを用いて複数施設を利用する。
従来では考えられなかった、プライオリティ・パスの複数持ちに価値のある時代になっています。それはすなわち、プレミアムカードやプラチナカードといった上位クレジットカードを複数持つことになり、クレジットカード自体も使い分けてお得に利用しないともったいないです(正直、面倒に感じることもあります)。
すでに書きましたが、プライオリティ・パス複数持ちは、それぞれの管理が大変です。特にデジタル会員証の場合、1つのスマホに1アプリしか登録できないのが使いにくい要因でした。それが解消されるプライオリティ・パス+アプリ(Priority Pass+)を紹介します。
プライオリティ・パス+アプリ(Priority Pass+)とは
2019年ごろからカード会社発行のプライオリティ・パスの利用回数制限や利用対象施設制限が発動し、そのルールがカードによってまちまちであって、管理しづらく面倒になっていました。従来のプライオリティ・パスアプリは、スマホ1台当たり1アプリ(すなわちデジタルカード1枚)しか登録できず、カードを変更して利用するたびにログイン・ログアウトを余儀なくされ、これも大きな障害になっていました。
さらに、2026年10月から従来のプライオリティ・パスアプリにワンタイムパスワードが導入されています。有効時間が30秒というシュールな時間設定で、環境次第ではメール受信が終わったときにはすでにワンタイムパスワードの期限が切れているというシビアな状況が生まれました。これもハードルの一つですね。
2026年9月に導入されたPriority Pass+アプリ(プライオリティ・パス+)はその障害を一気に消し去ってくれる画期的なアプリです。
主な変更点
・複数のプライオリティ・パスが登録可能
・プライオリティ・パスごとに利用可能な施設が表示される
・プライオリティ・パスごとに利用可能回数や無料同伴者範囲が表示される
・旅程を登録すればアプリホーム画面に現在いる(はずの)空港ラウンジが表記される
●複数のプライオリティ・パスが登録可能

1つのアプリ内に複数のプライオリティ・パスを登録できます。それぞれ切り替えが可能です。
●プライオリティ・パスごとに利用可能な施設が表示される

こちらは楽天カードのプライオリティ・パスです。関西空港の場合、ラウンジNODOKAのみ表示されます。

dカードに切り替えました。レストラン店舗も対象になるので、食事の表記とBOTEJYUが出てきていますね。
このように、どのラウンジが利用可能か一目瞭然でわかるのはメリットです。
●プライオリティ・パスごとに利用可能回数や無料同伴範囲が表示される

dカードのプライオリティ・パス表示です。利用枠のうち7回使用していて残り利用回数は3回だとわかります。

楽天カードの表記に移ります。こちらのカードは利用回数制限が無いので、残り回数が無限になっていますね。同伴2名まで無料だと明記されています。
無料同伴範囲が一目瞭然なのがありがたいです。
デメリットとして、従来のプライオリティ・パスアプリでは利用したラウンジの履歴がわかりましたが、Priority Pass+アプリではわかりません。Priority Pass+アプリで利用した履歴を従来のプライオリティ・パスアプリで確認可能です。
●旅程を登録すればアプリホーム画面に現在いる(はずの)空港ラウンジが表記される

旅程をアプリ内に登録することにより、次のフライトの出発空港の利用可能ラウンジがホーム画面に出てきます。使い慣れた空港ならいらない機能ですが、海外で複数の空港を利用する際に大いに役立ちます。横にスワイプさせることにより、さらに先のフライトに関するラウンジ情報も瞬時にわかります。
デメリットとして、たくさんのフライトを登録すると探すのが面倒だというところでしょうか。一覧にはならないので、スワイプして探す必要があります。
プライオリティ・パス複数枚所持の方が増えていると思います。このアプリは非常に便利なので、ぜひとも導入したいところです。
まとめ
プライオリティ・パス対象施設が増加し一見して便利になってきているようですが、プライオリティパスの利用制限や、プライオリティ・パス対象ラウンジのサービス制限などもあり、プライオリティ・パスの価値が若干低下している印象もあります。
その対策となるプライオリティ・パスの複数枚持ちですが、従来のプライオリティ・パスアプリでは1アプリ1枚しか登録できずかなり不便でした。Priority Pass+アプリは複数枚登録可能なので非常に役立ちます。
といっても、レストラン利用時の制限はかなり大きいですね。同伴者が無料利用可能でかつレストランも利用できるカードはほぼ無いので、手持ちの権利で利用できるところは利用し、無理な分はあきらめるのも大事です。